Wikipediaの誹謗中傷

Wikipediaは、誰もが自由に記事を作成したり編集したりすることができるため、自身を誹謗中傷する内容の投稿がなされることもあります。

Wikipediaで誹謗中傷された場合、どのような法的措置をとることができるのでしょうか?
また、誹謗中傷への対応はどのような流れで行えばよいのでしょうか?

今回は、Wikipediaで誹謗中傷された場合の対応について、弁護士が詳しく解説します。

Wikipediaとは

Wikipediaとは、「世界中のボランティアの共同作業によって執筆及び作成されるフリーの多言語インターネット百科事典」です。
はじめに、Wikipediaの概要について解説します。

運営目的

Wikipediaは「五本の柱に従い、すべての知識の枝における情報を含んだ、包括的な大要(英語版)を記した百科事典の役割を果たすことで、読者のためになること」を目的としています。
Wikipediaの「五本の柱」とは、次の5つとされています。

  • ウィキペディアは百科事典です
  • ウィキペディアは中立的な観点に基づきます
  • ウィキペディアの利用はフリーで、誰でも編集が可能です
  • ウィキペディアには行動規範があります
  • 上の4つの原則の他には、ウィキペディアには、確固としたルールはありません

なお、Wikipediaは個人や団体などからの寄付によって運営されており、広告は一切掲載されていません。

誰が投稿できる?

素材_スマホ

Wikipediaでは、誰でも新規記事の投稿や既存記事の編集をすることができます。
アカウントの取得が推奨されているものの、アカウントを取得しないと投稿や編集ができないわけでもありません。
これが、一般的な百科事典と大きく異なるポイントです。

誹謗中傷記事が作成されることはあり得る?

Wikipediaは誰でも記事を投稿したり編集したりできたりするという性質上、個人や企業を誹謗中傷する記事が作成される可能性があります。
特に、著名な個人(芸能人やスポーツ選手、インフルエンサー、YouTuberなど)や企業などは、Wikipediaで誹謗中傷されるリスクが高いでしょう。
たとえば、ある著名人についてのWikipediaに、「複数の異性と不倫関係を持っている」や「違法薬物を常習的に使用している」など、いわれのない内容があたかも事実であるように書き込まれるおそれがあります。
また、公開していない住所などの情報が投稿される事態も想定されます。

Wikipediaで誹謗中傷された場合にとり得る措置

Wikipediaで誹謗中傷の被害に遭ったら、どのような措置がとれるのでしょうか?
ここでは、主にとり得る措置を4つ紹介します。
なお、いずれの措置をとるのが適当であるかは状況によって異なるため、弁護士へご相談ください。

削除請求

1つ目は、削除請求です。

Wikipediaへの削除請求は、一般的なSNSなどのように運営者が削除の要否を判断するのではなく、所定の参加資格を持つユーザーによる投票によって判断されるのが原則です。
また、ページ自体を削除するのではなく、自身で投稿を編集して問題のある箇所を書き換えることも対応の一つです。

開示請求

2つ目は、開示請求です。
開示請求とは、投稿者の住所や氏名を特定するために行う請求です。
次で解説する損害賠償請求や刑事告訴をするためには、原則としてこれに先立って相手を特定しておかなければなりません。
そこで、相手に対して法的措置を講じるための準備として、開示請求が必要となります。
この開示請求によって、Wikipediaの投稿者を特定できる場合があります。

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損害賠償請求

3つ目は、損害賠償請求です。
損害賠償請求とは、相手の不法行為によって被った損害を金銭の支払いによって償うよう、相手に対して請求することです。

損害賠償請求ははじめから裁判上で行うのではなく、まずは弁護士から開示請求で判明した相手に内容証明郵便などを送るなどして請求することが多いでしょう。
相手が謝罪して請求どおりに示談金を支払う場合には、多くの場合示談書などを作成のうえ事件が終結します。

