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重要指名手配被疑者とは
先日、大分県内の交差点で大学生が車にはねられて死亡した「ひき逃げ」事件に関し、その事件の被疑者とされている男性が警察庁により重要指名手配被疑者として指定された旨報じられました。
「指名手配」という言葉自体はニュースでよく聞く身近なものだと思います。
でも、今回の報道で目を引くのは、「ひき逃げの被疑者が重要指名手配被疑者として指定されるのは初」という点。
今回は、この重要指名手配について取り上げてみたいと思います。
まず、指名手配とはなにか。
警察官が犯罪捜査を行うにあたって守るべき心構えや捜査の方法、手続きなどを定めている犯罪捜査規範には、「逮捕状の発せられている被疑者の逮捕を依頼し、逮捕後身柄の引き渡しを要求する手配を、指名手配とする」と定められています。
つまり、「この被疑者には逮捕状が出てますよ。だから、全国の捜査機関は、この被疑者を見つけ次第逮捕し、身柄の引き渡しをしてくださいね」というのが指名手配です。
そして、警察庁が、凶悪犯罪または広域犯罪の指名手配被疑者のうち、全国警察を挙げて捜査をする必要性の高い者を、指名手配被疑者捜査強化月間に併せて「警察庁指定重要指名手配被疑者」として指定しているのです。
「指名手配被疑者捜査強化月間」というのは、文字通り、ある期間、指名手配被疑者の捜査を強化するというものです。
毎年11月がこの指名手配被疑者捜査強化月間となっています。
ここで冒頭に挙げた点の話になります。
この重要指名手配被疑者として指定されている人は、警察庁のHPで公表されています。
今、重要指名手配被疑者として指定されている人は、計14名。
このたび指定された被疑者以外の罪名を見ると、殺人(未遂を含む)、強盗致傷、爆発物取締罰則違反のいずれか。
一方、ひき逃げは、罪名としては、道路交通法違反となるため、たしかに、他に重要指名手配被疑者として指定されている件と比較すると、違和感があるという捉え方もあるでしょう。
でも、報道によれば、このたびのひき逃げにより、人の命が奪われており、しかも、事件前に、被疑者が被害者を呼び止めて言いがかりをつけている様子が目撃され、その後、被疑者の車両が被害者に対し、時速100キロを超えるスピードでブレーキをかけずに衝突した可能性があるとのこと。
もし、これら事実が認められるのであれば、このような経緯に鑑みたとき、車両の衝突が過失によるものでなく、故意に基づくもので、殺人の実行行為と評価する余地もあり得るはず。
殺人事件である可能性も視野に入れ、極めて凶悪な犯罪として、重要指名手配被疑者として指定されたものと考えられます。
指名手配のポスターは、常に貼られているために、ついつい風景と化してしまい、わざわざ注目することってあまりないように思います。
また、ポスターの写真自体は目に入っていても、通常1枚の写真のみが貼られているため、その表情の印象で固定されてしまい、年数の経過、表情の違いなどによっては同一人として認識できないこともあるはず。
指名手配強化月間を控え、改めて、一人一人がポスターや警察庁のHPに注目することで捜査が動く可能性もあるかもしれません。
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