不動産法務の基本知識・用語集

不動産法務に関する基本知識・用語を紹介します。

委任契約書

委任する事実と内容と条件などについてお互いに確認するために、弁護士と依頼者が交わす契約書のことをいいます。依頼者が弁護士に対して特定の法律行為を委託し、弁護士がその委託を受けることを承諾する内容が書かれます。

開錠技術者

明渡しにおける強制執行の「催告手続」や「断行手続」の際に立会いを行うカギ屋さんのことをいいます。
対象物件の合鍵が準備できない場合や、カギが勝手に交換されていて開けられない等の万が一の事態に備えて同行し、執行官の指示のもと、開錠業務を行います。

解除通知

入居者が家賃滞納などの契約違反をした時に、それを理由に建物賃貸借契約の解除を行うことを通知する書面のことをいいます。相手方が受領したことを証明できるようにするために、通常は、配達記録付の内容証明郵便を用いて行います。
建物明渡しの訴訟を行う場合に、事前に解除通知書を送付することがあります。

仮差押

金銭債権を持っている人が、その債権が将来強制執行することが出来なくなることを防ぐために、債務者が勝手に財産を処分しないように、財産を一時的に仮に押さえておく手続きのことをいいます。滞納家賃の回収のために、裁判を行う場合に、裁判に先立って行うことがあります。

差押えを行う対象財産は案件によって異なりますが、主なものとしては、銀行預金、給料債権、売掛債権、不動産等が挙げられます。

仮差押の対象が不動産の場合は、仮差押えの対象となっていることが登記簿に記入され、勝手に処分・売却することは制限されます。ただ、仮差押の対象とされている物を売却する行為は法的には不可能ではありませんが、購入者は、後に対象とされている不動産が本執行を受けた時に、競売されて所有権を失うことになることもあります。

期日

裁判所、当事者やその他の関係をしている人が一定の場所に集まって訴訟行為をするための決められた日時のことです。
期日は、申し立てによりまたは職権で、裁判長が指定します。民事訴訟における期日としては、口頭弁論期日、弁論準備手続期日、証拠調べ期日、判決言渡し期日、和解期日などがあります。

強制執行手続

建物明渡請求事件においていえば、明渡しを命じる判決にもとづき、法的手続きにのっとって強制的に明渡しをさせるための手続きのことをいいます。強制執行手続は、「催告」と、「断行」の2段階の手続で行われます。

結審

裁判の審理が終了することをいいます。
裁判が結審すると、その後、裁判官が審理の内容を踏まえて、判決の言い渡しが行われることになります。結審した日から、判決言い渡し日までの期間は、案件の複雑さ等によって異なりますが、相手方が争っていない単純な案件の場合、1週間から2週間程度で判決の言い渡しがなされることが多いです。

公図

土地の実際のかたちや、隣の土地あるいは道路とどのように接しているかなどの情報を分かるようにするために、土地の形や位置関係などを図面にしたものが公図です。確定する物件を管轄する法務局で取得することができます。
裁判を行うにあたり、対象物件の位置や地番の確認を行う場合に使用することがあります。

小為替(定額小為替)

郵便で市町村区役場から書類を取得する際に必要な証書のことをいいます。郵便局で発行している証書で、50円~1,000円まで12種類の額面があります。小為替1枚発行するのに100円の手数料が発生します。

戸籍謄本

対象となる人の属する戸籍の全部を写しとった書面のことをいいます。
原告・被告のどちらかが死亡していて相続が発生している場合など、身分関係を確認する場合に使用します。

催告

明渡しにおける強制執行の「催告手続」や「断行手続」の際に立会いを行うカギ屋さんのことをいいます。
対象物件の合鍵が準備できない場合や、カギが勝手に交換されていて開けられない等の万が一の事態に備えて同行し、執行官の指示のもと、開錠業務を行います。

債務名義

強制執行手続を行うために必要な文書です。
具体的には、確定判決や調停調書、仮執行宣言付支払督促、公正証書などが挙げられます。

実際に強制執行手続きを行うためには、債務名義に執行文の付与を受けたうえで、あわせて送達証明の取得も必要となります。

執行官

各地方裁判所に所属する裁判所職員で,裁判の執行(強制執行)などの事務を行います。建物明渡についての強制執行の現場では、執行官の指示に従って催告や断行の手続が行われます。

執行文

強制執行ができるように、執行書記官に判決や和解調書等の債務名義に付与してもらう書面のことをいいます。裁判所や公証人役場で付与の申請を行います。
なお、強制執行手続きを行うためには、債務名義に執行文の付与を受けたうえで、あわせて送達証明の取得も必要となります。

執行業者

建物明渡しの強制執行時に家財などの運搬・保管・処分時の評価を行う裁判所から認可を受けた業者のことをいいます。強制執行手続の際に物件内に家財道具等があった場合、その家財道具等を運び出して、保管し、処分時の評価等を行います。

