不動産・企業法務案件を幅広く手がける鈴木 裕二弁護士。
建物明渡しの案件を通じて「賃貸システムを守る」という社会的意義に気づき、企業支援では依頼者に寄り添う柔軟な回答を追求する。
「弁護士の枠を超える」という信念のもと、さらなる成長を目指す鈴木弁護士に話を聞いた。
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1.
不動産業務との出会いと、社会インフラを守るという気づき
現在の業務内容について教えてください。
主に不動産分野と企業法務分野を担当しています。不動産分野、とりわけ賃貸借関連の案件では多くの解決実績を有しています。
以前の事務所では不動産分野はほとんど担当されなかったそうですね。
前の事務所は企業法務が中心でしたので、不動産分野を多く手がけるようになったのはAuthenseに入所してからです。事務所として不動産分野――とりわけ建物明渡事件に注力しており、私もその流れの中で経験を積んできました。
建物明渡事件の面白さややりがいについてはいかがですか。
案件1件1件はそれほど高度な法的知識が求められるわけではないのですが、類似の案件を大量かつスピーディに処理することが求められるため、Authenseに入所して数年は目の前の事件をこなすことで精一杯でした。ただ、5年以上この分野に携わり続ける中で、建物明渡業務には、「賃貸システム」という必要不可欠な社会インフラを支える重要な役割があると考えるようになりました。
建物明渡業務というのは、短期的あるいはミクロ的な視点で考えれば、賃貸人側(オーナーや保証会社)の逸失利益を最小限に抑える効果がありますが、より長期的あるいはマクロ的な視点で考えれば、賃料や保証料の値上がりを抑止し、より多くの人が手頃な価格で物件を賃貸できる社会を守ることに繋がっていると考えています。
その気づきが仕事への向き合い方を変えたと。
そうですね。自分の中で取り組む姿勢が変わった気がします。
Authenseでは建物明渡分野において、弁護士だけでなく様々なスタッフがそれぞれの役割を分担しながら、大量かつスピーディに案件を処理する体制を構築しており、まさに全所員が一丸となって「賃貸システム」を支えていると思っています。

2.
企業法務で大切にする「クライアントの立場に寄り添う」姿勢
企業法務の分野ではどのようなことを心がけていますか。
「クライアントの立場に寄り添う」という基本的な姿勢を忘れないように心がけています。
例えば、新規事業を立ち上げるに際して、スキームの適法性についてクライアントから相談を受けたケースを想定していただければ分かりやすいかと思いますが、「そのスキームだと違法と評価されるリスクがあります」という杓子定規な回答するだけでは、たとえ法律論としてはそれが正しくても、クライアントの立場に寄り添った回答とは言えません。
違法と評価される可能性はどの程度なのか、違法と評価される可能性を軽減する方法はないのか、万が一違法と評価されてしまった場合にどういった損失が考えられるのか、そういったところまでしっかりと踏み込んで回答して初めてクライアントの立場に寄り添った回答と言えます。
法務部門はどうしてもブレーキ役になりがちと言われますよね。
そうですね。もちろんブレーキをかけることも大切なのですが、そもそも事業をやらないとビジネスは成り立ちません。だからこそ、ビジネスができない理由を一生懸命探すのではなく、ビジネスを成功させる方法を、クライアントと一緒に悩んであげることが重要だと思っています。
グレーな問題について踏み込んだ回答を示す際の怖さはありませんか。
もちろんあります。結果的に誤った回答をすれば懲戒や賠償といったリスクもあるわけですから、自己保身を最優先に考えるのであれば、杓子定規な回答が一番安全だとは思います。ただ、自身が一定のリスクを負ってでも、クライアントの立場に寄り添った回答をするからこそ、クライアントとの信頼関係が築けると考えています。
3.
「10を10で理解する」コミュニケーションへのこだわり
信頼関係を築くために特別に心がけていることはありますか。
ゴルフや飲み会といったプライベートな交流も効果的だとは思いますが、時間的にも限界があると思っています。そのため、どちらかというと日々のやり取りの中でのコミュニケーションを非常に重視しています。
若い頃は、「コミュニケーション能力」というと、初めて会った人とすぐ仲良くなれる能力だと思っていましたが、社会の中で求められている「コミュニケーション能力」というのは、相手が話したことを正確に理解する能力なのだと考えるようになりました。
クライアントが[10]話しているのに、こちらが[8]しか理解できていないと、自分が言いたいことが伝わらないストレスや、こちらの理解力に対する不信感につながってしまいますし、改めて残りの[2]を説明させる手間もとらせてしまいます。1つ1つは小さなすれ違いかもしれませんが、そうした小さなすれ違いを減らすために、メールの些細な表現一つからでも、行間や言外の意図、ニュアンスを丁寧に読み取ってコミュニケーションを取ることを心がけています。
日々のやり取りの中でストレスを感じないという積み重ねが、「この人なら信頼できる」「この人には相談しやすい」という評価につながっていくのだと思います。
クライアントが求めるスピード感や丁寧さを見極めることも重要ですね。
そうですね。例えば、ある事業のスキームの適法性についてリサーチを依頼された時に、1時間以内に簡易的なリサーチ結果を回答したとします。スピードは100点かもしれませんが、クライアントが求めていたのが丁寧なリサーチなのだとしたら、「仕事が雑」という評価に繋がります。逆に、1週間かけて丁寧なりサーチ結果を回答したとして、クライントが求めていたのが迅速な回答であったとしたら、「仕事が遅い」という評価につながってしまいます。クライアントがわざわざ明確に言わなくても、何を求めているかを汲み取れるようになれることが理想です。

