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公開 2025.09.17

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷対応

Yahoo!知恵袋は、ユーザーが投稿した疑問に対して他のユーザーがインターネットの掲示板上で回答する「知恵」の共有サービスです。
投稿や回答は誰もが閲覧できる一方で、質問を投稿したり回答したりするにはYahoo! JAPANにログインをするとともに、Yahoo!知恵袋への利用登録をしなければなりません。
素朴な疑問やニッチな質問であっても回答してもらえることがあり、便利なサービスであるといえるでしょう。

しかし、なかには質問や回答の形をとった誹謗中傷がなされる場合もあります。
では、Yahoo!知恵袋で誹謗中傷をされたら、どのように対処すればよいのでしょうか?
また、Yahoo!知恵袋での誹謗中傷について弁護士へ相談することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、Yahoo!知恵袋での誹謗中傷への対処法について、弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense法律事務所)はインターネット上での誹謗中傷トラブルについて豊富な解決実績を有しています。
Yahoo!知恵袋での誹謗中傷でお困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

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Yahoo!知恵袋は誹謗中傷の舞台になることがある

冒頭で触れたように、Yahoo!知恵袋はときに誹謗中傷の舞台となることがあります。

誹謗中傷に当たる回答があるのはもちろんのこと、たとえば、架空の事例であるものの、「〇〇株式会社が倒産したのは、経理の〇〇氏が横領した金を使い込んだからって本当ですか?」、「〇〇店では腐った食材をいつも客に提供しているって本当ですか?」のように、一見質問のような形をとった誹謗中傷がなされる場合が散見されます。

このように疑問形であるからといって、それだけを理由に法的措置の対象から外れるわけではありません。

Yahoo!知恵袋の誹謗中傷を放置すると生じ得るリスク

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷を放置することには、さまざまなリスクがあります。
ここでは、代表的なリスクを3つ解説します。

  • 事情を知らない一般ユーザーが真実であると信じてしまう
  • SNSなどに転載されて拡散される
  • 検索結果の上位に表示される

事情を知らない一般ユーザーが真実であると信じてしまう

Yahoo!知恵袋での質問に回答が投稿された場合、質問の投稿者が回答の中から「ベストアンサー」を選びます。
ベストアンサーが選ばれた質問は「解決済み」となり、それ以上回答を投稿することはできなくなります。

しかし、このベストアンサーは単に質問の投稿者が選んだものに過ぎず、その内容が真実であることを保証するものではありません。
たとえば、「〇〇店では腐った食材をいつも客に提供しているって本当ですか?」のような質問に対して、真偽不明な「はい、本当です」という回答がつき、これがベストアンサーに選ばれることもあるということです。
特に、SNSなどで「炎上」中の案件などでは、このような形をとった誹謗中傷がなされるケースがあるでしょう。

しかし、一見「質問と回答」との形式をとっていることから、これを目にした一般ユーザーが投稿内容を事真であると誤って信じてしまうおそれがあります。

SNSなどに転載されて拡散される

Yahoo!知恵袋の投稿は、しばしばX(旧Twitter)などのSNSに転載されます。
誹謗中傷ともいえる投稿が転載された場合、これがさらに拡散されてさらに多くの人の目に触れるおそれが生じます。

また、中にはリンクをそのまま投稿するのではなく、スクリーンショットの画像が拡散される場合もあります。
いったんこのような形で広範囲に拡散されると、すべての情報を差し止めることは困難となるでしょう。

検索結果の上位に表示される

Yahoo!知恵袋は、検索結果の上位に表示されやすい傾向にあります。
また、質問や回答の閲覧に、Yahoo!知恵袋へのログインなどは必要ありません。

つまり、「炎上」などを知らない一般のユーザーが店舗へ訪れようとして「〇〇店」をインターネット検索した場合に、誹謗中傷が掲載されたYahoo!知恵袋の投稿や回答が上位に表示されるおそれがあるということです。

Yahoo!知恵袋で誹謗中傷をされた場合の対処法

Yahoo!知恵袋で誹謗中傷をされた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
ここでは、主な対処法を解説します。

  • 運営者に「通報」をして削除を求める
  • 裁判上での削除請求をする
  • 悪質な場合には法的措置を検討する

運営者に「通報」をして削除を求める

1つ目はYahoo!知恵袋の運営者であるLINEヤフー株式会社に「通報」をして、投稿の削除という形で任意での対応を求めることです。

LINEヤフー株式会社は、利用規約を定めており、その規約に反したコンテンツは、同社による削除の対象となります。
Yahoo!知恵袋への投稿がこの利用規約に違反する場合、質問投稿の右下に表示される「違反報告」ボタンから「通報」をすることで、削除してもらえる可能性が高いでしょう。

