コラム

公開 2021.11.25 更新 2023.01.30

「社長のおごり自販機」で社内コミュニケーションを活性化!ユニークな事例から見る環境整備の重要性

「社長のおごり自販機」で社内コミュニケーションを活性化!ユニークな事例から見る環境整備の重要性

近年、ユニークな福利厚生制度を導入する企業が増えています。最近話題の「社長のおごり自販機」などユニークな福利厚生制度を紹介するとともに、企業が新たな制度を導入する際の注意点などについて解説します。

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「社長のおごり自販機」が誕生!その狙いとは?

「社長のおごり自販機」なるものをサントリー食品インターナショナル株式会社が開発し、話題となっています。
話題となっているのはその名称のユニークさもさることながら、狙いが秀逸であることも理由の一つでしょう。

「社長のおごり自販機」とは?

「社長のおごり自販機」は、いつでも社長のポケットマネーでドリンクを買ってもらえるサービス、ではありません。
この自販機は、従業員の福利厚生の一環として、会社負担の費用でドリンクを飲むことができるものです。

しかし、この点のみでいえば、特に目新しいとはいえません。
すでに、会社の費用負担で給湯室などにさまざまな種類のスティックコーヒーなどを置いている企業も珍しくないでしょう。

「社長のおごり自販機」がユニークなのは、この自販機から飲料をもらうための条件として、社員2人が同時に自販機に社員証をかざす必要がある点です。

「社長のおごり自販機」の狙いは社員のコミュニケーション活性化

この自販機の狙いは、社員同士のコミュニケーションの活性化にあります。

コロナ禍で在宅ワークを導入する企業も増えている中、それでもオフィスに出勤することの大きな意味の一つは、社員同士のコミュニケーションが取りやすいことでしょう。
社員同士のコミュニケーションが増えれば、企業の雰囲気が向上し、社員のモチベーションも向上することが期待できます。

1人で自販機まで行かず他の社員を誘って行ったり、偶然出会った社員とともに「社長のおごり自販機」をきっかけに会話を交わしたりすることで、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。

従来、このようなコミュニケーションは、喫煙室などで生まれていたケースも多いでしょう。
しかし、禁煙の推進などで喫煙室自体を撤廃する企業も増えており、これに代わるコミュニケーションの場となることなどが期待されます。

自販機は、その名称を導入企業に合わせて「工場長のおごり自販機」などへと変更できる他、無料になる時間帯や曜日、同じペアで無料になる回数の上限を定めるなど、カスタマイズができるようです。

社員のモチベーションを向上させたユニークな取り組み事例

社員のモチベーション向上のため、ユニークな取り組みをしている企業は多く存在します。
ここでは、代表的な取り組み事例を3社紹介します。

株式会社カヤックの「サイコロ給与」制度

「面白法人カヤック」と名乗る株式会社カヤックは、多くのユニークな取り組みをしている企業として名を知る方も多いでしょう。
中でも同社の最もユニークな取り組みの一つが、「サイコロ給与」制度です。※1

「サイコロ給与」制度は、そもそも人が人を正確に評価することなど不可能なのでそれならば、本人の運に委ねてしまおうという発想から生まれた制度です。
その名のとおり、サイコロを振って出た目に応じて社員の給与を決定します。

基本給は別途定められており、サイコロで出た目に応じて基本給に上乗せされる金額が決まる仕組みであるようです。

GMOインターネット株式会社の「オフィスバー」

GMOインターネット株式会社は、福利厚生の一環として、24時間営業の社員食堂「シナジーカフェGMO Yours」を設置しています。※2、※3
ドリンクやパン、お菓子、ランチビュッフェなどすべてが会社負担であり、無料で利用することが可能です。

金曜の夜にはバータイムとしてアルコール類の提供もされており、社員や開発パートナー同士の交流を狙いとしています。

コクヨ株式会社の「社内複業」制度

コクヨ株式会社では、社内「複」業制度を導入しています。
これは、所属する部署の仕事とは異なる社内プロジェクトの仕事を、就業時間の20%を使っておこなう制度です。

たとえば、配属以来ずっとオフィス家具担当だった方が文房具の仕事をする等の例があるようで、新しい視点が入ることでアイディアが活性化するなどの効果が見込まれています。

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労働環境整備の重要性と整備のポイント

ここまで見てきたように、社内の福利厚生や社員の働きやすさの向上に力を入れる企業が増えています。
では、企業が費用をかけてまでこのような労働環境の整備をすることは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、新たな福利厚生を導入するなどして労働環境を整備する際には、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

労働環境整備はなぜ重要?

