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 交通事故

よくある質問

Q1事故が起きたら何をすべきですか?

A1 (1)負傷者の救護活動、(2)危険防止措置、(3)警察への届出、(4)保険会社への通知、が必要です。

(1)負傷者の救護活動

負傷者がいる場合、119番通報をしたり、応急手当をする必要があります。

(2)危険防止措置

二次的な事故の発生を防ぐため、発炎筒を炊いたり、停止表示板を置いて、後続車を誘導する必要があります。なお、事故現場の保存のため、事故車 の移動は警察が来るまで控えておくほうが良いでしょう。

(3)警察への届出

事故を警察に届ける必要があります。加害者が処罰を恐れて届出をしないこともあるので、被害者からも届けるべきです。

(4)保険会社への通知

保険会社へ通知しましょう。任意保険では、事故後60日以内に届けないと保険金が支払われないことがあるので、注意しましょう。

Q2交通事故を起こすとどのような責任を問われますか?

A2(1) 民事上の責任、(2)刑事上の責任、(3)行政上の責任、を問われます。

(1) 民事上の責任

加害者は、被害者に対して損害賠償責任を負います。

(2) 刑事上の責任

人身事故を起こした場合には、業務上過失致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われることがあります。もっとも、軽微な交通事故の場合には、交通反則通告 制度に基づく反則金を納めれば刑罰が科されないことが多いです。

(3) 行政上の責任

運転免許を停止されたり、取り消されたりします。

Q3被害者はどのような損害を請求できるのですか?(傷害・後遺症なし)

A3(1) 財産的損害、(2)精神的損害、を請求できます。

(1) 財産的損害

治療費、付添人費用、通院交通費、雑費、休業損害などです。

(2) 精神的損害

入院、通院したことに対する慰謝料です。

Q4被害者はどのような損害を請求できるのですか?(傷害・後遺症あり)

A4A3に加えて、後遺障害に対する逸失利益(財産的損害)と、後遺障害に対する慰謝料(精神的損害)が請求できます。

Q5被害者はどのような損害を請求できるのですか?(死亡)

A5

(1) 財産的損害

死亡による逸失利益、葬儀費用、死亡に至るまでの治療費などです。

(2) 精神的損害

死亡したことに対する慰謝料です。

Q6逸失利益とは何ですか?

A6逸失利益には、死亡事故の場合の逸失利益と、傷害事故で後遺症の残っている場合の後遺症による逸失利益とがあります。
死亡事故の場合の逸失利益とは、事故によって死亡した人が、事故にあわずに無事生存していたら、一生の間に得られたであろう収入のことをいいます。
後遺症による逸失利益とは、後遺障害でその人の労働能力が低下したことにより、一生の間に得られたであろう収入が減額した分のことをいいます。
逸失利益は、損害賠償の項目の内、もっとも金額が大きいので、その算定は非常に重要です。

Q7被害者が専業主婦であった場合、逸失利益や休業補償は発生しないのですか?

A7いいえ、発生します。裁判では、女子労働者の平均賃金を基準として逸失利益や休業補償を算定することが多いです。

Q8被害者が無職者であった場合、逸失利益は発生しないのですか?

A8無職者であっても、労働能力と意思を有していたが、たまたま失業中であったような場合には、逸失利益は認められます。他方、働く意思の見られない利子生活者や浮浪者などには、逸失利益は認められません。

Q9被害者が幼児や小中学生であった場合、逸失利益は発生しないのですか?

A9いいえ、発生します。裁判では、労働者の平均賃金を基準とし、18歳から67歳までの49年間働くと考えて逸失利益を算定します。

Q10被害者が高校生や大学生であった場合、逸失利益は発生しないのですか?

