コラム

公開 2022.08.30 更新 2023.04.20

事業承継とは?4種類の方法と手続きの流れを弁護士がわかりやすく解説

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「事業承継」というと、経営者が自身の子などに事業を引き継ぐことをイメージするかもしれません。
しかし、事業承継にはその他にも、従業員への承継やM&Aなどさまざまな手法が存在します。

では、それぞれの手法のメリット・デメリットは、どのような点にあるのでしょうか?
また、事業承継を進めるには、どのような手順を踏めばよいでしょうか?

今回は、事業承継の主な種類を紹介するとともに、事業承継を失敗しないコツや注意点、進め方などについて、弁護士がくわしく解説します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。
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事業承継とは

事業承継とは、これまでの経営者が経営の第一線から退き、次世代などへ事業を引き継ぐことを指します。
親族へ承継するケースの他、従業員へ承継するケースなどさまざまな手法が存在します。

事業譲渡との違い

事業譲渡とは、事業承継という観点からいうと、他社へ事業を売り渡すことです。
会社全体を売却する場合もあれば、一部の事業のみを切り出して譲渡する場合もあります。

「事業譲渡」と対比して「事業承継」の言葉を使う場合には、事業承継は親族内承継や従業員への承継などに限定して使われることが多いでしょう。

合併との違い

合併とは、2つ以上の会社が1つの会社となることを指します。
合併にはさまざまな形態がありますが、事業承継に際して「合併」という言葉が使われる場合には、自社が他社に吸収合併されることが前提となっていることが多いでしょう。

事業承継の検討に至るよくある理由

一般的に、経営者には定年がありません。
また、長年最前線で働いてきたことから、自己の判断能力や体力に自信がある人も少なくないでしょう。

そのため、事業承継について検討を始める時期が遅くなってしまいがちです。
経営者が事業承継を考え始めるきっかけとしては、自身の病気などで体力の衰えを感じた際や、周囲の同年代の経営者から承継についての話を聞いた場合などが多いといえます。

事業承継の対象になる3つの資産

事業承継の対象になる主な資産には、次の3つが存在します。
漏れなく承継を行うためには、これらそれぞれについて次世代へと引き継ぐ方法を検討していかなければなりません。

自社株式

自社株式は、事業承継においてもっとも重要となる資産です。
「さほど儲かっていないのだから、自社株に価値などない」と考えている経営者は少なくありません。

しかし、儲かっていないからといって株式の評価額が低いとは限りません。
自社株の評価は、利益額のみをベースに算定されるわけではないためです。

そのため、たとえ近年は儲かっていなかったとしても、会社が遠い昔に買った土地を保有している場合や、黒字経営が続いており、金融機関からの借り入れも少ない場合などには、自社株に思わぬ高額な評価がつくこともあります。

会社に貸している土地や建物

経営者は、自己名義の土地や建物を会社に賃貸していることが少なくありません。
この土地や建物がないと事業が立ち行かなくなる可能性があるため、これらの不動産も適切に次世代へ承継することが必要です。

会社への貸付金

特に中小企業では、経営者自身のお金を会社に貸しているケースが散見されます。
また、特に返済を求めるつもりはなく、単なる「帳簿上の数字」だと認識していることも少なくありません。
実際に、本人が唯一の株主であり代表取締役である限り、これが問題となるケースはほとんどありません。

しかし、いざ事業承継をしようとすると、これが障害となる場合があります。
なぜなら、会社への貸付金は個人の資産に該当するため、この貸付金を次世代に引き継げば、相続税の対象となるからです。
また、相続で貸付金が相続人間に分散すれば、後継者である相続人以外の相続人から、早期の返済を求められるかもしれません。

