コラム

公開 2026.02.16

新築物件の雨漏りは損害賠償請求できる?流れを弁護士がわかりやすく解説

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新築物件に、雨漏りなどの不具合がある可能性はゼロではありません。
雨漏りする物件を使い続けるには不利益が大きいことから、相手方に何らかの対応を求めることとなります。

では、引き渡しを受けた新築物件が雨漏りする場合、損害賠償請求などはできるのでしょうか?
また、新築物件の雨漏りについて損害賠償請求をしたい場合、どのような流れで進めればよいのでしょうか?

今回は、新築物件が雨漏りする場合に相手方に問える責任や相手方にできる具体的な請求、新築物件の雨漏りについて損害賠償請求をする流れなどについて、弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense法律事務所)は新築物件にまつわるトラブルについて、豊富な解決実績を有しています。
新築物件に雨漏りなどの不具合があり、相手方への責任追及でお困りの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

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「新築物件が雨漏りする」場合に問える責任は?

新築物件が雨漏りする場合、相手方に生じ得る責任には主に民法上の「契約不適合責任」と、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」といいます)による「瑕疵担保責任」の2つがあります。
はじめに、それぞれの責任について概要を解説します。

民法の「契約不適合責任」

民法の「契約不適合責任」とは、引き渡された目的物が種類・品質・数量(請負契約であれば種類・品質)に関して契約内容に適合しないものであった場合に、売主(注文住宅など、請負契約であれば請負人)が負う責任です。
「契約内容に適合しているか否か」がこの責任を問えるか否かの判断基準となります。

築年数の古い中古住宅の場合には、「大規模なリフォームをするため、雨漏りがしていても現状有姿(そのままの状態で)引き渡してもらってよい」などの前提で売買することもあるでしょう。
このような場合には、雨漏りを理由に契約不適合責任を追及することは困難です。

一方で、新築物件では契約書にあえて目的物の条件として「雨漏りしない」などと明記されていなくても、雨漏りのしない物件を引き渡すことは契約の大前提であると考えられます。
そのため、新築物件で雨漏りがする場合には、この契約不適合責任を追及できる可能性が高いでしょう。

品確法の「瑕疵担保責任」

新築住宅のうち、「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分として一定のもの」について、構造耐力や雨水の浸入に影響のある問題(「瑕疵(かし)」といいます)がある場合には、品確法の瑕疵担保責任の追及も可能です(品確法94条)。

品確法の瑕疵担保責任の内容は民法上の契約不適合責任と同じであるものの、責任追及ができる期間について、民法よりも手厚く規定されています。

新築物件が雨漏りする場合にし得る具体的な請求

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新築物件が雨漏りする場合、具体的にはどのような請求ができるのでしょうか?
ここでは、新築物件が雨漏りする場合に請求できる主な内容を解説します。

  • 追完請求(修補請求)
  • 代金減額請求
  • 損害賠償請求
  • 契約解除

これらは、「どれか1つを選択する」ものではなく、複数の請求を組み合わせて行うことも可能です。

とはいえ、具体的にどのような請求ができるのか、判断に迷うことも多いでしょう。
お困りの際は、Authense法律事務所までご相談ください。

追完請求(修補請求)

新築物件が雨漏りする場合にまず検討したいのが、追完請求です。
追完請求とは、雨漏りを修補し、問題のない(契約に適合する)状態にしたうえで改めて物件を引き渡すよう求めるものです(民法562条)。

代金減額請求

代金減額請求とは、不具合の程度に応じて代金を減額するよう求めるものです。
買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をしたものの、その期間内に履行の追完がない場合や、履行の追完が不能である場合など一定の場合には、代金減額請求ができるとされています(同563条)。

とはいえ、新築物件の雨漏りを代金減額請求で対応するのは一般的ではないでしょう。
たとえば、「4LDKの物件のうち1部屋が雨漏りするので、その部分だけ代金を減らします」と言われても、根本的な雨漏り等の不具合が解消されるわけではなく、買主としては到底納得できるものではない可能性が高いためです。

代金減額請求は、たとえば「契約では150㎡の土地を購入したはずであるのに、実測したら148㎡しかなかった」場合に、不足する2㎡部分の代金の減額を受ける場合などが想定されます。

損害賠償請求

新築物件が雨漏りする場合、追完(修補)又は代金減額とともに損害賠償請求をすることが検討できます(同564条、415条)。
損害賠償請求とは、相手の債務不履行(契約違反)などによって生じた損害を金銭の支払いで償うよう求めるものです。

