工事を依頼したにもかかわらず、施工不良が発生することがあります。
では、施工不良がある場合、施工会社にどのような請求ができるのでしょうか?
また、施工不良について損害賠償請求をする場合、どのような流れで進めればよいのでしょうか?
今回は、施工不良のパターンや施工不良で発生する主な責任や、施工不良で損害賠償請求がしたい場合の対応などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(Authense法律事務所)は施工不良での法的措置について、豊富なサポート実績を有しています。
施工不良があり損害賠償請求をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
目次
-
電話でご相談予約
-
メールでご相談予約
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00
施工不良の3つのパターン
はじめに、施工不良の3つのパターンを紹介します。
- 契約で定めた仕様に適していない
- 施工水準が低い
- 法令に適合していない
契約で定めた仕様に適していない
施工不良のパターンの1つ目は、契約で定めた仕様に適合していないものです。
たとえば、外壁を白色で発注したにもかかわらず黒色で施工された場合や、床材を無垢材と指定したにもかかわらず複合材で施工された場合、仕様ではあるべき位置にコンセントの差込口がない場合などがこれに該当します。
このケースにおける施工不良であるか否かの判断には、「契約に適合しているか否か」が重要となります。
たとえば、「黒色の外壁」そのものに問題があるのではなく、「白色で発注したにもかかわらず黒で施工された」からこそ施工不良に該当するといえるでしょう。
はじめから黒色で発注していたのであれば、黒色で施工されることに何の問題もありません。
施工水準が低い
施工不良のパターンの2つ目は、施工水準が低いものです。
たとえば、クロスに大きな皺が入っている場合や防水工事が不十分であり雨漏りがする場合、ドアに歪みがありスムーズに開閉できない場合などがこれに該当します。
このケースにおける施工不良であるか否かの判断には、契約の内容だけではなく契約の目的や契約に至った経緯も考慮されることになります。
たとえば、新築住宅の壁紙に大きな皺が入っていれば、これは施工不良といえるでしょう。
一方で、たとえば従業員用のバックヤードなど顧客の目に触れない場所の施工であり、施主としても多少雑な工事を許容することを条件に工事を安価に発注していたのであれば、クロスの多少の皺程度は問題とならないかもしれません。
法令に適合していない
施工不良のパターンの3つ目は、法令に適合していないものです。
たとえば、建物の新築工事において法令で定める耐震基準や防火基準を満たしていない場合や、容積率・建蔽率の制限に違反している場合などがこれに該当します。
法令違反に該当する建物の建築を依頼することは想定しづらいため、この場合には施工不良の責任を追及できる可能性が高いでしょう。
施工不良で発生する主な責任

施工不良がある場合において施工会社に追及し得る責任には、民法上の「契約不適合責任」と、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」といいます)の「瑕疵担保責任」が挙げられます。
ここでは、それぞれ概要を解説します。
(民法)契約不適合責任
民法上の契約不適合責任とは、請負人(施工会社)が種類または品質に関して契約の内容に適合しない目的物を施主に引き渡した場合に生じる責任です。
契約不適合責任を問えるか否かは、原則として契約で定めた仕様に適合しているか否かによって判断されます。
ただし、一定以上の水準の施工をすることや法令の基準に適合した施工をすることなどは契約の前提条件であることから、あえて「雨漏りしない家を建てる」などの条項を設けなくても契約不適合責任を追及できることが一般的です。
(品確法)瑕疵担保責任
品確法の瑕疵担保責任とは、新築住宅に一定の瑕疵(問題点)がある場合に生じる責任です。
品確法の瑕疵担保責任は民法上の契約不適合責任と全く別の責任ではなく、一定の場合に民法の契約不適合責任の特例として責任を問える期間が延長され、注文者に不利な規定ができない旨が規定されています。
品確法の対象となるのは、新築住宅の次の部分の瑕疵のうち、構造耐力または雨水の浸入に影響があるものです(品確法94条1項、品確法施行令5条)。
- 住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材のうち、その住宅の自重・積載荷重、積雪、風圧、土圧、水圧、地震などの震動・衝撃を支えるもの
- 住宅の屋根、外壁、これらの開口部に設ける戸・わくなどの建具
- 雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、その住宅の屋根、外壁の内部、屋内にある部分
施工不良に対してし得る主な請求
施工不良があった場合、具体的にどのような請求ができるのでしょうか?