事業承継の行う上での4種類の方法

事業承継には、さまざまなパターンが存在します。
中でも、主なものとしては次の4つが挙げられます。

親族内承継

親族内承継とは、事業を子や兄弟など親族へと引き継ぐ方法です。
親族内承継は、もっとも代表的な事業承継のパターンであるといえるでしょう。

メリット

親族内承継の最大のメリットは、早期からの後継者教育に取り組みやすい点です。
また、社内や取引先からの理解も得やすい方法であるといえるでしょう。
さらに、特に子などの法定相続人が後継者となる場合には、相続税を活用した税制上の優遇を受けられることもメリットの一つです。

親族内承継がおすすめのケース

親族内に有力な後継者候補がいる場合には、この方法を第一に検討すべきでしょう。
また、会社を外部に渡さず親族内で永続させたいと考えている場合にも、この方法が第一候補となります。

従業員への承継

従業員への承継とは、事業を親族ではない従業員へと引き継ぐ方法です。

メリット

従業員への承継の最大のメリットは、長年一緒に働いて手腕や気心の知れた人の中から後継者候補を選ぶことができる点です。
また、後継者候補が他の従業員から見ても優秀な人であれば、社内の理解や安心感も得やすいでしょう。

従業員への承継がおすすめのケース

この方法をとるためには、後継者として信頼できる従業員が存在することが大前提となります。
このような従業員がおり、かつ承継に同意してくれる場合には、従業員承継を検討するとよいでしょう。

ただし、従業員への承継の場合には、従業員に株式を渡す方法がハードルとなる場合が少なくありません。
無償で株式を渡せば高額な贈与税の対象となるほか、株式を買い取ってもらおうにも、承継する従業員に買い取るだけの資金がないことが少なくないためです。
この手法についても、贈与税の特例措置が設けられています。

M&A

事業承継におけるM&Aとは、事業を他社に買い取ってもらうことです。
M&Aによる事業承継は、近年増加傾向にあります。

メリット

M&Aによる承継のメリットは、社内や親族に適切な候補者がいない場合であっても、会社や従業員の雇用を継続できる点にあります。
また、売却の対価としてまとまった資金を得ることができることや、会社の借入金の連帯保証からも外れることができることなどから、資金面でもメリットを享受しやすいでしょう。

M&Aがおすすめのケース

事業や従業員の雇用を継続させたいにもかかわらず、親族や従業員に適切な後継者候補がいない場合や、親族には経営の苦労を継がせたくないなどと考えている場合には、この方法を選択するとよいでしょう。

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事業承継に関する中小企業の現状と問題・課題

中小企業における、事業承継の現状と問題は、次のとおりです。

中小企業の数

少し古いデータではあるものの、中小企業庁の調査によれば、2016年時点での中小企業と小規模事業者の数は357.8万者であるとされています。※1
また、このうち小規模事業者が304.8万者を占めています。

経営者の平均年齢

東京商工リサーチの調査によると、2021年12月時点における経営者の平均年齢全国の社長の平均年齢は62.77歳で、2009年の調査開始から毎年上昇しています。※2
また、社長の年齢分布は70代以上の構成比が32.7%で、3年連続で最多レンジとなりました。

後継者が見つかっていない企業の割合

帝国データバンクの調査によると、2022年の調査時点で、調査対象となった全国・全業種約27万社のうち、後継者が「いない」または「未定」と回答した企業は約15.4万社(調査対象の57.2%)にのぼりました。※3
後継者が見つかっていない企業の割合は減少傾向にあるものの、昨年までいた後継者が不在となってしまう「計画中止・取りやめ」が拡大している現状も見られます。

事業承継の一般的な手続きの流れ・進め方

続いては、事業承継の一般的な進め方の例を紹介します。

実際の事業承継の進め方は、企業によってさまざまです。
なぜなら、企業ごとに状況や事業承継へのハードルなどが大きく異なるからです。

ステップ1:自社に合った事業承継の方法を検討する

はじめに、経営者が中心となり、自社に合った事業承継の方法を検討するところからスタートします。
なぜなら、子など特定の親族へ承継させたいのか、M&Aなど外部企業へ承継させたいのかなどにより、その後の進め方が大きく異なってくるためです。

