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ロードレースに参加して
先日、ある地域で開催されたロードレースに参加してきました。
学生時代は長距離走が得意で、毎朝のように学校の周辺をランニングしたり、大会に出場したりといったこともあったのですが、社会人になってからは運動とはかけ離れた生活をしていて、体重コントロールという必要に迫られてマウンテンバイクをこぐくらい。
でも、今年、知人らが「ロードレースにエントリーしたよ。みんなで一緒に走ろうよ」と言っているのを聴いて、なんだか急に挑戦してみたくなり、今回エントリーしてみたのでした。
私にとっては初挑戦となる5キロのレース。
レースまでの1か月間、早朝仕事前に30分くらいランニングするという生活をしてきました。
そうして迎えたレース当日。
朝から大雨。
気温もかなり低い。
「残念だけど、雨の中走って風邪を引いてしまい、仕事に支障が出てしまったら大変だ」と思い、一度は欠場を決意。
でも、もしかしたら、レースが始まるころには雨が止むかもしれず、それなのに、早々に欠場を決断してしまったら後悔が残りそうだと思えました。
とりあえず会場まで行き、スタート時刻まで様子を見て、雨が止んだら走ろう。
そう思って、会場まで行きました。
雨はどんどんひどくなっていくようでした。
私のそばにいた知らない男性二人が、「今日はもう欠場にしましょうかね。こりゃ低体温になるかもしれない。止めた方がよさそうだ」などと話していました。
それを聴いて、もっともだと思いました。
帰ろうと思いながら、なんとなくぐずぐずしていました。
そんなとき、知人二人と会いました。
「三人で写真撮ろう!」と言われ、スタート地点付近で写真を撮りました。
その後、知人らに「雨もひどくなってきたから私は帰ろうかな」と言いました。
すると、知人らから「あんなにやる気満々な感じの写真を撮ったのに?あの写真仲間の中に出回るよ。そうなったとき、『あんな走る気満々の写真撮ったのに、走らなかったんだ』って思われるね」と言われました。
それもそうだと思いました。
もうこうなったら、やるしかないと追い込まれた気分になりました。
雨はどんどんひどくなってきて、スタートしたときには、もうどしゃぶりでした。
そんな中、私は、必死で走りました。
スタート直後から全身びしょ濡れ、シューズにも雨が入って重くなってくる中、ひたすら走り続けました。
このとき私を支えてくれたのは、この1か月間、私は、どんなに寒くても眠くても、早朝ベッドからはい出して、外に出て、30分みっちり走り続けてきたという思いでした。
「毎日ひたむきにがんばり続けた自分に応えたい」という思いが、足を一歩一歩前に運んでくれたような気がします。
1か月間の練習でいろいろな発見がありました。
朝日が昇って間もない時間帯の空気ってこんな色をしているんだ。
毎朝、犬の散歩をしていたり、ウォーキングしていたり、ランニングしていたり、荷物の配達のお仕事をしていたり、たくさんの方がそれぞれの生活をしているんだ。
30分走ると、冷え性の私の体が、内側からこんなにも温まるんだ。
走っているときに聴く音楽によって、たたき出すタイムにこんなにも差が出るんだ(ちなみに、ルパン三世のテーマが最強。ミスチル、back numberのような、つい一緒に歌ってしまう系はすぐに息があがって苦しくなってしまい、ルパンに2分以上の差をつけられる。ちなみに、ルパン三世は、証人尋問前にも最強)。
そういえば、この空気、高校時代に走っていたときに感じたあれと同じだな。
そんないろいろな感情を味わうことができました。
そうそう、大雨だったというのに、近くにお住いの方々が沿道で大きな声で応援してくれていたのはうれしかった。
全然知らない私に対して「がんばって!」「雨に負けるな!」なんて声をかけてくれるのです。
でも、沿道の方々のお声で一番うれしかったというか、一番走るパワーになったのは、「あと1キロだよ!」「あと500メートルくらい!もうゴールのすぐそばだよ!」というものでした。
私は、そのあたりに土地勘がなく、自分がいったい今どこらへんを走っているのか見当もつかないままに走っていたのです。
そんな中、ゴールまでの距離を教えてもらえたことで、くじけそうな気持ちを奮い立たせることができました。
寒さと疲れとでもうろうとする意識の中で走りながら思ったことがありました。
それは、「もしかして、お客様も同じ気持ちなのかもしれないな」ということ。
お客様にとって、人生で初めて直面する法的トラブル。
今、自分はいったい闘いのどこら辺の地点にいるのか、全く見当もつかない。
しんどい気持ちの中でも、「あなたは、今、このあたりにいます。現状は、こういう状況です。あと〇〇と〇〇が解決したら、もうすぐゴールです。ゴールまではどれくらいの時間がかかると思われますが、スタートして一番苦しいときは乗り越えてきました。あとちょっとです」という声かけがあったら、客観的に立っている位置は変わらないのだけど、先の見通しがつくことで、あと少し走り続ける力が湧いてくることもあるのかもしれない。
私にとっては、それは体感として当たり前のようにあるもの。
それを、意識的に、細やかに、その言葉がお客様にとってどのような意味をもつかをしっかり意識しながら都度お客様に共有するということが常にできていただろうか?
最後の500メートル、もうこのまま倒れるかもしれないと思いながら必死で駆け抜けました。
ゴールしてすぐにしたこと、それは、もうろうとした意識の中で得た気付きを忘れないように、スマートフォンのメモに「ゴールまでの距離をお客様に伝えることを意識」と打ち込んだことでした。
タイムは、31分31秒。
目標にしていた入賞も果たせず。
でも、本当にすがすがしかった。
客観的にはささいなことではあるけど、1年の締めくくりに挑戦しようと思えたこと、挑戦することから逃げなかったことで、自分への信頼がまた1個積みあがった出来事。
挑戦の過程で得たこともたくさんあった。
やり切ってよかったと思いました。
でも、勝負は勝負。
私は、「タイムは問題ではない。人との勝ち負けではない。走り切れたことに意味がある」などという捉え方はできない性分。
来年のレースまでまだ1年ある。
リベンジ必至。
これから1年間走りこんで、次こそは上位入賞を果たすことを誓います。
そして、何より、今日から、お客様にゴールとの距離を細やかに示すことを意識的に実践していきたいと思っています。
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