死亡事故の慰謝料と、その請求の流れ

被害者のご遺族がすべきこと

死亡事故の被害に遭われた方のご遺族がすべきことについて解説します。ご家族の方が突然亡くなられて気が動転してしまっていると思います。

やるべきことも多く、息をつく間もなく過ぎ去ってしまうと思いますが、一つ一つ行っていきましょう。

葬儀の準備

事実確認が済んだら、葬儀の準備を始めなければなりません。なぜなら、一般的に、四十九日法要が終わると事故を起こした相手との示談交渉を行わなければいけないからです。
具体的には、病院で死亡診断書を書いてもらい、死亡届を提出して火葬証明書をもらいます。

保険金の請求に必要な書類を揃える

ご遺族の方が保険会社に保険金の請求をするのに必要な書類は、以下のとおりです。
・保険金の支払い請求書
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・死亡診断書(死体検案書)
・事故前の源泉徴収票、もしくは確定申告書
・印鑑証明書
・身分証明書
・戸籍抄本
・委任状
ご遺族の方が複数人いる場合、基本的には代表者を一人定めます。その上で、他のご遺族の方の委任状と印鑑証明書を提出してください。

事故相手と示談交渉を始める

一般的に、四十九日法要を終えた頃に、事故を起こした相手との示談交渉が始まります。少なくとも死亡事故を起こした翌日や、葬儀の最中に示談交渉をしてくることはほとんどありません。
ご家族が亡くなられたことで示談のことなど手につかないかもしれません。ただ、賠償金を正当に受け取らなければ事故に遭われたご本人も浮かばれないでしょう。賠償金をもらう権利は、しっかり行使しましょう。

死亡事故の示談交渉の流れと始める時期

示談交渉を始めるタイミングに明確な期日があるわけではありません。ここでは、一般的なケースとして、死亡事故で示談交渉を始めるタイミングや流れについてお話しします。

示談交渉の流れ

死亡事故の被害に遭われて、ご家族の方が亡くなられた場合、まずは事故を起こした相手の保険会社と示談交渉をします。

示談交渉で損害賠償や過失割合について折り合いがつけば、示談書を作成して賠償金の授受を行います。ただし、折り合いがつかない場合には「調停」に進むことになります。

調停とは、簡易裁判所で行う話し合いのことで、事故を起こした相手との間に調停委員会が介入して話を進めてくれます。相手と顔を合わせずに交渉ができるので、比較的落ち着いて話し合いができるでしょう。

それでも解決できない場合には、訴訟(裁判)によって賠償金の請求をすることになります。示談が決裂した時点で裁判になることもあります。裁判になれば遺族だけで対応することは難しいので、基本的には弁護士に委任されることをおすすめします。

示談交渉を始める時期

示談交渉を始める時期は、一般的に四十九日法要が終わった頃です。これはあくまで目安であり、状況によってはもっと遅らせてもらうこともあります。
四十九日を待たず、事故を起こした相手が示談交渉を始めようとしてくる場合もありますが、相手に合わせる必要は全くありません。

示談交渉はすぐに始めてはいけない

特別の事情がない限り、示談交渉を急いできた加害者に合わせない方がよろしいでしょう。なぜなら、事故の加害者は示談を早めに取り付けることで裁判において有利になるからです。

たとえば、懲役1年になる場合でも、示談が成立していると執行猶予がつき、刑務所に入らなくて済むケースがあります。しかし、刑事裁判が結審するまでに示談が成立しないと勘案してもらうことはできないので、加害者は早期に示談交渉を始めようとしてくるのです。

示談の内容に問題がなければ示談をしても構いませんが、冷静になって考えるという意味でも、基本的には示談を急ぐ必要はないでしょう。

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