迷いがある場合には、それぞれのメリット・デメリットをよく検討し、方向性を定めていくとよいでしょう。
自社のみで検討していては、検討すべき項目に漏れが生じたり、承継へのハードルの洗い出しが困難であったりするため、事業承継に強い弁護士などの専門家とともに検討していくことをおすすめします。

ステップ2:関係者と相談やすり合わせする

方向性が決まったら、次に、関係者との相談やすり合わせを行います。
反対意見が出たり議論が紛糾したりする可能性があるため、関係者へ話す前に、方向性に関して意見をしっかりと確立しておきましょう。
また、弁護士立ち合いのもとで話し合いを進めることも選択肢の一つとなります。

ステップ3:計画を実行する

関係者との相談やすり合わせが済んだら、最後に、事業承継の計画を実行します。
実行に際しては、あらかじめ専門家とともにスキームを組み立て、時間をかけて実行していくことが多いでしょう。

たとえば、株式の場合、株価が高いにもかかわらず、後継者たる親族や従業員にそのまま株式を贈与してしまうと、高額な税負担が生じるおそれがあります。
持ち株会社の設立や種類株式の活用など、企業に合ったスキームを構築し、慎重に実行していくことが必要です。

事業承継の「失敗」とよくある原因

事業承継を失敗に終わらせないために、失敗のよくある原因を知っておきましょう。

失敗の定義

事業承継の失敗は、主に「後継者選びの失敗」と、税金など「金銭面での失敗」に大別されます。

後継者選びの失敗とは、たとえば子を後継者として指名したものの、経営者としての能力が足らずに企業を経営危機に陥れてしまったり、社内を混乱させてしまったりする場合などです。

また、金銭面の失敗としては、安易に後継者候補に株式を渡したところ、高額な税金が課されてしまう場合などが考えられます。

よくある原因

事業承継が失敗する最大の原因は、事業承継に十分な時間が取れないことです。
特に、高齢になってから事業承継を検討し始めた場合には、十分な時間が取れないことが少なくありません。

そのため、後継者候補の能力を見極めたり、承継に必要な経営ノウハウを伝達したりする時間が足りなくなる可能性があります。
途中で能力不足に気がついても、時間的猶予のなさから引き返せない場合もあるでしょう。
また、コツコツと株式を移転したり、株価を下げる対策を取ったりする時間がないために、高額な税金を支払わざるを得なくなるリスクもあります。

事業承継の正しい対策と成功させるコツ

事業承継を成功させるためのコツは、次のとおりです。

時間に余裕を持って行う

事業承継を成功に導く最大のコツは、時間的な余裕をもって事業承継に取り組むことです。

早くから事業承継に取り掛かることで、さまざまな方法をじっくり比較検討することができるほか、税務上の対策もしやすくなります。
また、後継者候補について、時間をかけて育てていくことや、少しずつ権限を委譲していくこともできます。

さまざまな方法を多角的に検討する

事業承継を成功させるためには、一つの方法に固執するのではなく、さまざまな方法を多角的に検討することをおすすめします。
たとえば、M&Aになんとなく良くないイメージを持っていたとしても、よく検討してみた結果、自社にとって最適な手法である可能性も否定できません。

事業承継に詳しい専門家と共に進める

事業承継にはさまざまな注意点があり、自社のみで問題なく進めることは容易ではありません。
専門家であっても、一人で事業承継にまつわるすべてをカバーできることは稀であり、チームを組んで解決にあたるほどです。

安易に進めてしまうリスクの代表的なものが、思わぬ高額な税金が課されることです。
また、許認可を取得している場合には、許認可要件を満たさなくなり許可が取り消されてしまう可能性もあります。
さらに、法的なスキームの構築が甘ければ、企業を乗っ取られてしまうリスクもあるでしょう。

事業承継は決して簡単なものではないこと知ったうえで、適切な専門家にサポートを受けることをおすすめします。

Authenseの弁護士に相談するメリット

弁護士や法律事務所にはそれぞれの専門性があり、すべての弁護士が事業承継に詳しいわけではありません。
そのため、事業承継の相談をする際には、その事務所が事業承継に力を入れているかどうかをよく見極める必要があります。

