コラム

公開 2022.06.30 更新 2024.02.26

タワーマンションを購入すると節税になる?節税になる仕組みとリスクを解説!

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タワーマンションを購入すると節税になるということを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
ここでは、タワーマンションを購入することで節税になる理由や、タワーマンション購入による節税のリスクなどについて、詳しく解説いたします。

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タワーマンション購入による節税について

相続が発生すると、お亡くなりになった方が所有していた財産に相続税が課税されます。
そのため、なるべく相続税が安くなるよう、生前に相続財産の組み換えを検討される方も多いです。
財産の組み換えの中で、「タワーマンションを購入」して、相続税を低くするという手法が用いられることもあります。

ここでは、タワーマンションを購入するとなぜ節税になるのか、タワーマンションを購入して節税対策をとる場合の注意点を詳しく解説していきます。

タワーマンションを購入すると節税につながる理由

タワーマンションを購入すると節税につながる理由

①現金を不動産とすると相続税評価額が下がるため

不動産の相続税評価は、原則として、土地は路線価評価、建物は固定資産税評価で計算されます。
路線価評価は、時価の80%程度とされています(地域によって、路線価と時価との差異は異なりますので、詳しくは税理士にご確認下さい。)ので、不動産を購入すると相続税の課税財産が目減りすることとなります。

【被相続人が現金1億円を保有している場合】

  • 現金1億円のまま ⇒ 相続税算定時に1億円として評価される
  • 現金1億円で不動産を購入する ⇒ 相続税算定時に路線価評価(時価の80%程度)で評価される ⇒ 不動産を購入したことで、相続税の課税財産が約2000万円減ることに!!

②高層階と低層階とで路線価に差異が無い(※固定資産税評価については改正あり)

タワーマンションの場合、土地や建物はマンション全体が同じ価値として評価算定されていました。
そのため、実際の売却価額では高額取引がなされる高層階のマンションについては、相続税の課税評価額と市場取引額との差が大きくなり、相続税の節税につながるとされていました。なお、固定資産税評価については、後に述べるように、2018年度から新たに課税されることとなる居住用建築物につき、上層階の評価額が上がり、低層階の評価額が下がるよう地方税法が改正されています。

①②とあわせて、小規模宅地の特例を活用できる場合は、タワーマンション購入による節税効果は非常に大きくなります。
ただし、このタワーマンションを用いた節税については、税務署に否認されるケースが出てきたり、固定資産税が見直されたりしましたので、必ず税理士に相談の上、検討するようにしましょう。

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タワーマンションを使った節税のリスク~①税務署による否認~

タワーマンションの購入による節税については、当該購入が節税目的であることが明らかである場合、税務署に否認されるケースがあります。

平成23年7月1日裁決(非公開裁決)は、相続開始1ヵ月前にタワーマンションを購入したものについて、相続税評価額(約5800万円)ではなく、取得価額(約2億9300万円)で評価するのが相当であるとして、相続税の申告を否認しました。

そもそも、相続発生直前の不動産購入については、相続税の節税目的であるとして否認されるリスクもあり、特に、タワーマンションの場合は、時価と相続税評価額との乖離が大きいため、その分、相続税否認のリスクが高まります。

また、相続発生後すぐにタワーマンションを売却しなければならない場合は、より一層否認のリスクが高まりますので、ご注意ください。

このようにタワーマンションによる節税については、税務署による否認のリスクがありますので、事前に必ず税理士に相談するようにしてください。

タワーマンションを使った節税のリスク~②固定資産税の改正~

タワーマンションを使った節税のリスク~②固定資産税の改正~
平成29年の税制改正で、タワーマンションの固定資産税の見直しが入りました。
(地方税法352条2項、法施行規則15条の3の2、7条の3の2)

2018年1月2日以後に新築された居住用超高層建築物(2017年3月31日までに売買契約が締結された者の居住用の専有部分を含むものを除く)の平成30年度分以後の年度分の固定資産税について、高層階は増税、低層階は減税となる調整が行われるようになりました。

「居住用超高層建築物」… 建築基準法に規定されている高さ60m以上で、複数の階に人が居住できる建物
具体的な調整方法については、こちらをご参照ください。
(参考:総務省令第27号) 

この改正により、タワーマンションの高層階を購入した場合の固定資産税が高くなることになりました。
当該改正は、相続税申告時のタワーマンション節税に直接的な影響はありませんが、国税庁がタワーマンションを用いた節税に目をつけていることは明らかです。
そのため、今後、タワーマンション節税について規制が入ることも十分考えられるため、税制改正の動向に注視していく必要があります。

まとめ

タワーマンションの購入による節税については、リスクもありますので、必ず税理士に相談の上、検討するようにしましょう。
また、節税を検討する場合には、遺産の分け方を考えることも忘れてはいけません。
遺産分割対策については、弁護士に相談をするようにしましょう。

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記事を監修した弁護士
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弁護士 
(神奈川県弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学法学部法務研究科を修了。これまで離婚、相続など個人の法律問題に関する案件を数多く取り扱い、依頼者の気持ちに寄り添った解決を目指すことを信条としている。複数当事者の利益が関わる調整や交渉を得意とする。現在は不動産法務に注力。
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