利用規約で禁止されている投稿には、以下のようなものがあります。※1

  • 法令、裁判所の判決、決定もしくは命令、または法令上拘束力のある行政措置に違反する行為
  • 社会規範・公序良俗に反する行為や、詐欺もしくは詐欺に関連する行為、当社もしくは第三者の著作権、商標権、特許権等の知的財産権、名誉権、プライバシー権、その他法令上もしくは契約上の権利を侵害し、または他人の迷惑となる行為
  • 過度に暴力的な表現、露骨な性的表現、児童ポルノ・児童虐待に相当する表現、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地等による差別につながる表現、自殺、自傷行為、薬物乱用を誘引または助長する表現、その他反社会的な内容を含み他人に不快感を与える表現を、投稿等する行為

誹謗中傷はこれらに該当する可能性が高く、明らかな誹謗中傷である場合、規約違反として削除される可能性が高いと考えられます。

ただし、損害賠償請求などの法的措置を検討している場合には、削除請求は慎重に行ってください。
なぜなら、「通報」を受けて投稿が削除されると、開示請求や損害賠償請求を行うために必要な証拠が消えてしまうことになるためです。

そのため、損害賠償請求などを予定している場合には、あらかじめ弁護士に相談し、証拠を漏れなく保存してから「通報」に踏み切るとよいでしょう。

裁判上での削除請求をする

2つ目は、裁判上での削除請求です。

LINEヤフー株式会社に「通報」しても、あくまで同社自身の判断に基づいた任意の対応を求めているにすぎないため、問題の投稿が削除されない場合があります。
この場合には、裁判上での削除請求を検討します。
削除が相当であると裁判所が判断すれば、LINEヤフー株式会社に対して削除命令が出され、投稿が削除されます。

なお、削除請求は訴訟ではなく、仮処分の申立てによって行うことが一般的です。
仮処分とは、権利の保全を目的として、正式な訴訟での結論である判決が出される前に、仮に行われる手続きをいいます。

訴訟手続の判決が出るまでには相当の時間を要します。たとえ勝訴判決を勝ち取っても、それまでの間にインターネット上での誹謗中傷が拡散されてしまえば、申立人にとっては不利益な結果となり、結局訴訟をした意味がなくなってしまうかもしれません。
そこで、これを待たずに仮処分を申し立て、裁判所から暫定的に削除の仮処分命令を出してもらうことが通例とされています。

また、実際には仮処分命令が出された時点でプロバイダ側(ここでは、LINEヤフー株式会社)は削除に応じることが多いため、正式裁判にまで至るケースはほとんどありません。

悪質な場合には削除以外の法的措置を検討する

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷が悪質な場合には、削除以外の法的措置も検討すべきでしょう。
削除しただけでは、結局投稿者によって再度似たような投稿がなされ、いたちごっことなるおそれがあるためです。

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷に対しては、その投稿者に対する損害賠償請求や、刑事告訴といった対応をとることが考えられます。
しかし、Yahoo!知恵袋は匿名で投稿されることが多く、身元がわからなければこれらの法的措置をとることは困難です。

そこで、これらの法的措置に先立って開示請求を行い、投稿者の身元の特定を試みることが必要となります。

開示請求

開示請求とは、LINEヤフー株式会社や投稿者が接続に使ったアクセスプロバイダ(SoftbankやKDDIなど)に、投稿者の特定のために必要となる情報の開示を求める手続きのことです。

第1段階として、LINEヤフー株式会社から投稿のIPアドレスやタイムスタンプといった情報を入手します。
その情報をもとに第2段階目の手続きとして、アクセスプロバイダに請求を行い、契約者の住所や氏名などの情報を入手するという流れです。

とはいえ、LINEヤフー株式会社などに任意での情報の開示を求めても、応じてもらえる可能性はほとんどありません。
そのため、開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。

なお、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)により、LINEヤフー株式会社とアクセスプロバイダ双方に対する2段階の開示請求を一つの手続きで行える「発信者情報開示命令」という手続きも創設されています。
また、弁護士会照会という、弁護士に認められた情報収集のための照会制度を活用することで、氏名、住所、電話番号等を割り出せる場合もあります。

どのような手続きが適しているかは状況によって異なります。
弁護士からの助言をもとに、そのケースに合った手続きを選択するとよいでしょう。

損害賠償請求

相手の誹謗中傷によって生じた損害を金銭的に償わせたい場合は、投稿者に対して損害賠償請求を行うことになります。
適正な損害賠償額は事案によって異なるものの、店舗や企業などへの悪質な誹謗中傷で、営業上の悪影響を及ぼし経済的な損失が発生している場合には、賠償金も高額となる可能性があります。

損害賠償請求は、まず弁護士から投稿者に対して内容証明郵便を送るなどして、任意の対応を求めることが一般的です。
この段階で請求に応じない場合には、裁判上での請求へと移行します。

刑事告訴

刑事告訴とは、警察などの捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷は、その内容によって、刑法上の侮辱罪や名誉毀損罪、業務妨害罪などの罪にあたる可能性があります。
しかし、これらの罪で捜査機関が独自に捜査を開始することは、ほとんどありません。
そのため、相手を罪に問うには、刑事告訴が事実上必須といえます。

