企業法務の現場で20年にわたりキャリアを積んだ後、弁護士へと転身を遂げた藤川直史氏。企業経験を豊富に有する藤川弁護士はなぜAuthenseを選んだのか。
20年の経験から見えてきた企業法務のリアルな課題、社会人として働きながらロースクールに通った決意、そして、これからの法務のあり方まで。企業と弁護士、両方の立場を知る藤川弁護士に聞いた。
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1.
企業法務の現場で培った20年の経験
まず、藤川先生のこれまでのご経験について伺ってもよろしいでしょうか。
民間企業で約20年ほど法務畑を歩んできました。パソコンや周辺機器を扱う商社、グローバルに展開する製薬企業での経験を通じて、契約審査、法令相談、機関・組織法務などあらゆる業務に携わってきました。
企業の中で扱う案件は一通りご経験されたのでしょうか。
そうですね。特に2社目の製薬会社での経験が大きかったです。ちょうどグローバル化を加速させており、進出する国・地域も急速に広がっていました。私は法務としてその動きに伴走し、各国での研究・事業開発から製造、販売など、実に多様な取引を法務として支援しました。日本語と英語の契約実務に加え、現地での交渉にも直接かかわることができたのは貴重な経験だったと思います。
働きながら大学院に通い、司法試験に合格されています。この大きな決断にはどういった思いがあったのでしょうか。
弁護士の方と接する機会が多かったことがきっかけです。法律の専門家として、的確な判断と助言によって依頼者を支えていく姿に触れ、自分の知識、経験、スキルを高めて、困っている人を助けるという仕事にやりがいがあると感じました。
自分の知識やスキルを伸ばせば、個々の問題の解決にとどまらず、ひいては世の中を良い方向に動かす力になるのではないか、と考えたのです。
ロースクールへの通学は負担も大きかったのではないでしょうか。
仕事の後に通い、子育てもしながら勉強という、時間との戦いでしたね。試験の半年前からは、朝4時半に起きて、夜中の12時過ぎに寝るという生活を毎日続けていました。

2.
Authense法律事務所は理想とする働き方ができる環境だった
司法試験に合格されて、Authenseを選んだ理由について教えてください。
子育てと介護を考えてリモートでも働ける環境を探していたことが大きかったです。Authenseは自分の理想とする働き方ができる環境でした。
Authenseに入所されてから、どういった案件に取り組まれてきたのでしょうか。
家事事件や一般民事事件の対応もしていますが、注力しているのは法務クラウドです。また、所内研修を実施したり、企業の法務担当者向けの研修、契約書雛形の解説なども行っています。
法務クラウドではクライアントとどのような関わり方をされているのでしょうか。
基本的にはメールでの依頼が多いですね。必要に応じてミーティングをさせていただいて、レビューを返していきます。
法務クラウドのメリットを教えてください。
企業に在籍していた時から、定型的な契約の審査は外部の力をうまく活用することで法務部門全体の効率を高められるのではないか、と考えていました。
法務クラウドは、まさにそのニーズを捉えているサービスだと思います。
他にも、重要案件についてのセカンドレビューとして活用するなど、多様な運用が可能です。
導入も簡単で、不要であればすぐにやめられる柔軟性も良いですね。インハウスと顧問の中間のような位置付けで、事業部とのやり取りも任せられる点は魅力的です。
近年の企業法務にはどのような変化を感じますか?
経済産業省の「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」(2018~2019)では、法務部門は「事業の創造」に貢献する組織になるべきこと、そのためには、従来の「ガーディアン機能」を固めつつも、「パートナー機能」をより強化していくべきだと提言されています。さらには、パートナー機能を『クリエーション』と『ナビゲーション』という2つに細分化し、業務の幅を広げることが望ましいとも指摘されています。
しかし、実際には、人手不足等で多くの企業でまだ、パートナー機能に十分な人材・リソースが割かれていないと感じます。だからこそ、定型的な契約レビューをアウトソースするなどして効率化し、より戦略的な業務にリソースを集中させることが必要だと感じています。

3.
リスクの指摘だけでは終わらない弁護士でありたい
藤川先生が業務に取り組む上で、大切にされていることは何でしょうか。
契約書の文面をレビューするだけでなく、取引の目的や内容、企業の実務等を理解した上でレビューすべきだと考えています。企業の内部の方と目線を合わせたいですね。
また、「できません」「リスクがある」などと言うだけで終わるのではなく、どうすればリスクを軽減できるのか、常に代替案を提案できる弁護士でありたいです。
加えて、弁護士としての高い専門性を大切にしたいです。最新の判例や動向に常にアンテナを張っていることが大切だと考えています。
最後に、先生の今後の展望についてお聞かせください。
Authenseは色々な経験ができる事務所です。国内だけでなく、海外も視野に入れたサービスも拡充したいですし、事務所の海外展開に関わることができれば自分自身のキャリアアップにもつながると考えています。

Professional Voice

藤川 直史
(大阪弁護士会)大阪弁護士会所属。大学卒業後、企業にて18年にわたり法務業務に従事し、グローバルな法務実務を通じて磨いた現場目線の課題解決力を強みとする。弁護士登録後は家事事件も多数取り扱う。リスクが伴う場面でも前向きな選択肢を提示することを心がけており、企業の法務機能を支え、事業活動を円滑に進める実践的なリーガルパートナーを目指している。
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