A10いいえ、発生します。裁判では、高卒あるいは大卒の労働者の平均賃金を基準として逸失利益を算定します。その際、高校生であっても、大学進学が確実である場合には、大卒の労働者の平均賃金を基準としますし、大学生であっても、企業に内定していたような場合には、その会社の賃金を基準として平均賃金を算定することもあります。また、医学部生の場合には、医者になる可能性が高いので、医者の平均賃金を基準とすることができる場合もあります。

Q11どうして任意保険に入らなければならないのですか?

A11交通事故を起こした場合、加害者は被害者に対し、多額の損害賠償をしなければなりません。被害者が死亡したり、重度の後遺症を負ってしまったような場合には、1億円近い賠償金となることもあります。しかし、このような大金を個人で負担できる人はほとんどいませんから、保険でカバーする必要があります。
自動車の保有者は、自動車損害賠償保険法に基づく自動車損害賠償責任保険(自賠責保険。強制保険ともいいます)に加入することを強制されていますが、自賠責保険は死亡で3000万円、傷害では120万円までの賠償金しか支払われず、また物損ではそもそも保険がきかないため、多くの場合に不足が生じてしまいます。
そこで、自賠責保険でカバーされる金額を超える分を填補する自動車保険が必要となります。これが任意保険です。任意保険に加入することは自動車を運転する者にとって、最低限のマナーであるといえます。なお、任意保険の加入率は7割強程度にとどまっています。

Q12自賠責保険とは何ですか?

A12自動車の保有者が加入することを強制されている保険で強制保険とも言います。人身事故を起こした場合には、死亡で3000万円、傷害で120万円、後遺障害では各等級ごとの限度額(最高4000万円)まで填補されますが、物損事故は填補されません。
また、加害者の自賠責保険は、被害者への賠償金の支払いを填補しますので、加害者もケガをして損害があったとしても、その分を加害者の自賠責保険で填補することはできません。

Q13任意保険の対人賠償責任保険の保険金額が5000万円なのですが、保険会社はいったいいくらまで賠償金を補填してくれますか。

A13自賠責保険の保険金額(傷害は120万円、後遺障害は各等級ごとの金額)を超える分が5000万円となるまでは、保険会社が賠償金を填補します。それを超えた分については、加害者の自己負担となります。したがって、なるべく対人無制限の任意保険に加入するべきといえます。

Q14被害者請求とは何ですか?

A14被害者が直接、自賠責保険の賠償金を請求できる制度をいいます(自賠法16条)。自賠責保険の被害者請求では、死亡で3000万円、傷害で120万円、後遺障害では各等級ごとの限度額(最高4000万円)まで填補されますが、物損事故は填補されません。被害者請求は、被害者と加害者の示談が成立していない段階でもすることができます。
被害者が、経済的に困窮している場合には、生活に困って不本意な示談をすることがないよう、被害者請求をして、自賠責保険の支払いを受け、経済的余裕をもって示談交渉にあたるべきでしょう。
なお、被害者請求権は、事故発生時から2年で時効にかかるので注意が必要です。

Q15過失相殺とは何ですか?

A15交通事故では、加害者が一方的に悪いというわけではなく、被害者の過失も考慮される場合がほとんどです。その場合、加害者が支払うべき賠償金の算定にあたっては、被害者の過失の程度によって、賠償金が減額されることになります。これが過失相殺です。たとえば、損害額が1000万円で、過失割合が7(加害者)対3(被害者)の場合、加害者が支払うべき賠償金は700万円となります。

Q16被害者請求でも過失相殺をされるのですか?

A16被害者請求は、被害者に重大な過失がない限り賠償金を減額することがありません。したがって、過失割合を徹底する示談交渉や裁判よりも、被害者請求をしたほうが有利な場合もあります。
たとえば、死亡事故で、損害額が4000万円、過失割合が7(加害者)対3(被害者)の場合、示談交渉や裁判では、過失相殺されて2800万円の賠償金が支払われます。
しかし、被害者請求では、この程度の過失では減額されないので、限度額である3000万円が支払われることになります。

Q17過失割合はどうやって決まるのですか?