告訴が受理されると、警察や検察で事件が捜査され、起訴・不起訴が決まります。
起訴されると略式起訴の場合を除き刑事裁判が開始され、投稿者の有罪・無罪や量刑(執行猶予の有無など)が決まるという流れです。

しかし、インターネット上での誹謗中傷事件では、前科がある場合やよほど悪質であるなど一定の場合を除き、起訴にまで至るケースは高くありません。
また、有罪となっても執行猶予がつき、実刑には至らない場合も多いでしょう。

そのため、刑事告訴まで行うか否かは、弁護士へ相談したうえで慎重に検討することをおすすめします。

Yahoo!知恵袋で誹謗中傷された際に弁護士に相談するメリット

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷について弁護士へ相談するメリットは、小さいものではありません。
最後に、誹謗中傷被害について弁護士に相談する主なメリットを3つ解説します。

  • 状況に応じた的確な対応が選択できる
  • 迅速な対応で開示請求を成功させやすくなる
  • 損害賠償請求や刑事告訴までを任せられる

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷でお困りの際は、Authense法律事務所へご相談ください。
当事務所はインターネット上での誹謗中傷への対応実績が豊富であり、状況に応じた的確なリーガルサポートを提案します。

状況に応じた的確な対応が選択できる

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷に対してとり得る具体的な法的措置の内容は、状況によって異なります。

「非常に悪質であり、開示請求や損害賠償請求、刑事告訴までが可能であるケース」もある一方で、「損害賠償請求はできても刑事告訴までは難しいケース」や、「開示請求は困難であり、削除請求だけとなりそうなケース」なども存在します。

また、損害賠償請求は可能であるとしても、高額な賠償額までは見込めない場合、それでも法的措置に進むか否かはケースバイケースでしょう。

弁護士に相談することで、その事案に応じた法的措置の見通しが立てられ、具体的な対応を検討しやすくなります。

迅速な対応で開示請求を成功させやすくなる

開示請求は、時間との勝負であるといっても過言ではないでしょう。
なぜなら、投稿のログなどは永久に保存されるわけではなく、一定期間が経過すると消去されてしまうためです。

せっかく開示請求が認められ、裁判所から開示命令が出されたとしても、その時点で「ない」情報の開示を受けることはできません。

ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3か月から6か月程度が目安となります。
開示請求を自分で行うのは容易ではなく、具体的な手続き方法などを調べているうちにこの期間が経過してしまい、手遅れになる可能性もあります。

弁護士に相談して依頼する場合、迅速な対応が期待でき、開示の成功に向けて、より円滑かつ確実に手続きを進めることができます。

損害賠償請求や刑事告訴までを任せられる

自分で開示請求までは成功させられたとしても、開示請求自体はゴールではありません。
その後には、損害賠償請求や刑事告訴が控えています。
これらを行うハードルは開示請求以上に高く、自分で行うことは現実的ではないでしょう。

特に、損害賠償請求を自身で行おうとすれば、Yahoo!知恵袋への誹謗中傷の投稿者と直接やり取りする必要が生じ、さらなるトラブルの原因ともなりかねません。

弁護士へ依頼する場合には、損害賠償請求や刑事告訴などの対応も任せることが可能となり、自身で投稿者と対峙したり交渉したりする必要がなくなります。

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷の対応ならAuthense法律事務所へご相談ください

Yahoo!知恵袋は非常に有用なツールである一方で、時に誹謗中傷の舞台となることがあります。

Yahoo!知恵袋での誹謗中傷を放置してしまうと、その内容が真実であると閲覧者が誤って信じてしまう可能性があるほか、SNSなどに転載されて拡散し、さらに多くの人の目に触れるおそれもあります。
そのような事態を避けるため、Yahoo!知恵袋で誹謗中傷された場合には、早期に弁護士へご相談ください。

弁護士へ相談することで、そのケースに応じた具体的な対応が検討できるほか、削除請求や発信者情報の開示請求などの複雑で専門的な知識を必要とする手続きを依頼することも可能となります。

Authense法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルについて豊富な解決実績を有しており、Yahoo!知恵袋に関する相談も数多くお受けしています。
Yahoo!知恵袋で誹謗中傷をされてお困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
誹謗中傷トラブルに関する初回のご相談は無料です。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(千葉県弁護士会)
千葉県弁護士会所属。早稲田大学法学部卒業、同大学大学院法務研究科修了。顧問弁護士としてスタートアップから上場企業まで多岐にわたるクライアントを担当。知的財産分野に精通し、バイオ・繊維業界、ファッション業界、エンタメ業界、アートビジネス業界に深く関与。誹謗中傷分野のマネージャーとしてYouTuberやVTuberの権利保護に尽力し、大手事務所の代理人として活動、事務所との連携も含めた支援を行うほか、プロバイダ側の代理人も務めるなど社会的課題として誹謗中傷対策に取り組む。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら
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