コラム

公開 2022.07.25 更新 2024.02.26

株式を相続する場合のポイントとは?注意点についても解説!

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相続財産のなかに「株式」がある場合、相続手続きはどのように進めたらよいのでしょうか?
今回は「株式」を相続する際のポイントや注意すべき点について、相続に詳しい弁護士が解説いたします。

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相続財産のなかに株式がある場合

相続財産のなかに「株式」がある場合、どのように相続手続きを進めたらよいのでしょうか?
まず、株式には、大きく上場株式と非上場株式の2種類があります。

上場株式

上場株式とは、証券取引所で売買される株式のことをいいます。
市場で売買されるため、取引価格が日々変動します。

非上場株式

非上場株式とは、証券取引所で売買されていない株式のことをいいます。
市場で売買されないため、市場価格はありません。
中小企業では、非上場株式であることがほとんどです。

上場株式・非上場株式が相続財産のなかにある場合は、相続人が当該株式を承継することになりますので、株式の相続手続きが必要になります。
ここでは、株式の相続手続きについて、ポイントや注意点等を解説していきます。

相続財産に株式があるか確認する方法

まずは、相続財産のなかに株式があるかないかを確認する方法について、解説いたします。

上場株式の場合

  • 証券会社から定期的に届く、残高報告書や取引状況報告書を確認する
  • 被相続人の通帳に、証券会社の口座から振り込みがあれば、当該証券会社に被相続人の口座や取引が無いかを確認する
  • 証券保管振替機構(ほふり)に調査依頼をする
  • 貸金庫や書斎などに現物の株券が無いか確認する
  • 証券会社に取引口座が無いか確認する
  • 株主総会招集通知等が無いか確認する

被相続人の株式の取引について、相続人がほとんど把握できていない場合は、専門家に依頼をして、株式の有無を調査してもらうとよいでしょう。

非上場株式の場合

  • 会社の法人税申告書の別表2(株主の記載がある部分)を確認する
  • 貸金庫や書斎などに現物の株券が無いか確認する
  • 株主総会の招集通知等の書面が届いていないか確認する

非上場株式については、被相続人が経営・従事していた会社以外の株式の場合は、相続人での調査は非常に難しいです。
できる限り、被相続人の生前に非上場株式の有無を確認しておくようにしましょう。

株式の相続手続き~上場株式~

上場株式の相続手続きは、被相続人の証券会社の口座のままでは、売買や換金ができません。
そのため、基本的には、相続人が、証券会社に口座を開設し、当該口座に被相続人の株式等を移管してもらうという手続きをとることになります。
各証券会社にて、相続手続きをとりますので、被相続人が取引をしている証券会社の数が多い場合は、手続きが非常に大変になります。

被相続人が所有していた株式には、配当金が支給されていることもあります。
配当金については、被相続人宛てに通知が届くことが多いので、それらを相続人間で確認して、現状を把握したうで、処理方針を検討する必要があります。
上場株式の配当金は、専任の信託銀行等が手続きを担当しています。
各銘柄によって、担当の信託銀行が異なりますので、どの銀行が担当かを確認し、必要に応じて、配当金の相続手続きをとるようにしましょう。

株式の相続手続き~非上場株式~

非上場株式の相続手続きは、株主名簿の『株主』の記載を変更してもらうことになります。
非上場株式の会社又は非上場株式を取り扱っている信託銀行に連絡をして、株主名簿の「株主」の記載を変更してもらいましょう。
株主名簿の変更手続きに必要な資料等については、当該会社又は信託銀行に確認する必要があります。

株式の相続の注意点

株式の相続の注意点としては、株式の評価金額を確認しておくということです。

株式は(特に上場株式は)、預貯金とは異なり、日々株価が変動します。
相続発生後、遺産分割までの間に株価が変動することになりますが、遺産分割実務においては、分割時に最も近接した時点での「終値」によって算定することが多いため、この点には留意が必要です。
また、相続した株式を売却した場合、譲渡所得税が発生し、思ったより手取り金額が少なくなることもありますので、株価や取得価額等も確認しておくとよいかもしれません。

非上場株式の場合は、上場株式のように取引価格が定まっていません。
相続税評価金額等の一定の基準となる株式評価金額はありますが、市場に流通している株式ではありませんので、すぐに換価することが難しく、また、実際の売買金額が相続税評価金額よりも低くなることも少なくありません。
そのため、非上場株式が、相続財産のなかにある場合は、なるべく早く相続税評価金額や、買い手がいるのか、買い手はいくら位で株式を購入してくれるか等を確認するとよいでしょう。この場合、場合によっては、弁護士等の専門家にアドバイザーとしてはいってもらう必要もあります。
また、被相続人の営む事業に関する会社の株式であった場合、上場株式を保有している場合と異なり、当該会社を今後どうするのかという経営面の問題もあるため、相続人間で話し合う必要があります。
加えて、いわゆるベンチャー企業の株式であった場合、いわゆる株主間契約書において株主が亡くなった際の規定が存在する可能性もありますので、それについても確認する必要があります。

まとめ

株式の相続は、信託銀行との書類のやり取りや配当金の手続きの対応が必要となりますので、時間がかかり負担が大きいものになります。
また、非上場株式では、会社とのやり取りも必要となり、相続人にとっては非常に大変な手続きとなることが少なくありません。
そのため、なるべく早く専門家に相談をして、手続きについてアドバイスをもらうとよいでしょう。

Authense法律事務所の弁護士が、お役に立てること

・弁護士は、遺産分割に関してご依頼いただいた場合、多くの案件で財産調査を行いますので、まずは弁護士に相談し、株式を含めた相続財産の処理等についてご相談されることをおすすめします。

・先に述べたとおり、非上場株式は上場株式に比して多くの問題がありますので、いわゆる企業法務分野にも注力している専門家に相談することをおすすめします。

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記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(千葉県弁護士会)
早稲田大学法学部卒業。早稲田大学大学院法務研究科修了。企業法務を中心に活動。ベンチャー企業から上場企業まで幅広く支援。エンタメ業界、バイオ・繊維業界、ファッション業界、インターネット権利侵害問題に注力、豊富な実績を有する。離婚・相続問題、刑事事件、交通事故被害などの一般民事案件の実績も多数。
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