A17過失割合は、事故の態様で決定されます。そして、今日では、事故の態様はかなり類型化されてきています。たとえば、交差点で、車道の信号が黄色から赤に変わったにもかかわらず、直進車が、これを無視して交差点に進入したところ、歩行者が歩行者用の信号がまだ青にならないうちに横断歩道を渡りはじめてしまい、直進車に轢かれた事故(車も赤・歩行者も赤)の場合、基本過失割合は、8(車)対2(歩行者)とされています。もっとも、事故の態様は個々のケースに事情が異なりますので、基本過失割合には修正要素があります。たとえば、上の例で、歩行者が老人や児童であれば、歩行者側の過失割合は5パーセント減算されて、8.5対1.5の過失割合に修正されます。このように、さまざまな個別事情によって、過失割合が修正され、最終的な過失割合が決定されることになります。
ところで、事故態様を知るために、最も重要な資料が、事故直後に作成された実況見分調書や、加害者の供述調書などの刑事記録です。刑事記録の入手方法はQ18、19でご確認ください。

Q18加害者の刑事処分の結果はどうやって確認するのですか?

A18まず、事故証明書に記載された警察署に問い合わせて、事件が検察庁に送致(刑事記録が警察から検察庁に送られること)されたかどうかを確認してください。送致されたならば、送致先の検察庁と、検番(検察庁が事件を識別するためにつける番号)を聞いてください。そして、今度は送致先の検察庁に電話をし、検番を伝えて、加害者が起訴されたか不起訴とされたかを問い合わせます。起訴されている場合には、裁判が確定しているかどうかも聞いてください。

Q19刑事記録はどうやって入手するのですか?

A19

(1)加害者が不起訴になった場合

被害者は、検察庁にて、実況見分調書を閲覧、謄写申請できますが、加害者などの供述調書は閲覧できません。なお、記録の保存期間があるので注意が必要です。特に、後遺症の症状固定後に閲覧、謄写しようとしてもできない場合があります。

(2)加害者が起訴されて裁判中の場合

被害者、被害者遺族は裁判所に刑事記録の謄写申請ができます。具体的には裁判が係属している部の裁判所書記官に、「民事で損害賠償請求したいので刑事記録の謄写をしたい」と申し出ます。なお、加害者が少年の場合は、家庭裁判所に申請します。

(3)加害者の刑事裁判が確定した後の場合

検察庁に申請すれば、刑事記録の閲覧、謄写ができます。ただし、謄写可能になるまで数ヶ月を要する場合があります。この場合も、記録の保存期間があるので注意が必要です。特に後遺症の症状固定後に閲覧、謄写しようとしてもできない場合があります。

Q20被害者が死亡したときは、賠償金の請求は誰ができますか?

A20被害者の相続人が損害賠償を請求できます。内縁の妻・夫(愛人は含みません)も損害賠償を請求できます。相続人以外の近親者も、慰謝料請求権を取得します。

Q21家族間の事故でも、賠償請求できますか?

A21はい、賠償請求ができます。たとえば、夫の運転で家族でドライブをしていて、単独事故を起こし、助手席の妻がケガをしたような場合、妻が夫に損害賠償請求することができます。したがって、被害者請求も可能です。もっとも、賠償される範囲は自賠責保険の範囲までであり、任意保険の分までは支払われません(約款で免責となっています)。

Q22被害者は誰に対して損害賠償を請求できますか?