福利厚生の導入などにより社員の労働環境を整備することは、企業にとって非常に重要です。
なぜなら、主に次のようなメリットが期待できるためです。

社員同士のコミュニケーションが活性化し業績向上につながる

社員同士のコミュニケーションを活性化する仕掛けをした福利厚生をうまく取り入れることにより、企業の生産性向上や業績向上につながります。
なぜなら、社員同士のコミュニケーションが円滑となることで、業務上での連携がよりスムーズとなる効果や、新たなアイディアが生まれやすくなる効果が期待できるためです。

新たなアイディアは、雑談などのコミュニケーションがもととなって生まれることも少なくありません。
特に、部署の異なる社員同士など日頃業務内で関わることが少ない間柄での会話は、新た場アイディアの宝庫といえるでしょう。

長く働く社員が増える

社員の労働環境が向上すれば、退職者が減り、その企業で長く働いてくれる社員が増える効果が期待できます。

企業にとって、新規採用のコストや新入社員の教育にかかるコストは決して軽視できるものではないでしょう。
長く勤務する社員が増えれば、これらのコストを抑えることが可能となります。

また、社内の雰囲気向上により、既存社員からの紹介などで新規の就職希望者を確保しやすくなる効果も期待できます。

労働環境を整備する際のポイント

福利厚生の充実などで労働環境を整備することのメリットが大きいからといって、やみくもに新たな制度を導入しては、逆効果となってしまう危険性も否定できません。
新たな福利厚生制度の導入など労働環境を整備する際には、次の点に注意しましょう。

社員が本当に望んでいるのか見極める

新たな制度を導入する際には、企業からの押し付けになっていないかを見極める必要があります。
たとえば、社員のコミュニケーション活性化を図ろうと考え全員参加の運動会を開催したところ、社員からは不評でむしろ不満が募ってしまう場合もあるでしょう。

これは、どのようなイベントが嫌がられるなどと一概にいえるものではなく、その企業の雰囲気や開催の準備を誰が担うのかといった点、開催の日時などによっても異なります。
社員がどのような福利厚生を望んでいるのか、企業ごとに見極めることが必要です。

社員間の不公平感を助長しないかどうか注意する

せっかく導入した制度が一部の人のみを優遇するような制度である場合、社員間での不公平感が生まれ、むしろコミュニケーションを疎外してしまう危険性があります。
たとえば、喫煙室を非常に豪華にしたところで、非喫煙者である社員は恩恵を受けることができず不満が募ってしまうでしょう。

また、会社が費用負担をする数泊の旅行であっても、社員の構成によっては、家庭環境などから参加しづらい社員と参加できる社員との関係を分断してしまうかもしれません。

そのため、新たな福利厚生を導入する際には、社員間での不公平感を助長しないかどうかという視点からも考慮する必要があります。

法令違反となっていないか注意する

新たな福利厚生の導入をする際には、法令違反とならないかという点にも注意する必要があります。
たとえば、上で紹介した株式会社カヤックのサイコロ給与は、あくまで上乗せ分の給与をサイコロで決める仕組みですが、仮に基本給自体がサイコロで毎月上下する仕組みとしてしまえば、労働基準法などの法令に違反してしまう可能性が高いでしょう。

良かれと考えて導入した制度で法令違反となってしまわないため、導入前に弁護士へ相談することをおすすめします。

まとめ

ユニークな福利厚生制度は、うまく活用することで従業員のモチベーション向上につながり、ひいては企業の生産性向上や業績向上などの効果が期待できます。
しかし、制度の内容によっては逆効果となってしまう可能性がある他、法令違反にも注意しなければなりません。

特に、ユニークな制度であればあるほど何らかの法令に違反していないか、慎重に検討する必要があるといえます。

労働環境の整備や新たな福利厚生制度の導入をご検討の際は、ぜひオーセンスまでご相談ください。

Authense社会保険労務士法人の社会保険労務士が、お役に立てること

新たな福利厚生の導入や労働環境の整備を行う場合、内容によっては就業規則の改定が必要になってきます。
また、導入した福利厚生が、正社員とパートタイム労働者・有期契約労働者との間で、待遇差が禁止されている項目に当たる場合、福利厚生の利用に際して、不合理な待遇差を設ける事はできません。
社員のために導入した福利厚生が後々労務トラブルになってしまわないように、新しい福利厚生の導入を検討する場合は、是非専門家にご相談ください。

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