リーガルエッセイ
公開 2024.11.25

子どもが「いじめ」にあった場合の対応方法について

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記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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「いじめ被害を警察に相談しても取り合ってもらえない」をどう考えるか

お子さんが、通学する学校でいじめの被害にあっていることが分かったとき、いろいろな対応があり得ると思います。

「いじめ」といってもその被害の実態はいろいろですから、すべてに共通する最適な対応などというものが存在するわけではないと思っています。

でも、共通するのは、親の立場で感じる「絶対に許せない」という強い思い。
中途半端な対応をすることなんて絶対に許せない。
いじめの加害児童側にとってもっともダメージの大きい、二度とわが子をいじめるなんてことが起きないようなもっとも強い対応をとらなければ、と思いますよね。
私なら間違いなくそう思います。

そうなったとき、真っ先に頭に浮かぶのが警察です。
学校による指導とか損害賠償請求とかそんなのじゃ全然生ぬるい。
身柄拘束してもらい、厳しい取調べを受けさせ、厳罰に処すなど、徹底的に制裁を加えるべきだという発想になるのはとても自然だと思うのです。

こんなにもわが子が傷ついているのだから、きっと警察も動いてくれるはずだ、という思いで警察署に駆け込んだのに、思ったような対応をしてもらえない、という事態に直面したかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合どうしたらいいか、ということをお話してみたいと思います。

まず、警察に、警察が対応できない「理由」を確認してみるとよいでしょう。

仮に、その理由が、「証拠が足りないからである」という説明であるなら、どの部分に関する証拠が不足しているのか、具体的に確認してみるのです。
そのうえで、弁護士に相談してみることをお勧めします。
そもそも、本当にそのような証拠が必要になるのか、仮に必要なのだとしたら、どのようにその証拠を収集できるかということを相談するのがよいでしょう。

仮に、警察が対応できない理由が「学校内でのいじめに警察は介入できない」という説明であるなら、それは理由になっていないといえます。
「いじめの防止等のための基本的な方針」には、いじめの中でも犯罪行為として早期に警察に相談することが重要なものや、子どもの生命、身体または財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものの場合、警察と連携した対応を取ることが必要であると明記されているからです。

ただ、ちょっと考えてみたほうがよいこともあります。
それは、ケースによっては、警察に対応してもらうことが、必ずしも事態の改善につながるとはいえないかもしれないということ。

相手が未成年である場合は、仮に警察が事実関係を調べるということになったとして、結果下される処分については、本人の健全な育成を目指すという観点が重要になり、必ずしも成人の場合と同じように厳しい処分に結びつかない可能性があります。

たしかに、警察が関与するとなると、相手に与えるインパクトも強そう。
でも、「そもそも一番目指したいものってなんだっけ」というところに戻ってきたとき、それは、子どもが、毎日、安心して、笑顔で過ごすことができることなのかなと思うのです。
そうすると、考えるべきは、そのために一番よい方法であって、それが警察による対応なのではなくて、学校と話し合いを重ねることで効果的な再発防止策を講じ、実行していくことだったり、弁護士を通じて、加害児童の保護者と話し合いを重ね、二度とこのようなことがないように保護者に監督を約束させたり、親子でしっかり話し合いをさせたりすることだったりするのであれば、それらを行うことが先決なのだと思います。

お子さんが悲しい思いをしたことについて根本解決のためには、警察に対応を求めたほうがよいのか、それ以外に、よりよい選択肢があるのか、という点は、なかなか難しい判断になるかもしれません。
お気軽に弁護士にご相談ください。
お子さんのお話もうかがいながら、お子さんの気持ちが少しでも癒され、笑顔を取り戻すことができるための方法を一緒に考えたいと思います。

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