コラム

カウシェのストックオプションに関する新制度がSNSで話題!新制度誕生の背景と導入のポイント

カウシェのストックオプションに関する新制度がSNSで話題!新制度誕生の背景と導入のポイント

株式会社カウシェが導入したストックオプション制度が話題となっています。
ストックオプションとは何か、そしてカウシェが導入した退職時に失効しないストックオプションのメリットなどについてわかりやすく解説します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
京都大学法学部卒業。旧司法試験第57期。IT系ベンチャー企業、不動産事業者、飲食店事業者を中心に、実績と迅速かつ正確なリサーチを背景として、予防法務の観点から様々な取引上の課題を解決する多面的・実践的なアドバイスを提供している。交渉、訴訟を問わず紛争解決においても数多くの解決実績を有するとともに、M&Aや海外移転等も取り扱う。

ストックオプションとは

シェア買いアプリ「カウシェ」を展開する株式会社カウシェが、やや珍しいストックオプション制度を導入したことが話題となっています。
はじめに、ストックオプションの基本を確認していきましょう。

ストックオプションは決まった価格で株式を取得できる権利

ストックオプションとは、あらかじめ決まった価格で株式を購入することができる権利のことです。

たとえば、A社の株式1株を100円で購入できるストックオプションを持っていれば、その時点でのA社株式の市場価格が1株300円であったとしても、1株100円で購入することができます。

すぐにその株式を市場で売却すれば、差額である200円の利益を得ることができます。
もちろん、すぐに売却せずそのまま株式を保有し続けても構いません。

従業員などに付与されることが多い

ストックオプションは、従業員などに福利厚生の一環として付与されることが一般的です。

企業の業績が上がって非上場企業が株式を上場したり株価が上昇したりすれば、ストックオプションを保有する従業員が金銭的なメリットを享受できます。
先ほど挙げた例で、市場での株価が300円ではなく500円、700円と上昇していけば、その分だけストックオプション行使額との差額が大きくなるためです。行使額で会社から新株発行を受け、それを市場で売却することで、差額分のメリットを得ることができます。

そのため、ストックオプションの付与は、従業員が企業の業績に貢献するモチベーションを上げる効果が期待できます。

退職時に失効することが多い

ストックオプションは、従業員の業績貢献を期待して付与されるものですので、退職時に権利が失効する内容で制度設計がなされていることが大半です。その他、付与時から5年、10年など、権利行使期間に制限が設けられていることも少なくありません。
この場合、設計された制度の内容に従い、退職時など、期限の経過により権利が失効します。

話題となっているカウシェが導入したストックオプションの概要

株式会社カウシェは、2020年4月に設立されたばかりのスタートアップ企業です。※1
では、株式会社カウシェが導入したストックオプションにはどのような特徴があるのでしょうか?※2

退職後もストックオプションが失効しない制度を導入した

株式会社カウシェが導入したストックオプション制度は、退職時にも権利が失効しない点で話題となっています。

そのため、退職する時点ではストックオプションを行使せずにそのまま権利を保有し続け、その後任意のタイミングで権利行使をすることが可能なのです。

退職時に失効しないストックオプション導入のメリット

退職時に失効しないストックオプションを導入することは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
主なメリットは、次の2点です。

スタートアップ企業でもストックオプションのメリットを提供しやすい

いくらストックオプションを付与されたとしても、その企業が上場していなければ、十分なメリットを享受できません。ストックオプションは、市場価格より安価に新株発行を受けた後、市場でこれを売却することで、差額についてメリットを得られる仕組みであるためです。

そのため、上場をしていないスタートアップ企業が退職時に権利が失効するストックオプションを導入した場合、そのメリットを享受できるのは上場時点以降まで在籍した人に限られてしまいます。
退職した時点でその企業が上場していなければせっかくのストックオプションを行使することはできず、自らが貢献した成長に対して金銭的なメリットを受けることはできません。

一方で、退職時に失効しないストックオプションであれば、上場前の成長に貢献してその後退職をした従業員もメリットを享受することが可能です。
そのため、上場までは在籍する予定のない従業員にとっても貢献のモチベーションとなります。

入社時期にかかわらず従業員の貢献に報いやすい

一般的に、スタートアップ企業では人材の流動性が高く、初期の大きな成長に貢献をした人が上場前に退職することや、数年のみ成長に貢献して退職する従業員は珍しくありません。

このような背景で退職時に失効するストックオプションを導入すれば、上場に近い時期に入社した従業員は上場後にストックオプションを行使してメリットを受けられる一方、初期の大きな成長に貢献してその後退職した従業員の貢献に報いることは困難です。

退職時に失効しないストックオプションであれば、上場前に退職した従業員もその後上場した時点でストックオプションを行使することができ、入社時期に関わらずメリットを享受することが可能となります。

ストックオプションを導入する際の3つのポイント

企業が新たにストックオプション制度を導入する際には、次の3つのポイントに注意しましょう。

ストックオプション制度を導入する理由を明確にする

今回話題となっている退職時に失効するかどうかという点も含め、ストックオプションを導入する際には制度内容の詳細な設計が必要です。

自社に合った制度を導入するためには、なぜストックオプション制度を自社に導入したいのか、導入の目的をよく検討して明確にしておくと良いでしょう。

税制適格ストックオプションを導入する

税制適格ストックオプションとは、租税特別措置法に規定された一定の要件を満たしたストックオプションのことです。

一般的に、ストックオプションは次の3つの場面でそれぞれ課税が発生します。※3

  1. ストックオプションを取得したとき
  2. ストックオプションの権利を行使したとき
  3. ストックオプションで取得した株式を譲渡(売却)したとき

税制適格ストックオプションに該当すると、このうち「2」の時点では課税されないなど、課税が簡便化されます。

税制適格ストックオプションに該当するためには多くの要件が存在するので、制度導入時に要件を満たすのかどうかよく確認しておきましょう。

弁護士などの専門家へ相談する

ストックオプション制度を導入する際には、株主総会決議などの手続きが必要となるほか、引受契約書などさまざまな書類の整備が必要です。

必要な手続きや書類が漏れてしまうとストックオプションの効力が認められず、トラブルになってしまうことも考えられます。

ストックオプションを導入する際には、後に問題を残してしまわないため、弁護士へ相談することをおすすめします。

まとめ

ストックオプションは、従業員の貢献に報いたいと考えるスタートアップ企業にとって、非常に有用な制度です。
導入の目的によっては、株式会社カウシェのように、退職後も権利行使が可能となる制度の導入も検討すると良いでしょう。

Authense法律事務所には、ストックオプションを導入したい企業の制度設計や制度導入のサポートを行っています。
ストックオプション制度の導入をご検討の際には、ぜひAuthense法律事務所までご相談ください。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

・貴社の企業規模、社風、上場までの期間などを多角的に検討した上で、貴社の目的に最も合うストックオプションについてアドバイスいたします。

・登記を要するストックオプション制度において、登記上問題のない議事録、引受契約書など必要書類を、すべて当事務所にて作成いたします。

・提携する司法書士事務所もおりますので、司法書士と協同して、引受契約書の締結、ストックオプション発行の登記まで、迅速に進めることができます。

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