Authense法律事務所には、事業承継を専門とした弁護士チームがあるため、安心してご相談いただけます。
また、事業承継では、税理士や社会保険労務士などさまざまな専門家が連携して解決にあたるべき場面が少なくありません。
Authense法律事務所では、グループ法人として、税理士法人を擁するなど他の資格者もタッグを組んでおりますので、総合力で事業承継をサポートすることが可能です。

事業承継にかかる主な税金

事業承継をする際には、税金面にも注意を払わなければなりません。
では、具体的に、どのような税金の対象になるのでしょうか?
事業承継で生じる可能性のある主な税金は、次のとおりです。

贈与税

事業承継で企業の株式を後継者に贈与した場合には、贈与税の対象となります。
贈与税率は非常に高く、何ら特例を使用することなく評価額が5,000万円である自社株を後継者となる18歳以上の子に贈与した場合には、2,049万5,000円もの贈与税がかかります。※4

(計算方法)

  1. 基礎控除額110万円を控除する:5,000万円-110万円(基礎控除額)=4,890万円
  2. 特例贈与財産用の速算表に当てはめる:4,890万円×55%-640万円=2,049万5,000円

また、贈与税は無償で贈与をした場合のみならず、評価額よりも著しく低い価格で売却した場合にもかかります。
たとえば、贈与税の課税を避けるために評価額5,000万円の株式に対して後継者である子から100万円程度の対価を受け取って売買の形にしたからといって、贈与税の課税が避けられるわけではありません。

そのため、自社株を渡す前には、まず専門家に相談の上、自社株を評価してもらうことが必要です。
そのうえで、仮に贈与で渡した場合の贈与税や売買する場合の適正な対価の額などを把握して、株式を渡す方法を検討するとよいでしょう。

譲渡所得税

事業承継に伴って株式を売却した場合には、譲渡所得時税の対象となる可能性があります。
譲渡所得税は、資産を売却した際に、「儲け」に対してかかる税金です。

譲渡所得税の税率は、原則として、株式の譲渡所得に対して20%(=所得税15%+住民税5%)です。
ただし、令和19年(2037年)までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%が加算されることから、合計で20.315%の税率となっています。

相続税

自社株を所有していた前経営者が亡くなったことで、相続により事業承継をした場合には、相続税課税の対象となります。
相続税は、「自社株に対していくら」、「土地についていくら」などと個々の財産について計算するものではなく、亡くなった経営者が保有していた遺産全体に対してかかる税金です。
また、相続人の数によっても変動します。

たとえば、自社株も含めた遺産総額が2億円であり、相続人が子2名のみである場合の相続税の総額は、3,340万円です。※5

(計算方法)

  1. 基礎控除額を計算する:3,000万円+600万円×2名(法定相続人の数)=4,200万円
  2. 課税遺産総額を計算する:2億円-4,200万円=1憶5,800万円
  3.  法定相続分で取得したものと仮定して各法定相続人の取得価格を計算する
    •  子1:1憶5,800万円×2分の1=7,900万円
    • 子2:1憶5,800万円×2分の1=7,900万円
  4.  「3」を速算表に当てはめて、相続税を算定する
    •  子1のぶん:7,900万円×30%-700万円=1,670万円
    • 子2のぶん:7,900万円×30%-700万円=1,670万円
  5. 「4」を合計して、相続税の総額を算定する:1,670万円+1,670万円=3,340万円

この3,340万円を、実際に遺産を取得した割合で按分して支払うこととなります。
たとえば、仮に子1が全財産を相続した場合には、3,340万円全額を子1が支払うこととなるわけです。

相続税は基礎控除額が大きいため、同じ額の財産をまとめて渡すのであれば、一般的に贈与税よりも相続税の方が安くなります。
しかし、贈与であればタイミングを検討することができるものの、相続は人の死によって発生するため、時期を選ぶことはできません。

