リーガルエッセイ

公開 2022.07.11 更新 2022.07.15

安倍元首相の銃殺事件について

安倍元首相の銃殺事件について
記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。

安倍元首相 銃撃事件について

とても衝撃的なニュースでした。
ここで、私自身の政治的な意見を繰り広げるつもりはありませんが、やはり、安倍元首相というと、日本が未曽有の感染症流行に混乱に陥った当時、連日、国民への説明等に追われていたお姿が私の中では印象に残っています。
人一倍不安を感じやすい私は、毎日、コロナ情勢がどうなっているのだろうとすがるような思いでテレビの中の安倍元首相の言葉を聞いていました。

被疑者は、すでに殺人未遂罪で逮捕されました。
安倍元首相がお亡くなりになったので、殺人罪で検察庁に送致され、同罪で勾留請求、その後起訴されることになるでしょう。
また、事実関係は報道されている限りでしか知りませんが、被疑者が、不特定多数の人が利用する場所で拳銃等を発射したのであれば、銃刀法違反にも当たりますし、許可なく銃砲を製造したと言えれば、武器等製造法違反にも当たり得ます。

また、被疑者の動機に関する捜査も重要になるといえるでしょう。
通常、どんな犯罪においても、「なぜそのような犯行に及んだのか」という点は重要な捜査事項となります。

もちろん、犯行に至る経緯を明らかにするという意味がありますが、同時に、その犯行に至る経緯に関する説明が了解可能なものか、という点を明らかにするという意味もあります。

言うまでもなく、それは、犯行を正当化できるような事情があるか、という意味ではありません。
被疑者の供述する犯行動機が、了解困難なものである場合、刑事責任能力に疑いが生じる可能性があるということです。
取調べの中で、その疑いが生じる事情が浮かび上がれば、起訴前鑑定が行われる可能性もあります。

そのほかにも気になることがあります。

SNS上での様々な情報の拡散です。
私も実は今回の一報をたまたま流れてきたSNS上の投稿で知りました。
その後も、憶測なども含むいろいろな投稿、それに対するコメントなどであふれているようです。
衝撃的な出来事ですから、多くの人が関心を寄せ、SNS上の情報を目にする機会があります。
そんなときだからこそなのか、過激なコメント、憶測を確信をもって事実のように伝えるコメント、投稿に対し、かなり辛辣な言葉で批判するコメントなども散見されるように思います。

発言の自由、それに対し発言することも自由。
それらの発言を見てどう感じるかも自由。
そのように自由に発言を戦わせることで得られるものもあるでしょう。

ただ、公然と人を侮辱したら侮辱罪に該当します。
つい先日、侮辱罪の法定刑厳罰化がスタートしました。
これによって、侮辱罪での逮捕のハードルも下がりましたし、公訴時効も長くなり、今後、より積極的な立件が予想されます。

正しく事実関係を認識する姿勢に徹しながら、今後の捜査に注目したいと思います。

弁護士ドットコムニュース 取材記事掲載のおしらせ

弁護士ドットコムニュースにて、「手製銃」が法的にはどんな位置付けなのかについて解説しました。ぜひこちらも合わせてご覧ください。

安倍元首相襲撃で使用された「手製銃」、法的にはどう規制されている?

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