コラム

公開 2022.07.26

相続により共有となった不動産…よくあるトラブルと解消法について解説!

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相続により兄弟で共有となった不動産がある場合、どのようなトラブルが生じるのでしょうか?
また、「共有」状態を解消する手段はあるのでしょうか?相続や不動産に詳しい弁護士が解説いたします。

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相続により「不動産」が共有となるケースとは?

相続が発生すると、相続財産については、相続人が承継します(有効な遺言がある場合は、当該遺言にそって相続財産を承継します。)。
相続人が1名であれば、相続財産を分割する必要がないため、相続により不動産は「共有」とはなりません。
また、相続財産が、現金や預貯金など、分割できる財産であれば、「共有」とはなりません。
相続財産の中に「不動産」があり、相続人が2名以上いる場合、「不動産」を共有で承継することがあります。

例えば、被相続人:母、相続人:長女・二女、被相続人の財産:自宅と預貯金300万円というケースで、長女・二女が『自宅』を2分の1の割合で共有取得したという場合に、「不動産」が共有となります。

不動産共有の一例

相続が発生すると、葬儀の準備、各種届出、金融機関の手続きなど、多くの手続きが必要となります。
そのため、遺産分割の手続きについて時間をかけることができず、ひとまず不動産は「共有」で承継しよう、という方も少なくありません。
不動産の「共有」は、取得するときにはトラブルは生じないのですが、「共有」状態が継続すると様々な弊害が生じてくるため、共有者間でトラブルが生じ、共有状態を早く解消したいと思うようになる方が非常に多いです。

ここでは、不動産の「共有」について、よくあるトラブルや解消法について、解説いたします。

不動産の「共有」とは?

そもそも、「共有」とは、どのような意味なのでしょうか。
「共有」とは、一つの物を複数の人が所有することをいいます。
不動産について登記をすると、登記簿に共有者全員の住所、氏名、持分が記載されるため、登記簿謄本を取得すると権利関係を把握できます。
未登記の場合には、過去の遺産分割協議書などで確認することになります。

不動産を共有すると、当該不動産の売却や解体の際に、共有者全員の同意が必要となります。
そのため、せっかく不動産の買い手が見つかったのに、共有者のうちの1名が反対して、売却ができないということもあります。
また、共有不動産が建物であり、築年数が古い場合でも、解体するには、共有者全員の同意が必要です。
例えば、その共有不動産の共有者のうちの1名が住んでいたら、解体には反対するでしょうし、解体費用の負担割合などを巡ってトラブルが生じる場合も、解体をすることができないということにもなります。

「共有」のよくあるトラブル

不動産を共有していると、以下のようなトラブルが生じます。

  • 共有者の意見が異なり、売却や賃貸が困難
  • 公租公課や管理費の負担について揉める
  • 共有者と連絡と取れなくなる可能性がある
  • 共有者に相続が発生し、共有者が増えてしまう
  • 共有者の1名が、共有している不動産を1名で占拠している

共有のトラブルで多いのが、売却のタイミングが合わない、管理の負担が特定の共有者に偏っているなどです。
また、当初の共有者の仲が良い場合でも、共有者に相続が発生すると共有者が増えてしまい、売却や賃貸、使用方法を巡ってトラブルが生じることも多いです。

ただ、不動産を「共有」で取得すると、相続税や固定資産税などの負担は1名で取得するときに比べ軽減することはできます。
そのため、不動産を「共有」で取得するか否かは、事前にしっかりとメリット・デメリットを検討した上で、判断されると良いでしょう。

「共有」の解消法

「共有」状態を話し合いで解消するには、下記の2つの方法があります。

  • ①共有者のうちの1名の名義とする
  • ②第三者に売却し、共有割合に応じて売却金額を取得する

「共有」状態を解消したいという場合は、①②について共有者全員で話し合いをしましょう。
話し合いにより、①又は②につき共有者全員で合意ができれば、共有状態を解消することができます。
この場合、不動産の登記名義を移転することになりますので、合意書を作成するときは、必ず司法書士に登記名義の移転が可能かを確認してもらうようにしましょう。

それでは、共有者の話し合いでは、上記①や②での解決が出来ない場合は、どのような方法があるのでしょうか?
まずは、民事調停の申立てをすることが考えられます。
民事調停とは、簡易裁判所にて、調停委員が間に入り、共有物の分割の話し合いを進める手続きとなります。
調停手続きとなりますので、あくまで共有者全員が同意しなければ、解決はできません。
強制力はありませんが、調停委員という第三者的立場の方が話し合いの間に入ってくれますので、共有者間で話し合いをするよりも、感情的にならず、解決に至ることもあります。

ただ、共有者同士で感情的対立が深まっている場合など、調停手続きで解決できない場合もあります。

そこで、民法は、共有物の共有状態を解消する手段として、「共有物分割請求訴訟」(民法258条)を定めています。
訴訟によって、共有状態を解消させるというものです。
訴訟での共有状態の解消方法としては、下記3つの方法があります。

  • ①現物分割
  • ②全面的価格賠償
  • ③換価分割

①は、不動産そのものを分割するものとなりますので、共有不動産の場合は、②又は③にて解決することになります。
②は、共有者のうち1名が、他の共有者の持分を金銭で買い取るというものになります。
③は、共有不動産を売却し、売却代金を共有持分割合で取得するというものになります。
③については、裁判所が競売を命じることもありますが、共有者全員の同意により、任意売却の方法による場合もあります。
訴訟では、裁判官が訴訟を進め、共有者全員の同意が得られない場合は、判決という形式で強制的に共有状態を解消することが可能です。

共有物の解消を希望される場合は、裁判となる可能性もありますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

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不動産の「共有」は、誰に相談すれば良い??

不動産の「共有」については、共有状態での法律関係や不動産の評価金額など、共有者同士での話し合いでは、なかなか正確に理解できないことも多いです。
そのため、なるべく早く弁護士に相談して、適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

また、相続が発生し、不動産を「共有」で取得しても良いか迷った場合にも、弁護士に相談をして、共有のメリット・デメリットを指摘してもらい、判断するようにしましょう。

相続人間の人間関係が良好な場合、共有とするときにはリスクが見えにくいものです。
しかし、共有者間の人間関係が悪化した場合や、共有者が死亡し、その相続人との人間関係が希薄な場合などが生じると、共有物を巡って紛争が生じることがあります。
そして、共有状態を解消するときには、共有者全員の同意又は裁判が必要となり、手続きが複雑です。
そのため、「共有」を検討している場合には、法律の専門家である弁護士の意見を聞きながら、判断するようにしましょう。

まとめ

相続が発生すると、役所や金融機関の手続きに追われ、不動産については安易に共有にしがちです。
共有となることのメリット・デメリットを事前に検討して、「共有」で承継するかを判断するようにしましょう。
また、すでに「共有」となっている場合、「共有」状態を解消することも可能です。
ただ、共有者に相続が発生すると、当事者が増えていきますので、「共有」状態の解消については、早めに検討するようにしましょう。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

「共有」状態を維持すると、将来的な紛争が生じるリスクが残ります。
「共有」状態を解消することを検討されるようであれば、ご自身の子や孫の代まで問題を残さないように、早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了。相続に関する相談会や、労働問題のセミナーなどにも取り組んでいる。
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