コラム

公開 2026.02.16

新築物件の引き渡しでトラブルが発生したら?対処法を弁護士がわかりやすく解説

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新築物件の引き渡しでは、ときにトラブルが生じます。
新築物件の引き渡しを受ける機会が人生に何度もある人は多くなく、トラブルが発生すれば対応に苦慮してしまうことでしょう。

では、新築物件の引き渡しで起きやすいトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか?
また、新築物件の引き渡しでトラブルが起きた場合、どのように対応すればよいのでしょうか?

今回は、新築物件の引き渡しで起きやすいトラブルを紹介するとともに、新築物件の引き渡しでトラブルを避ける対策やトラブルが発生した場合の対処法などについて、弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense法律事務所)は新築物件の引き渡しにまつわるトラブルについて豊富なサポート実績を有しています。
新築物件の引き渡しでトラブルとなりお困りの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

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新築物件の引き渡しで起きやすい主なトラブル

はじめに、新築物件で起きやすい主なトラブルを6つ解説します。

  • 仕様が事前の取り決めと異なっている
  • 施工水準の低い箇所がある
  • キズがある・汚れている
  • 設備が動作しない
  • 請求額が事前の説明よりも高額である
  • 引き渡し日が遅延する

なお、ここでは注文住宅であることを前提に解説を進めます。

仕様が事前の取り決めと異なっている

引き渡された新築物件の仕様が、取り決めと異なっているトラブルです。

たとえば、外壁の色を白と取り決めたにもかかわらず黒色で施工されている場合や、床材に仕様より質の低い木材が使われている場合、「リビングに、造り付けの書棚を3か所設置する」と取り決めたにもかかわらず書棚が2か所しか設置されていない場合などがこれに該当します。

なお、このように仕様とは異なる物を引き渡した場合に施工会社側に発生する責任を「契約不適合責任」といいます。

施工水準の低い箇所がある

引き渡しを受けた新築物件に、施工水準の低い箇所があるトラブルです。
たとえば、外壁に塗りムラがある場合やクロスに大きな皺が入っている場合などがこれに該当します。

なお、施工水準が低い場合にも、契約不適合責任を追及できる可能性が高いでしょう。
外壁に塗りむらがないことやクロスを綺麗に施工することなどは、あえて契約に明記しなくとも、新築住宅の施工として当然であると考えられるためです。

キズがある・汚れている

引き渡しを受けた新築物件にキズがあったり、簡単には落ちない汚れがついていたりするトラブルです。
たとえば、リビングの床に大きな傷がついている場合やクロスに大きな汚れが付着している場合などがこれに該当します。

設備が動作しない

引き渡しを受けた新築物件の設備が動作しないトラブルです。
一部の電灯が点かない場合や、一部のコンセントに電気が通じていない場合などがこれに該当します。

請求額が事前の説明よりも高額である

引き渡しを受けた新築物件の請求額が、事前の説明よりも高額であるトラブルです。
追加工事の発生などがあったにも関わらず、施工会社がこれに伴う増加額を明確に説明していなかった場合もある一方で、説明は受けたもののその説明がわかりづらく、施主側が思い違いをしている場合などもあるでしょう。

引き渡し日が遅延する

新築物件では、引き渡し日が遅延するトラブルも少なくありません。
引き渡し日が遅れれば、状況に応じて、施主が一時的に他の物件を借りるなどの対応が必要となります。

新築物件の引き渡しトラブルを避ける対策

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新築物件の引き渡しにまつわるトラブルを避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?
ここでは、トラブルを避ける主な対策を6つ解説します。

  • 信頼できる施工会社を選ぶ
  • 契約書や仕様書の内容を十分に確認する
  • 打ち合わせ時にメモを残す
  • 現地を頻繁に見学する
  • 仕様の変更や追加などをした際は変動後の請求額を確認する
  • 引渡し前に現地を最終チェックする

信頼できる施工会社を選ぶ

1つ目は、信頼できる施工会社を選ぶことです。

信頼できる施工会社であれば、引き渡しの前に入念な検査をすることから、そもそも問題のある状態のまま引き渡される可能性が低いでしょう。
また、引き渡しに関して問題が生じた際にも、自社の信用を重視して真摯な対応が期待できる可能性も高いといえます。

契約書や仕様書の内容を十分に確認する

2つ目は、契約書や仕様書の内容を十分に確認することです。

新築物件の発注にあたって、契約書や仕様書をよく確認しないまま署名や押印をすることはおすすめできません。
なぜなら、契約不適合責任を追及できるのは、引き渡された物件が契約内容に適合していない場合(または、契約に定めなくとも当然であるような施工水準に達していない場合など)に限られるためです。