一方、相手が請求を無視するなど不誠実な対応をとる場合は、裁判上での損害賠償請求へと移行します。
裁判に移行すると、裁判所が損害賠償請求の可否や具体的な賠償額を決め、相手はこれを支払わなければなりません。
裁判上で支払い義務が確定した賠償金を支払わない場合は、強制執行の対象となります。

刑事告訴

4つ目は、刑事告訴です。
刑事告訴とは、警察などの捜査機関に犯罪行為や犯人の処罰を求める旨を申告することです。
Wikipediaでの誹謗中傷は、刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪などの罪に該当する可能性があります。

しかし、これらの罪は被害者からの告訴がなければ起訴することができない「親告罪」であるため、相手を罪に問いたい場合や告訴をしなければなりません。
告訴は、警察署へ告訴状を出して行うことが一般的です。

告訴状が受理されると必要に応じて相手が逮捕され、捜査がなされます。
捜査の結果、起訴(刑事裁判にかけること)がされ有罪判決となるか、略式起訴となると、相手に前科が付くことになります。

Wikipediaで誹謗中傷された場合の対応の流れ

Wikipediaで誹謗中傷された場合、どのような流れで対応すればよいのでしょうか?
ここでは、誹謗中傷に対して法的措置をとるための基本的な流れを解説します。

投稿の証拠を残す

Wikipediaで誹謗中傷がなされたら、見つけたその場ですぐに証拠を残します。
証拠は、スクリーンショットで残すことが一般的です。
Wikipediaの場合は、次の箇所が掲載されるようにスクリーンショットを撮影してください。

  • 誹謗中傷がされている記事の全文
  • 誹謗中傷がされている記事のURL

開示請求をするためには、誹謗中傷の証拠が必要であるところ、証拠を残す前に誹謗中傷に関する記載が消えてしまうと、開示請求が困難となってしまうためです。

弁護士へ相談する

素材_弁護士相談

誹謗中傷の証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へ相談します。

相談は、誹謗中傷の投稿を見つけたその日や翌日に予約を入れるなど、できるだけ早期に行うことをおすすめします。
なぜなら、投稿によって残るログは永久保存されるわけではなく、一定の保存期間を超過すると削除されてしまい、受けられなくなるためです。

ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、おおむね3か月から6か月程度とされていることが多いでしょう。
また、誹謗中傷の記載が消えてしまう前に弁護士へ相談することで、たとえスクリーンショットに不備があっても追加で撮影することが可能となります。

必要に応じて削除請求をする

弁護士へ相談したうえで、必要に応じて削除請求を行います。
削除請求をして記事が消えると誹謗中傷の証拠が消えてしまうため、削除請求は弁護士へ相談してから行うようにご注意ください。

開示請求をする

弁護士へ対応を依頼すると、弁護士が開示請求を行います。
一般的なインターネット上での誹謗中傷への開示請求は、次の二段階で行うことが一般的です。

  1. 誹謗中傷の舞台となった掲示板やSNSの運営社に対して、投稿のIPアドレスとタイムスタンプの開示を請求する
  2. 「1」で開示された情報をもとに、投稿者が接続に用いたプロバイダ(NTTやSoftbankなど)に対してプロバイダ契約者の住所や氏名の開示を請求する

損害賠償請求や刑事告訴をする

開示請求によって投稿者の身元が判明したら、損害賠償請求や刑事告訴を行います。
両方の措置をとるのかいずれか一方の措置だけを講じるのかは、弁護士へ相談したうえで検討してください。

Wikipediaで誹謗中傷について弁護士へ相談するメリット

Wikipediaで誹謗中傷の被害に遭ったら、無理に自分で対応せず、弁護士へ相談することをおすすめします。
最後に、Wikipediaでの誹謗中傷について弁護士へ相談する主なメリットを3つ紹介します。

法的措置が可能かどうかあらかじめ想定しやすくなる

1つ目は、そのケースにおいて法的措置が可能かどうか、あらかじめ想定しやすくなることです。

開示請求や損害賠償請求などの法的措置は、単に不愉快な書き込みであることだけを理由に認められるわけではありません。
投稿に対して開示請求などの法的措置をとるには、権利侵害があったことが必要です。

