コラム

公開 2022.04.26 更新 2023.01.30

在宅勤務中もタバコはNG⁉禁煙を導入する企業が増加している背景とは?

在宅勤務中もタバコはNG⁉禁煙を導入する企業が増加している背景とは?

禁煙に取り組む企業の事例や、禁煙により企業が得られるメリットなどを解説します。中でも、野村HDが在宅勤務中も禁煙とすると2021年9月1日に公表し、話題となりました。新型コロナウイルスの蔓延により在宅勤務を導入する企業が増えていますが、在宅でも禁煙とする企業が増えています。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(東京弁護士会)
東北大学法学部卒業。旧司法試験第59期。上場会社のインハウス経験を活かし、企業法務に関するアドバイス、法務部立ち上げや運営のコンサルティング、上場に向けたコンプライアンス体制構築や運営の支援等を行う。IT・情報関連法務、著作権など知的財産権法務、知的財産権を活用した企業運営・管理等のコンサルティングを行う。
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在宅勤務でも禁煙を導入する企業が増加

新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務を導入する企業が増えていますが、そのような中、在宅勤務中であっても勤務時間中は禁煙すべきとする企業が増加しています。

法規制によりオフィス内喫煙は原則禁止されましたが、今回話題となっているのは、社内での禁煙からさらにもう一歩進み、在宅勤務中でも禁煙を推進する企業です。在宅勤務であれば周囲に他の社員もいないため受動喫煙のリスクもないはずです。

行き過ぎた干渉として愛煙家の従業員からの反発も予想されるところではあるでしょう。それでも企業が禁煙を推進するのは、禁煙の推進がもたらすメリットが企業にとって決して小さくないものであると判断しているためと思われます。

禁煙を徹底する企業には、現在のところ上場企業などが多いようですが、企業にとって禁煙推進のメリットが大きいとなれば、今後は中小企業でも禁煙を導入する企業が増えていくことでしょう。

禁煙を導入している企業と具体例

禁煙を導入している企業は多数存在しますが、中でも代表的な企業は次のとおりです。では、それぞれ見ていきましょう。

野村ホールディングス株式会社

野村ホールディングス株式会社は、2021年9月に「就業時間内における全面禁煙の実施について」とのプレスリリースを発表しました。※1

これによれば、2021年12月末までに野村グループが管理するすべての喫煙室を廃止し、2021年10月より就業時間内は全面禁煙にするとのことです。

これは在宅勤務者も対象としており、中にはこのような対応に疑問の声もあるようです。(ただし、報道によれば、同社は従業規則による明文化はしていないとのことです。)※2

禁煙推進企業コンソーシアムへの参加企業

禁煙推進企業コンソーシアムとは、喫煙率低下を目指して、企業が禁煙推進をするための情報やノウハウを集結させる共同事業体です。※3

企業はこのコンソーシアムに参加をすることで、禁煙に積極的な企業であることを社会に対してアピールすることができます。

このコンソーシアムへは、ファイザー株式会社やコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、株式会社資生堂といった名だたる企業が参加しており、愛煙家が集まるイメーズが強いパチンコ店の経営などを手掛ける株式会社ダイナムも名を連ねます。※4

これらの企業はあくまでも活動に賛同しているのみであり、すでに禁煙を徹底している企業ばかりではないと考えられますが、禁煙への取り組みを今後積極的に進めていく企業であることは間違いないでしょう。

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企業が禁煙を導入するメリット

企業が禁煙を導入するメリットとして考えられるものは、次のとおりです。

社員の健康増進につながる

禁煙推進の代表的なメリットは、社員の健康増進につながる点です。禁煙制度の導入により、これまで喫煙をしていた人が禁煙をしたり喫煙本数を減らしたりすれば、その社員の健康へとつながります。

また、喫煙をしない社員が副流煙などにさらされることを防ぎ、煙草の臭いがオフィスにただようことによるストレスも低減されます。たとえ喫煙室などのみで喫煙をしたとしても、喫煙後しばらくは呼気からの二次喫煙のリスクがあるうえ、服などに染み付いた煙の臭いを不快に感じる社員も少なくないためです。

喫煙社員と非喫煙社員との不公平感の是正につながる

非喫煙者にとって、喫煙者が1日に何度も取得する喫煙のための休憩時間は不公平にうつります。

仮に喫煙ルームへの移動時間や喫煙室内で他の喫煙者と雑談をする時間などを含めて1回10分、1日3回とした場合においては、喫煙者が非喫煙者よりも多く取得している事実上の休憩時間は、30分になります。

こうした事実上の休憩は就業規則に定められていないことが大半ですので、不公平と感じる非喫煙者もいるかもしれません。そのため、そのような場合は、勤務時間中の喫煙を全面禁止することにより、不公平感の是正につながるともいえます。

経済産業省の健康経営優良法人認定を受けやすくなる

経済産業省では、健康経営優良法人の認定制度を設けています。※5、※6

この認定を受けることで、「健康経営優良法人」のロゴマークの使用が認められ、取引先や求職者など外部へアピールすることが可能です。また、この認定を受けていることを条件に特別の融資枠を設けるなどの優遇制度を展開している金融機関も存在します。※7、※8

社会的な価値が向上する

禁煙を推進ことにより、企業の社会的価値の向上につながります。これにより、金融機関からの印象が向上したり、取引先や顧客、求職者などから選ばれやすくなったりする点がメリットです。

昨今では、SDGsにおいてもたばこの規制が具体的ターゲットとして設定されたりもしており、健康増進に取り組むなどクリーンな印象の企業が顧客などから選ばれやすくなっているといえます。

まとめ

愛煙家の方にとっては思うところはあるかと思いますが、従業員の健康増進などへ取り組む企業が評価されつつある昨今、禁煙化に取り組む企業は、今後ますます増えていくことでしょう。

健康経営や禁煙推進などをご検討する際の人事労務面等のアドバイスをお求めの際には、ぜAuthenseまでご相談ください。

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