そして、契約内容に適合しているか否かの判断にあたって最大の拠りどころとなるのは、契約書や仕様書です。

たとえば、口頭だけで「リビングに、造り付けの書棚を3か所設置する」と取り決めていても、書棚が2か所しかない仕様書に施主が署名や押印をしており、「もともと3か所設置する取り決めであった」ことの証拠がなければ、最終的に書棚が2か所しか設置されていないことをもって責任を追及するのは難しいでしょう。

そのため、契約書や仕様書はきちんと読み込み、理解が難しい部分は事前に確認をしたうえで署名や押印をすることをおすすめします。

打ち合わせ時にメモを残す

3つ目は、打ち合わせ時にメモを残すことです。

打ち合わせ時にメモを残すことで、認識違いによるトラブルを回避しやすくなります。
また、金額や納期、仕様の変更など特に重要な事項についてはメモだけでなく、双方が署名や押印をする覚書などを取り交わすことをおすすめします。

現地を頻繁に見学する

4つ目は、現地を頻繁に見学することです。
新築物件の建設現場を頻繁に確認することで、施工ミスがあっても早期の段階で気付きやすくなり、大きなトラブルとなる前に対処してくれる可能性が高くなるからです。

また、工事の進捗具合なども把握しやすくなるため、事前に説明された計画に遅れが生じている場合にも、早期に気付いて対処してもらいやすくなるでしょう。

仕様の変更や追加などをした際は変動後の請求額を確認する

5つ目は、仕様の変更や追加などをした際は、変動後の請求額を確認することです。
金額の増加にまつわるトラブルは、増額を説明したか否かに関する認識の齟齬から生じることが少なくありません。

トラブルを避けるため、仕様変更や追加工事の発生などで金額が増加する場合は、施工会社側が変更後の見積書や契約書を用意することが多いでしょう。
施工会社側がこれらを用意しない場合には、施主側から書面化を求めることで、後のトラブルを避けやすくなります。

引渡し前に現地を最終チェックする

6つ目は、引き渡しを受ける前に現地を最終チェックすることです。

現地の最終チェックをすることでその時点で不具合に気づきやすくなり、正式な引き渡しの前に修繕などの対応をしてもらいやすくなります。

新築物件の引き渡しトラブルが起きた場合の対処法

新築物件の引き渡しがすでにトラブルとなっている場合は、どのような流れで対応に臨めばよいのでしょうか?
ここでは、一般的な流れを解説します。

  • トラブルの証拠や記録を残す
  • 契約書や打ち合わせの記録などを確認する
  • 弁護士に相談して具体的な対処法を検討する
  • 相手方に対応を求める
  • ADRで解決をはかる
  • 訴訟で解決をはかる

トラブルの証拠や記録を残す

新築物件の引き渡しでトラブルが発生したら、まずはその証拠や記録を残します。
証拠がなければ相手方に取り合ってもらえない可能性があるほか、仮に訴訟にまで発展した場合には証拠が非常に重視されるためです。

契約書や打ち合わせの記録などを確認する

続いて、契約書や打ち合わせの記録などを確認します。
これらが、トラブル解決の拠りどころとなることが多いためです。

特に、「外壁を白で発注したのに、黒で施工された」などのトラブルでは、「もともと白で発注していた」ことの証明ができるか否かで明暗が分かれる可能性もあります。

弁護士に相談して具体的な対処法を検討する

続いて、弁護士に相談をして具体的な対処方法を検討します。
相手方に行う請求は、トラブルの内容などによって異なるためです。

法令への理解不足から不利益を被る事態を避けるため、まずは弁護士に相談をして問題を整理し、法的に正当な主張を把握したうえで相手方との交渉に臨むことをおすすめします。

お困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

相手方に対応を求める

弁護士との相談結果を踏まえて、相手方に具体的な対応を求めます。

たとえば、引き渡された物件に契約内容に適合しない部分があるのであれば、契約に適合するようその部分の工事をやり直すよう求めることが検討できます。
また、修繕に伴って一時的にその物件が使えなくなる場合、その期間におけるホテル滞在費用や一時的な賃貸物件の入居費用などの支払いを請求することも検討できるでしょう。

相手方が真摯に対応しない場合などには、弁護士が代理人として対応を求めます。

ADRで解決をはかる

裁判外で解決に至らない場合には、調停などのADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続)を申し立てます。