A22

(1) 加害者

加害者に故意または過失があれば、損害賠償請求できることはもちろんです。また、加害者が運行供用者としての責任を負う場合は、ほとんど無過失責任となります。

(2) 保険会社

強制保険(自動車賠償責任保険)による請求と、任意保険による請求が可能です。

(3) 自動車の名義人

自動車の名義人と加害者が異なる場合には、名義人に対し、運行供用者としての責任を追及することができます(ただし、自動車ローン販売の売主などの例外はあり)。

(4) 加害者の雇い主

加害者が会社の従業員であり、業務中などに事故を起こしたような場合には、雇い主である会社に対しても損害賠償を請求できます。

(5) 被害者の雇い主

被害者が、業務中や通勤途中に事故の被害に遭った場合には、被害者の勤務している会社に対し、その損害を補償してもらえます。また、労災保険が使えます。

(6) 国

道路の設置または管理などに問題があって、事故が発生したような場合や、 加害者が公務員で公務執行中であったような場合には、国に対して損害賠償を請求できます。

(7) 加害者の親

加害者が責任能力のない子どもであったような場合には、その親に対し、責任を追及できます。

(8) 自動車メーカーなど

自動車の欠陥によって事故が起きたような場合には自動車メーカーなどに責任追及が可能です。

Q23任意保険にはどのような種類がありますか?

A23任意保険には、賠償保険と自己保険、があります。賠償保険は、対人賠償保険と、対物賠償保険に分けられます。自己保険は、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険、車両保険、人身傷害補償特約、他社運転危険担保などがあります。これらは、それぞれを別個に契約するわけではなく、セット商品となっているのが通常です。

以下のように、最近の保険は自由化によりさまざまな種類のものがありますので、加害者の保険で、損害を全てカバーできない場合でも、被害者ご自身の保険で使えるものがないかどうか確認するべきといえます。

(1) 対人賠償保険

対人賠償保険は、自賠責保険(強制保険)を超えた分を補償するものです。超えた分をどこまで補償するかについては、3000万円だったり、5000万円だったり、無制限であったりします。

(2) 対物賠償保険

対物賠償保険は、物損について補償するものです。自賠責保険(強制保険)では、物損は補償されませんので、その分を補償します。

(3) 搭乗者傷害保険

契約車に搭乗中の事故で死傷した搭乗者の損害を補償します。

(4) 自損事故保険

単独事故や相手との事故でも自分に100パーセント過失がある場合の事故などで、誰にも請求することができない事故の損害を補償する保険です。

(5) 無保険車傷害保険

相手の車が無保険であったり、相手の保険金額が賠償額より少なく満足な補償が得られない場合など、相手の車の保険から損害賠償を受けられない場合に、保険金が支払われます。

(6) 車両保険

契約車に対する保険であり、車を壊してしまった場合や災害に遭った場合などに保険金が支払われます。

(7) 人身傷害補償特約

保険加入者が被害者になった場合に保険金が全額支払われます。たとえば、加入者が事故にあったが過失相殺で2割が自己負担となった場合でも、この被害者 側の過失分が人身傷害補償特約によってカバーされます。

(8) 他車運転危険担保

他人所有の自動車を運転中に起こした事故の損害を補償する保険です。

Q24交通事故で後遺症が残った場合、損害賠償を求めるタイミングはいつですか?

A24まずは治療に専念します。
症状固定後、医師に後遺障害診断書を書いてもらいます。
後遺障害等級認定の手続きには、2通りあり、被害者から請求する場合を「被害者請求」、任意保険会社から請求するのを「事前認定」といいます。
後遺障害診断書などの必要書類を任意保険会社に提出して、事前認定を受けるか、あるいは自賠責保険会社に被害者請求をして、後遺症第何級かを決定してもら います。なお、後遺症の等級に不服があるときは、異議申立が可能です。
認定された後遺症の等級に基づいて、逸失利益を計算し、損害賠償を求めます。

Q25後遺障害の等級認定に不服があるのですが、どうしたら良いですか?

A25後遺障害の等級認定に対して不服があるときは、損害保険料率算定機構に異議申立をすることができます。その際、あらかじめ保険会社から認定理由を示した書類を受領し、認定理由をふまえたうえで、これに反論する形で異議申立をするようにしてください。損害保険料率算定機構に対する異議申立のほか、財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構に、紛争処理の申請をすることもできます。それでも不服がある場合は、裁判を起こすことになります。

Q26症状固定とは何ですか?