執行予納金

強制執行手続申立時に前もって裁判所に納めるお金のことです。支払期日までに納めないと期日延長もしくは取下げの指示が出されます。
建物明渡についての強制執行を行う場合、関東の裁判所であれば、6~7万円程度(ただし、相手方が1名の場合)の執行予納金を納める必要があります。なお、裁判所によっては執行予納金の額が異なることがあります。

占有移転禁止の仮処分

無断転貸などにより明渡しの対象となる当該物件に居住している人間が特定できない場合に、明渡請求の裁判を提起する前に行う「占有者を特定する手続き」のことをいいます。
賃貸借契約上の賃借人が住人でない場合に、仮処分の手続きを行わずに賃借人のみを被告として裁判を行った場合、勝訴判決を得ても明渡し(強制執行)をすることができない可能性があります。

訴額(訴訟価額)

訴状に貼付する収入印紙の金額を決定するための元になる金額のことをいいます。建物明渡請求訴訟でいえば、当該物件の固定資産評価証明の金額をもとに計算されます。

訴状

裁判を提起するために、訴える側(原告)が裁判所に提出する申立書類のことをいいます。
訴状は、特別送達という手続きにより、裁判所から訴えられる側(被告)に送付されます。

建物明渡請求訴訟

家賃の滞納や賃貸契約書の条項に違反した場合に、賃貸人(貸主)と賃借人(借主)の信頼関係が破壊されたことを理由として、賃貸人が賃貸契約書の契約解除を行ったあと、対象の物件から立退き(明渡し)を請求する訴訟のことをいいます。
勝訴判決を得た後に、明渡しの強制執行を行うことができます。
つまり、契約時の取り決めが守られなかった場合に貸主が賃貸借契約を解除をして、入居者を物件から追い出すための訴訟手続きのことをいいます。

建物図面

通称「建図」といいます。一棟ないし数棟の建物又は区分建物(フロア)の位置・形状などを示す図面のことをいいます。当該物件を管轄する法務局で取得することができます。
物件の家屋番号や地番を特定するために使用します。

提訴

裁判を起こすことをいいます。提訴をするためには、裁判所に訴状を提出します。
裁判所は、当事者から訴状の提出があると、相手方にそれを送達します。相手方に訴状が無事に送達されると、訴訟係属となります。

登記印紙

登記事項証明書や建物図面・公図などを法務局で取得する際に用いる印紙の一種のことをいいます。

特定記録郵便

相手に到達したことを追跡できる郵便のことをいいます。書留郵便とは異なり、相手が不在でもポストに投函してくれます。

内容証明郵便

文書の内容について、いつ・どのような内容の物を、誰から誰へ宛てて差し出したかということを日本郵便が証明してくれる郵便のことをいいます。
この郵便を利用するにより、受け取った側から書面の記載内容に関して虚偽の主張をされることを防ぐことができます。そのため、解除通知を発送する場合等にこの郵便方法を用いることがあります。

配達証明

郵便物が配達されたことを証明する郵便局のサービスのことをいいます。
裁判手続きを行う前に相手方に通知書等を送付する場合に、後日相手方から「受領していない」と反論されることを防止するために、配達証明をつけることがあります。

評価証明(建物固定資産評価証明書)

毎年、4月1日に更新される土地・建物(固定資産)の公的な評価を記した証明書をいいます。定額小為替を利用して取得する書類で、物件が所在する市町村区の税務課で取得するができます。但し、東京23区のみ都税事務所で取得をします。なお、管轄の市町村区により取得価格が違うため、注意が必要です。
建物明渡請求訴訟を行う際に、訴状の添付書類として裁判所に提出します。

不送達

裁判所から発送される訴状や判決が送達されない状態のことをいいます。訴状の不送達の連絡を受けた後は、就業先調査や現地調査を行い、「休日送達」「就業先送達」「付郵便送達」「公示送達」の順番で相手方の手元に届くように送達手続きを進めていきます。

不動産登記簿謄本

不動産(土地及び建物)の物理的現況と権利関係を公示するために作られた登記簿のことをいいます。土地と建物につきそれぞれ独立した登記簿が存在し(区分所有の例外あり)、登記事項も若干異なります。

郵券

郵便切手のことをいいます。
裁判では訴状や、その他の書類の郵送でのやり取りが発生します。そのため、裁判を行うに当たっては、予め裁判所に郵券を提出することが必要になります。

和解

争っている当事者の間において、当事者が互いに譲り合い、争いを解決することを約束することをいいます。
和解は裁判上でも裁判外であっても自由に行うことができ、また和解契約の内容も当事者が自由に決めることができます。
建物明渡の裁判を行った場合に、賃借人との間で滞納賃料全額の入金を約束の上で、居住継続を認める内容の和解を行うことがあります。

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