ここでは、施工不良があった場合に施工会社に追及し得る主な責任について解説します。
- 追完請求
- 代金減額請求
- 損害賠償請求
- 契約解除
とはいえ、実際にはどの責任が追及できるか判断に迷うことも多いでしょう。
施工不良への責任追及でお困りの際は、Authense法律事務所までご相談ください。
追完請求
施工不良があった場合にまず検討したいのが、追完請求です(民法562条)。
追完請求とは、施工会社に対して目的物の修補や代替物の引渡し、不足分の引渡しによる履行の追完を求めるものです。
たとえば、外壁を白色で発注したにもかかわらず黒色で施工された場合において外壁を白色に塗りなおすよう求めることや、床材を無垢材と指定したにもかかわらず複合材で施工された場合において無垢材で張りなおすよう求めること、雨漏りがする場合にその箇所の補修を求めることなどがこれに該当します。
代金減額請求
追完請求をしたにもかかわらず相当期間内に追完されない場合や、履行の追完が不能である場合などには、代金減額請求が選択肢に入ります(同563条)。
代金減額請求とは、施工不良の程度に応じて代金の減額を求めるものです。
たとえば、床が無垢材ではなく複合材で施工された場合において、その差額分の減額を求める場合などがこれに該当します。
損害賠償請求
施工不良により損害が生じた場合には、損害賠償請求が検討できます。
損害賠償請求とは、相手の債務不履行(施工不良)により生じた損害を、金銭の支払いによって償うよう求めるものです。
損害賠償請求は、追完請求などと併せて行うことができます(同564条)。
たとえば、施工不良により雨漏りや水漏れが起きた場合に、これにより損傷した家具や家電などの買い替え費用の負担を求めることなどがこれに該当します。
また、施工不良を修繕する間その家に居住できない場合に、一時的にホテルやマンスリーマンションなどに滞在する費用の負担を求めることもあります。
契約解除
履行の完遂を求めたにもかかわらず、施工会社が相当期間内にこれに応じない場合や、債務の履行が不能である場合などには、契約解除が選択肢に入ります(同541条、542条)。
ただし、契約解除ができるのは、契約や取引上の社会通念に照らして不履行の程度が軽微でない場合に限られており、軽微な場合には解除まではできません。
契約の解除をすれば契約自体がなかったこととなり、その影響が甚大であるためです。
施工不良で損害賠償請求をしたい場合の流れ

施工不良で損害賠償請求をしたい場合、どのような流れで対応すればよいのでしょうか?
ここでは、一般的な流れについて解説します。
- 施工不良の証拠を残す
- 弁護士に相談する
- 相手方に請求する
- ADRで解決をはかる
- 訴訟を提起する
施工不良の証拠を残す
施工不良があることに気付いたら、すぐに写真や動画を撮影するなどして証拠を残します。
また、仕様に適合していない場合には、現状とは異なる仕様で合意したことを示す仕様書や打ち合わせメモなども集めましょう。
証拠がなければ、施工会社側に対応を拒まれた際に、それ以上の責任追及が困難となるおそれがあるためです。
弁護士に相談する
続いて、弁護士に相談します。
弁護士に相談することで、そのケースにおける法的措置の可否や具体的な法的措置の内容、損害賠償請求をするのであればその適正額などが把握でき、請求を的確に進めやすくなります。
施工不良にお悩みで、損害賠償請求をご検討の際は、Authense法律事務所までご相談ください。
Authense法律事務所は施工不良への法的措置について、豊富なサポート実績を有しています。
相手方に請求する
具体的な請求内容を検討したら、相手方に請求します。
施工会社との関係性にもよるものの、追完請求だけであれば施主から直接施工会社に請求することもあります。
一方で、施工会社に直接請求することに不安がある場合や損害賠償請求もする場合、施工会社に対応を求めたものの誠実な対応がされない場合などには、弁護士が代理で請求する方がよいでしょう。
この段階で相手方が交渉に応じて合意が成立すれば、実際に施工のやり直しや賠償金の支払いなどを受けて、事案は解決となります。
ADRで解決をはかる
弁護士が代理しても交渉がまとまらない場合は、ADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外紛争解決手続)の申立てを検討します。
ADRとは、調停やあっせんなど、第三者が中立な立場で意見を調整して合意の成立を目指す手続きです。
調停委員などの第三者が双方から交互に意見を聞いて話し合いを調整することで、直接の交渉と比較して合意が成立しやすくなります。
ADRは当事者の合意形成をサポートする制度であり、裁判所などが結論を下すわけではありません。
訴訟を提起する
ADRを経ても合意が得られない場合や、ADRを申し立てても合意が得られる見込みが薄いと考える場合には、裁判所に訴訟を提起します。
訴訟では、施工不良の内容や契約条項などを踏まえて、法令を根拠として裁判所が結論を下します。
判決が下ったら、そこから2週間以内に限り控訴ができるものの、両当事者がいずれも控訴しないまま控訴可能期間が経過すると判決が確定します。
確定した判決には、たとえ不服があったとしても、当事者双方が従わなければなりません。
施工不良での損害賠償請求の時効
施工不良での損害賠償請求は、いつまでに行えばよいのでしょうか?