A26症状固定とは、それ以上治療をしても良くならない状態です。完治とか治癒とは違います。ちなみに、理学療法や投薬で一時的に症状が楽になる状態や、気候や季節によって症状に波があるに過ぎない場合も症状固定に含まれます。したがって、被害者自身がケガはまだ治っていないと感じる場合でも症状固定となっている場合もあります。

Q27症状固定となると治療費は払ってもらえないのですか?

A27症状固定以後の治療は、一時的に症状が楽になるだけで、本質的な効果がみられないことから、症状固定となった以後は、加害者には治療費の支払い義務がなくなります。また、被害者は、加害者に対し、治療費だけでなく、休業損害や通院費も請求できなくなります。しかし他方、症状が固定した段階では、後遺障害の認定が受けられるようになります。その結果、後遺症が認定されたら後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することができます。

Q28加害者への損害賠償請求はいつまでにすれば良いですか?

A28一定期間、権利を行使しないでいると、その権利が消滅してしまうことを消滅時効といいます。加害者への損害賠償請求は、被害者が損害および加害者を知ってから3年で消滅時効にかかってしまいます。ひき逃げで加害者が誰だかわからないような特殊な場合を除き、通常は、事故発生の日時から3年で時効となってしまいます。
もっとも、交通事故により後遺症を負った場合には、後遺症があると医師が認定したときから消滅時効が進行しますから、ある程度、時間的な余裕はあります。
なお、自賠責保険の被害者請求については、保険会社に被害者請求をできるときから2年で消滅時効にかかるので、注意が必要です。

Q29自賠責保険で治療費を支払っていたところ、治療費が120万円を超えました。任意保険で支払ってもらえますか?

A29自賠責保険の傷害の保険金額は120万円が上限です。この場合、保険会社は示談が成立していなくても、ある程度内払いをしてくれることが通常です。もっとも、被害者の過失が大きい場合には、加害者の賠償金もその分減額されるので、それを超えるような内払いはしてもらえないこともあります。いずれにしても、治療費に困ったら、まずは保険会社に相談してみると良いでしょう。

Q30保険会社の担当者ではなく加害者本人と示談交渉をすることは可能ですか?

A30任意保険は、示談交渉付自動車保険であるものが大半であるため、示談交渉には加害者ではなく、交渉に精通した保険会社の担当者がでてきます。そして、加害者は保険会社から、被害者との対応は独断でおこなってはならず、必ず保険会社と打ち合わせをしてから対応するように言われているので、交渉の矢面に立とうとはしません。よって、加害者本人と示談することはなかなか困難です。なお、保険会社の提示する示談金が低すぎるということであれば、弁護士に相談してみることをおすすめします。

Q31弁護士の説明する損害賠償の基準(裁判基準)と保険会社の損害賠償の基準が違うのはなぜですか?

A31弁護士の説明する基準とは、裁判で認められる賠償金の基準のことですが、裁判になると解決するまで時間もかかるし、弁護士費用もかかるため、保険会社の基準は、その点を考慮して、裁判基準より低額とされていると、一般には説明されます。しかし、それらの事情を考慮にいれたとしても、保険会社基準は低すぎる感があります。保険会社の提示に納得がいかない場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

Q32死亡事故での損害賠償請求はどうすればよいですか?

A32死亡までの治療費や葬儀代はすぐに加害者に請求して払ってもらいましょう。また、一家の生計を支えていた方が亡くなった場合などは、すぐに生活費にも困るでしょうから、生活費を加害者に請求すべきです。そして、自賠責保険の被害者請求をして、支払いをうけ、当面の生活の不安を取り除きましょう。自賠責保険の被害者請求の手続きは、保険会社に用紙と説明書をもらって、ご自分でおこなうこともできます。なお、加害車両の加入している保険会社がわからなければ警察に問い合わせましょう。あとは、弁護士に相談するなどして、じっくりと腰をすえて、示談交渉をし、保険会社に納得のいく賠償金を算出してもらいましょう。

Q33傷害事故での損害賠償請求はどうすればよいですか?