新築物件が雨漏りする場合、その部分を修補してもらっても、これだけでは雨漏りによって損傷してしまった家具や家電、衣服などの問題が解決できません。
また、雨漏りがする間や修補する期間その新築物件を使うことができないのであれば、ホテルに宿泊したり一時的に賃貸住宅を借りたりするなどの対応も必要となるでしょう。

そこで、雨漏りの修補と合わせて、雨漏りによって使用できなくなった家具などの買い替え費用やホテルなどへの滞在費用などの支払いを求めることを検討できます。

契約解除

相手方に契約に適合する物件の引渡し(雨漏りの修補など)を求めたにもかかわらず、一定期間内に履行がされない場合や、債務の全部の履行が不能である場合などには、契約の解除が選択肢に入ります(同564条、541条、542条)。
ただし、債務不履行の程度が社会通念に照らして軽微である場合には、解除はできません。

新築物件が雨漏りする場合の損害賠償請求などの流れ

新築物件の雨漏りについて損害賠償請求をしたい場合、どのような流れで対応を進めればよいのでしょうか?
ここでは、一般的な対応の流れを解説します。

  • 雨漏りの現状などについて写真などで記録を残す
  • 弁護士に相談をして具体的な請求内容を検討する
  • 損害賠償請求など具体的な請求をする
  • ADRで解決をはかる
  • 訴訟で解決をはかる

雨漏りの現状などについて写真などで記録を残す

新築物件が雨漏りしていることに気付いたら、まずは写真などで雨漏りの事実や被害状況などについて証拠を残します。
証拠がなければ、相手方が請求に応じない可能性があるためです。

特に、訴訟にまで発展した場合には、証拠が重視されるため、漏れなく記録を残しましょう。

弁護士に相談をして具体的な請求内容を検討する

続いて、弁護士に相談をして、契約内容や具体的な被害状況などから具体的な請求内容を検討します。
また、証拠が不足している場合には、追加での撮影や対応が必要となることもあります。

相談する弁護士は、新築物件の施工不良に対する対応実績が豊富な事務所を選ぶとよいでしょう。
新築物件の雨漏りについて相談できる弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

損害賠償請求など具体的な請求をする

具体的な請求内容を検討したうえで、損害賠償請求など具体的な請求を行います。

相手方との関係が良好である場合は、弁護士からの助言を踏まえて、まずは自分で請求することも可能です。
一方で、すでに相手方に対応を求めたものの不誠実な対応をされている場合や、自分で直接請求することに不安がある場合などには、はじめから弁護士が代理で請求します。

弁護士から請求する場合、まずは内容証明郵便を送付することが多いでしょう。
内容証明郵便とは「いつ、いかなる内容の文書が誰から誰宛に差し出されたか」を日本郵便株式会社が証明する制度であり、訴訟の準備段階などで用いられます。

弁護士から内容証明郵便を送ることは「この時点で交渉に応じなければ法的措置に発展する」というメッセージともなるため、相手方にプレッシャーを与えることにもつながります。

また、この内容証明郵便の送付をもって、売主又は請負人に対する通知(民法566条)をしたこととすることができます。下記で述べるとおり、通知をしなければならない期限が決まっているため、早急に準備をする必要があります。

この段階で相手方と交渉が成立すれば事案は解決となり、修補や賠償金の支払いなど具体的な対応へと進みます。

ADRで解決をはかる

弁護士が代理で交渉をしても解決に至らない場合には、「ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続)」で解決をはかります。
ADRとは訴訟によらない問題解決手続きであり、話し合いによって解決をはかる「調停」などがこれに該当します。

調停では調停委員が当事者から交互に意見を聞き、意見を調整する形で進行し、当事者間での合意形成をはかります。
ADRの結果、当事者間の合意がまとまったら、事案は解決となります。

訴訟で解決をはかる

調停を経ても合意が得られない場合には、最終的に訴訟で解決をはかることとなります。
訴訟では、当事者の主張や証拠などを踏まえて、裁判所が最終的な結論をくだします。

新築物件が雨漏りする場合の損害賠償請求の期限

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新築物件が雨漏りする場合の請求には、期限があります。
ここでは、新築物件の雨漏りに対する損害賠償請求の期限について解説します。

原則

新築物件が雨漏りする場合、修補や損害賠償請求などで責任追及をするためには、買主がその不適合を知った時から1年以内にこれを売主に通知しなければなりません(同566条)。

また、知ってから1年以内に通知さえすればいつでも請求できるのではなく、権利行使ができることを知った時から5年、または新築物件の引渡し時から10年を経過することで、時効によって消滅します(同166条1項)。