4.
法務クラウドで「会社の中の人」として支援する
企業支援の形として、「法務クラウド」も担当されているそうですね。
はい。リモートで支援させていただいている企業様もありますが、実際に出社して支援させていただいている企業様もあります。
実際に出社することでどのような価値がありますか。
やはり社内の雰囲気や社風、社員の方の人柄や個性を直接肌で感じ取れることが大きいですね。社員同士の何気ない会話を1つとってみても、その会社がどういう文化を持っているのかがひしひしと伝わってきます。言葉では説明しにくいのですが、そういった空気感を理解した上でご支援できるのは、リモートだけでは得られない強みだと感じています。
法律相談以外のやり取りも生まれるのでしょうか。
そうなんです。業務とは一見無関係な雑談が、相手の価値観をより深く理解するきっかけになることもありますし、法律相談とは少し毛色の違う相談――新人教育はどうしているかとか、契約書の管理のためにどういったツールを使うのがいいかといった相談を気軽にご質問いただけることもあります。そういったやり取りは純粋に楽しいですし、自分にとっても良い学びになっています。
5.
重視する「想像する」力
訴訟においてはどのようなことを大切にしていますか。
できるだけ早い段階で全体の流れを想像しておくことです。提訴前の時点で、判決になった場合の見通しを予測することは誰でもやると思いますが、より緻密に、自分がこういう書面を出したら相手はこう反論してくるだろうから更にこう再反論しようとか、何度かやり取りした後に和解で落とせる可能性が高そうといった細かい流れまで全部想定した上で動くことを意識しています。そうすることで、後から「あの時ああしておけばよかった」と後悔することもなくなりますし、イレギュラーな事態が起きたときも迅速に対応できると考えています。
経験のない分野ではどのように対応しますか。
裁判例を調べたり、経験のある先輩や同僚に話を聞いたりすることはもちろんです。ただ私が一番重要だと思っているのは、「想像力」です。
業界の知識がない場合、知ったかぶりをするのは良くないですが、知ろうという努力すらせずに何でもかんでも聞くことはもっと良くないと思います。ある程度の基礎知識をリサーチした上で、この業界はどういう構造なのかを自分なりに想像してみる。類似する業界の知識や経験があれば、それに類するものとして考えてみる。経験の不足を想像力で補うことが、この仕事では大切なのだと思っています。

6.
Authenseへの入所と、「会社に近い」事務所の魅力
Authenseに入所してみていかがでしたか。
法律事務所というよりも、会社に近い印象を受けました。一般的な法律事務所ですと、パートナー弁護士とその下で働く事務員という区分けがあるだけで、マーケティングなど事務所の経営に関わることはパートナー弁護士がワンマンで対応しているケースも少なくないと思います。
一方でAuthenseはマーケティング部門、IT部門など様々な役割分担がしっかりと整備されており、弁護士が弁護士業務に集中できる環境が整っていて、非常にしっかりした組織であると感じました。他方で、ベンチャー企業的な気質もあり、常に新しい可能性を模索しているところもAuthenseの魅力の1つだと思います。
入所されてからの5年間でどのように変わったと感じますか。
入所当時はミッドタウンのビルに移転する前でしたので、こんな立派なビルで仕事をすることになるとは思っていませんでした。
今では、誰でも聞いたことのある有名企業の新規顧問獲得の報告が毎日のように流れてきますし、本当にすごい事務所になったなと、しみじみと感じています。
7.
弁護士という枠を超えて
最後に、今後のビジョンについて伺えますか。
弁護士という資格があるからこそできる業務はありますが、それ以外の業務を一切してはいけないわけではないので、「弁護士」という枠に固執せず、柔軟な発想と幅広い視野で自分の可能性を模索していきたいと思っています。
具体的にはどのような方向性を考えていますか。
例えば、企業の法務部の体制整備について従来の顧問弁護士の型に囚われない柔軟なご支援ができればと考えています。企業様と一緒に法務部の立ち上げを行い、人材の採用面接にも同席したり、社内の管理システムの選定、教育マニュアルの策定にも関与するなど様々なニーズに応えることで、クライアントに寄り添い続けていきたいと考えています。

Professional Voice
鈴木 裕二
(第二東京弁護士会)大阪大学法学部法学科卒業、神戸大学大学院法学研究科実務法律専攻修了。企業法務としては、債権回収、労働問題(使用者側)、倒産を中心に、個人法務としては、相続、過払金返還、個人破産、発信者情報開示などの解決実績を持つ。
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