A33まず、治療費は加害者側から直接病院に払ってもらいましょう。また、負傷により収入が途絶えた場合も、当面の生活費を請求しましょう。誤解されている方も多いのですが、示談をしなければ治療費や賠償金を支払ってもらえないわけではありません。ですから、あわてて示談してはいけません(ただし、時効に注意)。いったん示談をしてしまうと、その後に損害額が増加しても、原則として示談のやり直しはきかないからです。治療が終了するか、治療について一定の見通しがついてから(後遺症がある場合は、症状固定・等級認定後)、腰をすえて示談交渉をすればよいです。なお、加害者は刑事事件との絡みで、自己の刑事責任を軽くするために、早い段階での示談を希望しますが、必ずしもこれに応じる必要はありません。加害者側が治療費等を十分に払わない場合には、自賠責保険の被害者請求(仮渡金の請求)をするのが良いでしょう。また、後遺症がある場合で、保険会社との示談交渉がまとまらない場合には、後遺障害について、自賠責保険に被害者請求をしましょう。

Q34保険会社と示談の交渉をしたり、弁護士に交通事故の相談するにあたっては、どのような書類をそろえておけばよいですか?

A34

(1) 事故証明書

いつ、どこで、どのような事故が発生したかを警察が証明する文書です。事故が起きたら、必ず警察に届けて事故証明書を書いてもらう必要があります。事故証明書がないと、保険の請求ができません。

(2) 診断書・診療報酬明細書

診断書には傷害の内容が記載されており、診療報酬明細書には入院日数・通院日数・治療内容・治療費・入院費などが記載されています。傷害の慰謝料算定などにはこれらの書類が必要です。

(3) 収入を証明するもの

休業補償や逸失利益を請求する場合、その損害額は、被害者の収入によって変動します。そこで、収入がいくらであったかを証明する書類が必要となります。被害者が給与所得者の場合には、勤務先の給与明細あるいは源泉徴収票を用意しましょう。個人事業者の収入は、前年度の確定申告書の写しや納税証明書が必要です。

Q35自賠責保険はどうやって請求すれば良いのですか?

A35自賠責保険を請求するには、加害自動車が加入している保険会社に、必要な書類を提出しておこないます。必要な書類は、保険会社に備え付けてあります。また、保険金の請求、請求に必要な書類の書き方などについては、保険会社が教えてくれますので、問い合わせてみると良いでしょう。

Q36すでに治療は終了しており、保険会社から示談の話が出ているのですが、示談した後に後遺症を発症してしまったらどうしようと不安でなりません。示談しないほうが良いでしょうか?

A36示談とは、加害者が被害者に対して損害賠償金を支払うことを約束し、他方、被害者は約束した損害賠償金以上の金員を要求しないことを約束するものです。よって、原則として、いったん示談をしてしまうと、後で損害が増加したとしても追加請求することはできません。しかし、例外的に、示談後にまったく予想外の後遺症を発症した場合には、別途損害賠償することもできます。ですので、示談の際、将来の後遺症のことを、そこまで気にする必要はありません。もっとも、示談書には、「被害者に将来後遺症が発生した場合には、加害者は、それに関する損害賠償について、別途被害者に支払う」と記載しておいたほうが安心です。

Q37労災はどういうときに使えるのですか?

A37業務中の交通事故だけではなく、通勤中、会社から自宅に帰宅する途中で事故にあった場合でも労災は使えます。被害者のケガが重傷で、加害者が任意保険をつけていない場合や、被害者の過失が大きい場合などには、労災を使うメリットは 大きいといえるでしょう。

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