権利侵害がなければ、時間や手間をかけて開示請求を行っても開示が認められず、徒労に終わるリスクがあります。
法的措置をとることが可能かどうか、自分で判断することは容易ではないでしょう。

弁護士へ相談することで、そのケースにおいて開示請求などの法的措置が可能であるかどうかあらかじめ想定することが可能となります。

開示請求が成功しやすくなる

2つ目は、開示請求が成功しやすくなることです。

開示請求は、単に形式的に書面を出せば認められるものではありません。
開示請求が認められるには、投稿によって権利侵害がなされたことの主張を、法的根拠を持って行うことが必要です。

弁護士へ依頼する場合は、弁護士が書面を作成してくれるため、情報の開示が認められやすくなるといえるかもしれません。

また、先ほど解説したように、開示請求はログの保存期間内に行う必要があるため、自分で一つずつ調べながら手続きを進めていては間に合わないかもしれません。

誹謗中傷問題への対応ノウハウを持つ弁護士へ依頼することでスムーズな開示請求が可能となり、ログの保存期間内に間に合いやすくなります。

損害賠償請求などの対応も任せられる

3つ目は、損害賠償請求などの対応も任せられることです。
投稿者が開示されたら相手に対して損害賠償請求などを行うことになりますが、これを自分で行い示談を成立させることは容易でないでしょう。
そもそも、自身を誹謗中傷した相手と直接対峙することは、さらなるトラブルの原因となったり危険が生じたりする可能性があり、おすすめできません。

また、直接示談交渉をしようとすれば自分の連絡先を相手に知らせる必要が生じますが、避けたいことかと思います。
弁護士へ依頼する場合は、損害賠償請求などの対応も弁護士に任せることができるため安心です。

また、弁護士が代理で交渉することで、そのケースにおける適正な示談金を獲得しやすくなります。

まとめ

Wikipediaで誹謗中傷の被害に遭った場合の対応などについて解説しました。
Wikipediaで誹謗中傷がなされたら、すみやかにスクリーンショットなどで投稿の証拠を残したうえで弁護士へご相談ください。

投稿の内容に応じて、削除請求のほか、発信者情報の開示請求や損害賠償請求、刑事告訴などの対応が可能となります。
Authense法律事務所では誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、Wikipediaでの誹謗中傷についても解決実績があります。

Wikipediaで誹謗中傷されてお困りの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。
誹謗中傷に関する初回のご相談は、原則60分間無料でお受けしています。
(※ご相談をお受けできない場合もございます。)

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誹謗中傷被害者が
Authense法律事務所に依頼するメリット

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MERIT.01

SNS・掲示板サイトの誹謗中傷に精通した弁護士チームが案件対応

アクセスプロバイダ、コンテンツプロバイダへの開示請求において、必要な証拠集めを「ログが保存されている期間内」に迅速に進めるためには、手続きに関する知識と経験が必要です。
その点、Authenseでは誹謗中傷案件を数多く取り扱う弁護士がチームを組んで対応するので安心です。

電卓や裁判を想起させる画像

MERIT.02

来所が一切不要
ご依頼から案件終了まで完全オンライン

全国対応可能。どちらにお住まいの方でも、オンラインで案件終了まで完結できます。
もちろん、ご希望に応じて来所いただくことも可能です。

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MERIT.03

初回相談60分間無料
自身で対応したい方にも丁寧にサポート

どなたでも、初回相談は60分まで無料で受け付けております。
誹謗中傷への対応では、証拠をきちんと押さえておくことがとても大切です。画面のスクリーンショット時に必ず含めなければいけない項目がコンテンツプロバイダごとに存在しますので、そのポイントも解説します。

どんなSNS・掲示板・サイトにも
精通した弁護士チームが対応します

  1. X(旧Twitter)
  2. YouTube
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  5. Instagram
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  2. 爆サイ.com
  3. 雑談たぬき
  4. 掲示板ミクル
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  2. Yahoo!ニュース(ヤフコメ)
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  4. LINE VOOM
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  6. livedoor Blog
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