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「頂き女子」逮捕報道
最近流行りの言葉はそれなりに抑えているつもりなのですが、「頂き女子」という言葉は今回の報道で初めて知りました。
先日、SNS上でいわゆる「パパ活」女性に対し、いかにして男性から金銭を得るかという手段をまとめた「頂き女子の参考書」などというタイトルのマニュアルを販売し、女性が、男性二人から約1065万円をだまし取る手助けをしたとして、「頂き女子りりちゃん」と称する女性を詐欺ほう助罪で逮捕、起訴したと報じられました。
また、この女性自身も、マッチングアプリで知り合った男性に好意を抱かせて、「アパレル会社を起業するために知人から借金をしている。返さなければ風俗店で働く必要があり、同棲もできない」などと嘘を言って、2700万円を送金させてだまし取った詐欺の被疑事実で再逮捕されたとも報じられています。
事実関係はまだわかりません。
でも、仮に、うそを言ってお金をだましとっていたことが事実であれば、それは、詐欺罪に該当します。
それを指南するマニュアルを販売していたら、それ自体は詐欺罪のほう助罪に該当します。
こうして、「うそをついてお金をだましとる」と聞けば、多くの人は、「それは詐欺罪だろう」と思うはず。
でも、このマニュアルを買った人が1000人以上にのぼるというのが事実であれば、その購入者たちは、他人にうそをついて金をだましとるというシンプルな事実関係に、「頂く」という言葉が使われたり、相手の恋愛感情に乗じてだましが行われたりすることで、犯罪のにおいが薄れるように感じ、または、犯罪のにおいが薄れたように思いこもうとしていたのではないかと思います。
私は、このマニュアルの中身を読んでいないので、その中身について断定的なことを言えませんが、マニュアルに、いかにして、うそを信じ込ませるために話をするか、という点が詳細に書かれているのであれば、それは犯罪実践マニュアルといえ、購入者が、マニュアルをもとに実行に及んだ場合、自分も共犯者になるのだというのは当然のこと。
そんな単純な話なのに、堂々とマニュアルが販売されていたという事実に驚かされます。
また、もうひとつ考えるべきは、このようにして集めた巨額のお金が遊興費に使われたらしいということ。
ホストクラブで使われたのではないかなどと報じるものもありました。
今後の捜査の中で、「だましとったというお金がどのようにして使われたのか」という点も重要になります。
もちろん、特定の男性に貢ぐためにお金が使われていたことが明らかになれば、その男性が、女性の詐欺に関わっていたのか、自ら関わっていなかったとしても、事情を知っていたのかなどという点を明らかにしていく必要があるでしょう。
このような犯罪の被害者のかたは、警察に被害申告をすることができない場合も多いです。
相手に恋愛感情を抱いてしまい、そこにつけ込まれて被害に遭ったということに対する羞恥心や、家庭や職場など社会的立場に発覚する不安などが被害申告を躊躇わせている可能性があります。
今回の報道を踏まえ、これまではだまされたのが自分だけかと思っていたけれどたくさんの被害者がいると知って「実は自分もだまされた」と名乗り出る人が今後出てくるかもしれず、被害件数は相当な数にのぼるかもしれません。
SNS投稿を目にする機会が多い子どもが興味をもつことも。
このような報道を「まさか、こんなマニュアルが出回るなんて」で終わらせず、家庭でも話題にすることで、子どもの身近に横たわる犯罪リスクを伝えることもよいかもしれません。
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