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人権デューディリジェンスの実施
先日、企業による人権への取り組みの全体像は、3つの枠組みから構成されていて、
- 1つ目が、方針によるコミットメント。
- 2つ目が、人権デューディリジェンスの実施。
- 3つ目が、救済措置。
であること、1つ目の「方針によるコミットメント」に関する具体的な取り組みかたについてお話ししました。
今回は、2つ目の「人権デューディリジェンスの実施」を取り上げます。
「人権デューディリジェンスの実施」をもう少し具体的な項目にわけると
- ❶人権への影響評価
- ❷負の影響に対する予防、是正措置の実施
- ❸モニタリングの実施
- ❹外部への情報公開
となります。
(1)❶人権への影響評価
人権への影響評価というのは、企業が、自社の事業を通じて引き起こされるかもしれない人権への負の影響を特定し、そのインパクトや重要度を分析、評価することです。
具体的には、まず、自社の事業には、どのような人権侵害が起き得るのかを把握した上で、各リスクの重要度を、人権侵害の深刻さ、影響が生じる可能性の観点から評価することになります。
では、どのようにして人権侵害リスクの特定、重要度の分析をしていくのかというと、たとえば、自社従業員、マネジメントへのヒアリング、取引先等へのヒアリングやアンケート実施、関連する社内書類のレビュー、デスクトップリサーチ等が挙げられます。
(2)❷負の影響に対する予防、是正措置の実施
負の影響に対する予防、是正措置の実施というのは、❶の調査結果を踏まえて適切な対応をとるということです。
たとえば、自社の人権侵害リスクが管理職による部下に対するパワーハラスメントとして現れるリスクがあると評価された場合、その予防のため、管理職対象に、社外専門家による研修を実施したり、全社員に対し、パワーハラスメント被害の不安があった場合の対応等を周知したりするなどの方法が考えられるでしょう。
(3)❸モニタリングの実施
モニタリングの実施というのは、❷でとった予防、是正措置が機能しているか、定期的にチェックするということです。
たとえば、定期的にタイムカードの記録をチェックして従業員の労働時間に法令違反等がないかを確認したり、設けた通報窓口への相談、通報状況とその対応状況を確認したり、定期的に従業員アンケートを実施し、人権侵害リスクが低減等しているかをチェックしたり、労働組合との意見交換を行ったり、などという方法が考えられます。
(4)❹外部への情報公開
外部への情報公開というのは、❶から❸の取り組みを外部に適切に情報公開するということです。
情報公開により対外的に説明することが、自社のステークホルダーに対する責任を果たすことにつながります。
情報公開は、自社ウェブサイトへの掲載による方法以外に、別途レポートを発行したり、統合報告書内で項目を設けて人権への取り組みを報告することもあり得ます。
やはり、出発点として何より重要なのは❶で自社の人権侵害リスクがどこに存在するのか、それぞれの重要度がどのようなものであるのかを正しく認識することです。
自社内での議論だけでは見えにくいこともありますので、社外役員と議論する中で客観的な評価をすることも有用です。
社外役員がおらず、自社内のみでの検討結果につき公表前に外の目を使って評価したいという場合は、お気軽に弁護士にご相談ください。
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