そのため、前経営者が亡くなった時点で自社株の評価額が高ければ、相続税も高くなるというリスクがあります。

事業承継の対象になる公的支援制度・税制

事業承継には、さまざまな公的支援制度が存在します。
中でも、事業承継税制を活用することで、株式の譲渡にかかる贈与税や相続税を100%猶予してもらうことが可能です。
活用にはさまざまな要件や注意点があるため、事業承継のサポートを受ける専門家とよく相談をしたうえで、活用を検討するとよいでしょう。

法人版事業承継税制の概要や主な要件は、次のとおりです。※6

税制の概要

法人版事業承継税税制は、一定の要件を満たすことで、事業承継にかかる贈与税や相続税の納税が猶予されたり、免除されたりする制度です。

先ほど紹介したように、事業承継のために後継者へ自社株を引き渡すと、多額の贈与税や相続税がかかる可能性があります。
しかし、預貯金の贈与などとは異なり、自社株は簡単に換価できるものではありません。
そのため、納税資金が確保できないことで、事業承継に支障が出る可能性があるでしょう。

そこで誕生したのが、事業承継税制です。
この制度を活用することで、税金の負担をさほど気にすることなく事業承継をすることが可能となります。

法人版事業承継税制には、「特例措置」と「一般措置」の2つがあります。
特例措置では対象の株式が3分の2から全株へと引き上げられるなど優遇される一方で、特例承継計画の提出が必要となります。

税制の要件

贈与について法人版事業承税制を活用するための基本要件は、次のとおりです。

  1. 先代経営者等である贈与者から、全部又は一定数以上の非上場株式等の贈与を受けること
  2. 対象の会社が上場会社や中小企業者に該当しない会社、資産管理会社などでないこと
  3.  後継者が、次の要件を満たすこと
    • 会社の代表権を有していること
    • 会社の役員に就任してから3年以上を経過していること
    • 18歳以上であること
    • 後継者とその特別関係者との議決権数の合計が50%超となること
  4.  先代経営者が、次の要件を満たすこと
    •  会社の代表権を有していたこと
    •  贈与時において、会社の代表権を有していないこと
    • 贈与の直前において贈与者とその特別関係者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと
  5. 相当の担保を税務署に提供すること
  6. 期限内に贈与税の申告をすること

特例措置の場合には、これらの要件に加えて、特例承継計画の提出なども必要となります。

また、事業承継税制は申請時点で要件を満たせばよいということではなく、その後も継続して一定の要件を満たさなければなりません。
たとえば一定期間内に後継者が取得した株式を譲渡した場合などには、猶予が継続されず、その時点で納税する必要が生じます。

そのため、事業承継税制の活用をした場合には、その後所定の要件を外れてしまわないよう、専門家のサポートを受けながら慎重な判断をしていくことが必要です。

税制のメリット

事業承継税制を活用する最大のメリットは、贈与税や相続税の納税が猶予されることです。
何ら対策をしないまま後継者に自社株を渡してしまうと、多額の税金がかかる可能性があります。

税制のデメリット

事業承継税制を活用するデメリットは、猶予を受けた後も要件を満たすよう注意し続ける必要がある点です。
そのため、たとえばその後会社を売却するなど方向転換の必要性が生じた際に、とることのできる選択肢に制限がかかる可能性があります。

また、事業承継税制の要件は複雑であり、制度に詳しい専門家のサポートが必須であるといえるでしょう。

まとめ

事業承継の準備を早くから始めることで、とることのできる手法の選択肢が拡がります。
また、後継者候補の育成にも時間をかけられることでしょう。

事業承継に際しては税務面が一つのハードルとなる場合もありますが、事業承継税制の活用などでクリアできる可能性があります。
事業承継をご検討の場合には、早めから専門家への相談することをおすすめします。

Authense法律事務所では、企業の事業承継支援に力を入れています。
事業承継でお悩みの際や、これから事業承継について考えていこうとお考えの場合には、ぜひAuthense法律事務所までご相談ください。

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