ADRとは、訴訟によらず、当事者間の合意による解決をはかる手続きのことです。
調停委員などの第三者が話し合いを調整し、当事者による合意形成をはかります。

当事者の合意が成立するとADRが成立し、トラブルは解決となります。

訴訟で解決をはかる

ADRを経てもトラブル解決に至らない場合には、最終手段である訴訟で解決をはかることとなります。

訴訟では、トラブルの内容を契約内容などに照らし合わせ、裁判所が結論を下します。
確定した判決には、仮に多少の不服があったとしても、当事者双方が従わなければなりません。

新築物件の引き渡しトラブルに関して弁護士に相談する主なメリット

新築物件の引き渡しトラブルは、弁護士に相談して解決をはかることをおすすめします。
ここでは、新築物件の引き渡しトラブルに関して弁護士に相談する主なメリットを3つ解説します。

  • トラブルの内容に応じた具体的な対処法が把握できる
  • 必要に応じて相手方への対応を任せられる
  • ADRや訴訟に発展しても対応を任せられる

新築物件の引き渡しトラブルでお困りの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

トラブルの内容に応じた具体的な対処法が把握できる

新築物件の引き渡しでトラブルが生じた場合、どのように対処すべきかわからないことも多いでしょう。
理解が不足したまま対応に臨んでしまうと、本来であればできたはずの請求をしそびれ、不利益を被るかもしれません。

弁護士に相談することで、具体的な状況に応じた的確な対処方法を把握したうえで対応に臨むことが可能となります。

必要に応じて相手方への対応を任せられる

特に、損害賠償などの対応を求める場合は、相手方に直接請求することに不安を感じることも多いでしょう。
また、的外れな請求をしてしまい、解決が遠のくかもしれません。

弁護士に依頼する場合には、必要に応じて、相手方との対応を弁護士に任せることが可能となります。

ADRや訴訟に発展しても対応を任せられる

ADRや訴訟に慣れていないほとんどの人は、ADRや訴訟に発展することに不安を感じることでしょう。
そのため、これらへの発展を避けるため、不利な条件で合意してしまうこともあるかと思います。

弁護士へ依頼する場合にはADRや訴訟などの対応も任せられるため、安心してトラブル解決をはかることが可能となります。

新築物件の引き渡しトラブルに関するよくある質問

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最後に、新築物件の引き渡しトラブルに関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

新築物件の引き渡しトラブルは誰に相談すべき?

新築物件の引き渡しでトラブルが発生した際は、弁護士にご相談ください。
弁護士に相談することで、トラブルの内容や状況に応じた具体的な対処法が把握でき、的確な対応をとりやすくなります。

新築物件の引き渡しに関するトラブルでお困りの際は、Authense法律事務所までご相談ください。

新築物件の引き渡しトラブルに対処するポイントは?

新築物件の引き渡しトラブルに対処するポイントは、早期に対応に取り掛かることです。
「仕様が異なる」や「施工水準が低い」などの責任追及には期限があり、原則として、問題に気づいてから1年以内(かつ、引き渡しから10年以内)に相手方に通知しなければ責任の追及が困難となるためです。

また、対処が遅れると、責任の所在や原因が曖昧となる可能性もあるでしょう。

そのため、新築物件の引き渡しでトラブルが生じた際は、できるだけ早期に対応に取り掛かることをおすすめします。

まとめ

新築物件の引き渡しで生じやすいトラブルを紹介するとともに、新築物件の引き渡しトラブルを予防する方法やトラブルに発展した場合の対応などを解説しました。

新築物件の引き渡しにまつわるトラブルとしては、引き渡された物件に契約に適合しない部分があることや設備などに不具合があること、引渡日に遅延することなどが挙げられます。
このようなトラブルを防ぎ、トラブル発生時にもスムーズな解決をはかるためには、打ち合わせ時に記録を残すことや重要な事項については覚書などを取り交わしたり、頻繁に現地の状況を確認したりするといった対策を講じるとよいでしょう。

万が一トラブルに発展してしまったらトラブルについての証拠や記録を残したうえで、早期に弁護士にご相談ください。

Authense法律事務所は、新築物件の引き渡しトラブルについて豊富なサポート実績を有しています。
新築物件の引き渡しでトラブルに発展してお困りの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。法政大学デザイン工学部建築学科卒業、慶應義塾大学法科大学院修了。大学では建築学を学び、理系的な論理力と冷静な対応力を活かして企業法務・不動産法務・広告審査・スポーツ法務を中心に取り扱う。建築分野の法的課題にも意欲的に取り組む。合理性だけでなく、依頼者の感情にも寄り添うバランス感覚を大切にしている。
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