契約書で異なる定めがある場合

契約書に民法とは異なる場合、原則としてその定めに従います。
「買主がその不適合を知った時」ではなく、「引渡しの時」から1年以内に通知すべきとされているなど、期間が短縮されていることや民法上の契約不適合責任が免除されていることもあるため注意が必要です。

ただし、このような定めが必ずしも有効であるとは限りません。
売主が宅地建物取引業者である場合や買主側が消費者である場合、買主が一方的に不利益を被る条項が無効となる可能性があります。

品確法の適用がある場合

品確法の適用がある不具合(瑕疵)である場合、新築住宅の引渡しから10年間は責任追及が可能です(品確法94条1項)。
また、これに反する契約の定めのうち、注文者に対して不利なものは無効となります(同2項)。
すなわち、品確法の適用がある場合、瑕疵担保責任の期間を10年間よりも短縮させたり、免除させたりする特約は無効となります。
しかし、この場合でも、買主がその不適合を知った時から1年以内にこれを売主に通知しなければ責任追及をすることはできないので、注意が必要です(同3項、同95条3項)。

新築物件が雨漏りする場合の損害賠償請求について弁護士にサポートを受けるメリット

新築物件の雨漏りについて弁護士のサポートを受けることには、多くのメリットがあります。
ここでは、新築物件の雨漏りについて弁護士に依頼する主なメリットを3つ解説します。

  • 状況に応じた具体的な対応が検討できる
  • 相手方との交渉を任せられる
  • ADRや訴訟などの対応を任せられる

お困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

状況に応じた具体的な対応が検討できる

先ほど解説したように、新築物件が雨漏りしている場合に相手方に請求できる内容は具体的な状況によって異なります。
弁護士のサポートを受けることで、その状況に応じた的確な対応が把握しやすくなります。

また、損害賠償請求をし得る場合、そのケースにおける適正な賠償額(仮に訴訟に発展した場合に認容され得る賠償額)を想定したうえで、実際に請求する金額を検討できます。

相手方との交渉を任せられる

新築物件の雨漏りについて相手方に損害賠償請求をしようにも、相手方に直接請求することに不安を感じる場合や、何をどのように連絡すればよいかわからない場合も多いでしょう。
無理に自分で進めようとして準備不足のまま請求したり的外れな請求をしたりしてしまえば、不利益な結果を招くおそれもあります。

弁護士に依頼する場合は、相手方への請求や交渉を弁護士に任せられるため安心です。

ADRや訴訟などの対応を任せられる

裁判外で交渉が成立しなければ、ADRや訴訟に移行して解決をはかることとなります。
自分で対応しようとする場合、これらへの移行に不安を感じることも多いでしょう。

また、これらへの移行を避けるために、不利な条件で手を打ってしまうかもしれません。

弁護士に依頼する場合には、ADRや訴訟に移行しても対応を任せることができます。
そのため、これらへの移行を過度に恐れることなく交渉を進めやすくなります。

新築物件の雨漏りに関するよくある質問

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最後に、新築物件が雨漏りする場合の損害賠償請求に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

雨漏りで損害賠償請求ができる範囲は?

新築物件の雨漏りを理由に損害賠償請求をする場合、その請求範囲は原則として、雨漏りによって損傷した家財の買い替え費用などの「財産的損害」と、いわゆる慰謝料である「精神的損害」の合計額です。

損害賠償の適正額は、具体的な状況や契約書の記載内容などによって異なる可能性があります。
まずはAuthense法律事務所へご相談ください。

新築物件で雨漏りしたら誰に相談すればよい?

新築物件で雨漏りする場合は、弁護士へご相談ください。
弁護士に相談することで状況に応じた適切な請求内容などが把握でき、これを踏まえて対応を進めることが可能となります。

お困りの際は、Authense法律事務所までご相談ください。

まとめ

新築物件が雨漏りする場合において追及できる責任や、損害賠償請求をする流れなどを解説しました。

引渡しを受けた新築物件が雨漏りする場合、修補請求や損害賠償請求などが検討できますが、請求ができる期間が決まっているため、早めの対応が必須です。
新築物件の雨漏りに気付いたら、まずは現地の証拠を残したうえですぐに弁護士へ相談し、具体的な対応方法を検討するとよいでしょう。

Authense法律事務所は、新築物件に関するトラブルについて豊富な解決実績を有しています。
新築物件が雨漏りしてお困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。法政大学デザイン工学部建築学科卒業、慶應義塾大学法科大学院修了。大学では建築学を学び、理系的な論理力と冷静な対応力を活かして企業法務・不動産法務・広告審査・スポーツ法務を中心に取り扱う。建築分野の法的課題にも意欲的に取り組む。合理性だけでなく、依頼者の感情にも寄り添うバランス感覚を大切にしている。
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