リーガルエッセイ

公開 2023.10.18

刑事ドラマの鉄板ネタ②

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記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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刑事ドラマの鉄板ネタ②

先日、刑事ドラマの鉄板ネタを2つご紹介しました。

今回は、3つ目、と思ったのですが、その前に、小ネタをいくつか。

鉄板小ネタの1つ目が、仲間に嫌疑がかけられて逮捕されるの法則。
逮捕される仲間というのは、法律事務所であれば、同じ事務所に所属するスタッフ、警察署であれば、同じ部署で働く警察官、探偵事務所であれば助手。
共通点は2つ。
逮捕されるのは、ちょっと抜けたところのあるキャラであるということと、最終的には必ず嫌疑が晴れ、真犯人が捕まり、終わりの音楽が鳴り出すあたりで、主人公と嫌疑をかけられたキャラとの間で「おれのこと、一瞬でも疑いましたよね?」「ふだんの行いが悪いからだよ」などというトークが繰り広げられ、その場が笑いに包まれるということ。

鉄板小ネタの2つ目が、尾行は失敗するの法則。
たとえば、怪しい危険人物を、主人公側の人間が見つけるのですが、たいてい、そのタイミングって、仲間と離れ、単独行動をしているときなんです。
単独行動をしている人が、危険人物を見つけ、すぐさま、主人公に「奴を見つけました!」などという電話をかけます。
この電話で、主人公が「お前、無理するなよ。おれが到着するまで待てよ」と言い、尾行している人が「大丈夫です!」と言ったら、そこでピンとくる必要があります。
必ず、直後に危険なことが起きます。
まず、電話に気を取られていたために、尾行対象者を見失ったことに気付きます。
慌てて周囲を見回すと、いつのまにか、目の前に、尾行対象者であった危険人物が現れ「だれさがしてんの?」などと言ってにやりと笑うのです。
その後は、そのままその危険人物にとらわれ、どこからもってきたのかわからないロープなどで手を縛られた状態で、倉庫のような場所で主人公の到着を待つことになります。

鉄板小ネタの3つ目が、朝、最悪な形で出会った超失礼な奴との最強バディ爆誕の法則。
かつてのトレンディドラマで最終的に結ばれる2人の出会い方といえばこれだったと思いますが、これが刑事ドラマにおける弁護士と弁護士秘書、警察官とその相棒、探偵とその助手などの出会いの場面にも及んでいます。
朝、道でぶつかるなどして、小競り合いとなり、「なんて失礼な奴だ!」とぷりぷりしながら職場に行ったら、仲間たちが「今日から、新人くるらしいよ」などとうわさしており、直後、「おはようございます!今日からお世話になります〇〇で…あーー!今朝の失礼な奴!」と指さして大騒ぎになるアレです。

なお、ここで披露している鉄板ネタは基本的に実際には起きません。
でも、この小ネタ3に限っては、私自身の実体験による裏付けがあります。
検事になることが決まったもののまだ赴任地が決まっていないという時期に、法曹関係者の先輩方と集う会のようなものが開かれ、そこに出席したのです。
私は、お酒を飲むと、すぐに酔っぱらってしまうタイプなのですが、その日も、近いうちに検事としてデビューするという高揚感もあり、お酒をハイペースで飲んだためにかなり酔った状況に。
その会に出席していらした先輩方に次々に絡んで大騒ぎしていたのですが、その中に、何かと私が言うことにツッコミを入れてきたり、私の幼稚さを執ようにからかってきたりする男性がいたのです。
私は、なんだかカチンときてしまって、お酒の勢いもあり、その男性に「私、先輩とは全く相いれないものを感じます。先輩に言われたことは、ひとつひとつ、とても不快だし、全然おもしろいとも思いません。先輩は、私にとって苦手極まりないタイプですし、今後もご一緒したいと思いません」という趣旨のことを言い放ちました。
その数週間後、新任検事として大阪地検に赴任することが決まり、配属先に行って、驚きのあまり腰を抜かしそうになりました。
私が配属することとなった公判部の第2検察官室に、私が大層失礼なことを言い放った先輩が直属の上司としていらっしゃり、「君の赴任を心待ちにしていたよ」とにっこり笑いかけてきたからです。
その後の1年間、それはそれは厳しくご指導いただきましたが、私は身をもって、あの刑事ドラマの鉄板小ネタパターン3は、ときに上司と部下などという形となって現に発生する実例なのだと実感することになりました。

などと小ネタを披露していたら、また少し長くなってきましたので、鉄板ネタの3つ目はまた後日。

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