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「立ちんぼ」逮捕報道
先日、新宿区の大久保公園の周辺で客待ちをする、いわゆる「立ちんぼ」と言われる女性計35人が逮捕されたと報じられました。
被疑事実は売春防止法違反であると報じられています。
この報道を目にしたとき「売春をしたということで逮捕されることはないと聞いたことがあるけど」と思われた方がいるかもしれません。
たしかに、売春防止法は、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」を売春と定義づけた上で、「何人も、売春をし、又はその相手方となってはならない。」と定めて売春を禁止していますが、これに違反した場合の罰則を定めているわけではありません。
ですから、今回も、売春をしたこと自体を被疑事実とした逮捕ではないのです。
売春防止法では、売春をする目的で、公衆の目に触れるような方法で勧誘したり、公衆の目に触れるような方法で客待ちをして誘引したりした場合には、6か月以下の懲役又は1万円以下の罰金に処すると定めています。
今回は、売春をする目的で、客待ちによる誘引をした場合に該当するとして逮捕されたものと考えられます。
この点、「たまたまその場所に立っていただけであって、売春をする目的で客待ちをしていたわけではない」という弁解がされるケースもあるかもしれません。
ただ、ここは想像になりますが、そういった弁解がされることも想定し、これまでにも繰り返し、その場に立ち、話しかけてきた男性とともにホテルに行った行動であったり、その日も、客待ちをしていたところに話しかけてきた男性とともにホテルに入ったという行動であったりを確認し、証拠上明確にした上で逮捕に至っているはずです。
たしかに、こういった摘発がされることによって、それが見せしめとなり、一時的には、その場で売春目的の客待ちをする人が減る可能性もあります。
SNS上でも、新宿区大久保公園付近だという場所の周辺に多くの女性が一定の間隔で立ち、その女性らの前を、男性らが、まるで品定めするかのようにじろじろ見ながらゆっくり歩き、女性に話しかけたりする様子を見たことがありました。
はっきりとわかりませんでしたが、一見して幼さの残る中高生にも見える女性らがスマホをいじりながら一定間隔で立っている様子を見て、その身に降りかかるリスクを考えたとき、言いようのない思いにおそわれます。
逮捕された女性らが、何のためにお金を必要としていたかについて、ホストやメンズ地下アイドルなど、「推す」相手にお金をつぎ込むためであったと説明している女性もいると報じられています。
特定の人の歓心を買うために売春行為に及ぶという実態があるのだとしたら、表面的に、売春の客待ち行為を摘発することのみで解決する問題でないことは明確です。
売春相手を探す手段は、客待ちでなくとも、SNS上でいくらでも見つかるはず。
不特定の人と会って、売春行為に及ぶことにどんなリスクがあるのか。
自分がそのリスクをおかしてまで得たいと思っている特定の人からの歓心というものに、どのような価値があるのか。
そのようなことが伝わらないままに対策を講じても、その対策は意味をもたないはずです。
子どもが、自分の存在以上に価値のあるものはないのだと思えるために、今後、判断に迷うことがあったときにも、必ず、自分を大事にする選択肢を採用することができるために、わが子を始めとする子どもたちと向き合うことが何より必要だと考えています。
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