ここでは、施工不良での損害賠償請求の時効について解説します。
原則
施工不良での損害賠償請求をするには、原則として、施主が施工不良に気付いてから1年以内に施工会社に通知しなければなりません(同637条)。
また、具体的な請求権は一般の消滅時効にもかかるため、施工不良を知ってから5年または引渡しから10年を経過することで時効によって消滅します(同166条1項)。
ただし、これは民法上の原則であり、契約書に別段の定めがある場合には、原則としてその契約書の定めが優先されます。
たとえば、通知期間の始期を「施工不良に気付いてから」ではなく「引渡しから」としている場合や、期間を1年ではなく6か月などに短縮している場合などがあるため、契約締結時に十分に確認しておく必要があるでしょう。
なお、施主が消費者であるなど一定の場合には、消費者側を一方的に害する契約条項が無効となる可能性もあります(消費者契約法8条)。
品確法の適用がある場合
品確法の適用がある施工不良である場合は、民法の規定にかかわらず、引渡しから10年間に渡って損害賠償請求などの責任追及が可能です(同94条1項)。
また、これに反する特約で、施主にとって不利なものは無効となります(同2項)。
すなわち、品確法の適用がある場合、瑕疵担保責任の期間を10年間よりも短縮させたり、免除させたりする特約は無効となります。
しかし、この場合でも、買主がその不適合を知った時から1年以内にこれを売主に通知しなければ責任追及をすることはできないので、注意が必要です(同3項、同95条3項)。
施工不良の損害賠償請求に関するよくある質問

最後に、施工不良の損害賠償請求に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
施工不良があれば必ず損害賠償請求できる?
施工不良があるかといって、必ずしも損害賠償請求ができるとは限りません。
損害賠償請求ができるか否かは、施工不良の具体的な内容や証拠の有無、その施工不良によって具体的な損害が発生したか否かなどによって異なります。
まずは弁護士に相談をしたうえで、そのケースにおいて可能な請求を把握するとよいでしょう。
施工不良での損害賠償額はどのように決まる?
施工不良での損害賠償額は、施工不良によって生じた具体的な損害をもとに、まずは当事者間の交渉によって決まります。
請求額に明確な根拠があれば相手方の納得が得られ、交渉段階で解決に至りやすいでしょう。
交渉がまとまらない場合には、最終的には訴訟を提起することとなり、具体的な状況をもとに裁判所が適正な損害賠償額を決めます。
まとめ
施工不良のパターンや施工不良があった場合に追及できる責任、施工不良を理由に損害賠償請求をしたい場合の流れなどについて解説しました。
施工不良があった場合、民法上の契約不適合責任や品確法上の瑕疵担保責任を追及できる可能性があります。
具体的には、追完請求や代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などが検討できるでしょう。
請求できる具体的な内容は施工不良の内容や状況などによって異なるため、まずは弁護士に相談したうえで、そのケースにおいて可能な請求を把握することをおすすめします。
Authense法律事務所は施工不良への損害賠償請求などについて、豊富なサポート実績を有しています。
施工不良に対して損害賠償請求をしたいとお考えの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら
-
電話でご相談予約
-
メールでご相談予約
平日:10:00~最終受付18:00 /
土日祝:10:00~最終受付17:00
