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未成年者同士の性交
先日、富山県で、17歳の少年が逮捕されたと報じられました。
罪名は、富山県青少年健全育成条例違反。
17歳の少年が、18歳未満の少女に対し、性行為をしたとのこと。
この報道を見たとき、「なぜ逮捕?」と気になりました。
たしかに、富山県青少年健全育成条例には、「何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」という条文があります。
青少年というのは、6歳以上18歳未満の者を指すものと定義されており、少女が18歳未満であれば、その少女に対し、「みだらな性行為」をしたと評価される可能性はありそうです。
この条文に反した場合には、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるとされています。
ただ、1点注意する必要があるのです。
この条例の26条には「免責規定」として「この条例の罰則は、青少年に対しては適用しない。」と定められていること。
この逮捕された少年が17歳だとすると、彼は青少年にあたります。
青少年には罰則が適用されないはずなのに、どうして、青少年が逮捕されたのかという点が気になるところなのです。
もしかすると、この免責規定は、罰則を適用しないと言っているだけなので、逮捕の要件である「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき」には該当するという判断なのかもしれません。
でも、罰則が適用されないのに、あえて、しかも未成年者である少年を逮捕するということがあるのか、私自身の経験ではその背景事情に思い当たるところがありません。
しかも、本件は、逮捕状を請求して通常逮捕したということなのでしょうから、令状を出した裁判官の判断もあったはず。
となると、なおさら、どのような事情からこの逮捕に至ったのかは不思議に思うところです。
なお、親の立場からしても、「未成年者の性交って犯罪になり得るの?」と気になることもあるかもしれません。
どこか、未成年者同士なら犯罪とは無縁なのではないかという考えのかたもいるかもしれませんが、犯罪が成立する場合もあり得ます。
たとえば、不同意性交等罪。
16歳未満の子に対し性交等をした場合には、その子の同意があったとしても、不同意性交等罪が成立する可能性があります。
「可能性がある」と言ったのは、互いの年齢によるという意味です。
法律では、相手が13歳以上16歳未満である場合には、こちら側が5歳以上年上の場合に不同意性交等罪が成立するということが定められています。
たとえば、相手が13歳、こちらが17歳だったら、不同意性交等罪は成立しないものの、こちらが18歳だったとしたら、不同意性交等罪は成立し得るということです。
もちろん、未成年者同士の性交に関しても、同意形成が難しい状況下で行為に及んだ場合には、不同意性交等罪が成立し得ます。
このような性的な関係性は、そこに同意があったか否かということや、互いの年齢の認識等いろいろな要素が絡み合い、行き違いが生じたり、それが犯罪になったりということがあり得ます。
親として、このような法律の知識に加え、「同意」に関わる人の認識の受け止め方には個人差があり、自分の中の常識や「きっとこう考えているだろう」があてはまらないことがあり得ることなどもしっかり伝えていく必要があるのだろうなと思います。
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