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自首について
先日、26年前に発生した殺人事件について、被疑者が逮捕されたと報じられました。
その際、その報道を取り上げたSNSの投稿などに、「26年を経て被疑者が自首」などというものが複数見受けられました。
また、弁護士として相談を受けるにあたっても、「自首しようと思うが、弁護人になってほしい」などというお問い合わせをいただくこともあります。
「自首」という言葉は、刑事ドラマなどで聞き慣れた言葉であるとは思いますが、法的に必ずしも正しくない使われ方をしている場合もあるなと思います。
そこで、どのような場合に自首が成立するのか、ということについて、過去の記事も振り返りながら取り上げてみたいと思います。
自首とは何なのかということについては、以前こちらの記事で取り上げてみました。
自首とは、「犯人が捜査機関に対して自発的に自己の犯罪事実を申告し、その訴追を含む処分を求めること」。
そしてその申告等は、犯罪事実が捜査機関に発覚する前になされる必要があるのです。
犯罪は起きたこと自体は発覚していても、犯人がだれか特定されていないという場合もその条件を満たします。
このたび報じられている件について、どのような経緯で被疑者が警察署に出頭するに至ったのかという事実関係は正確にはわかりません。
仮に、すでに捜査機関が長期に渡る捜査の過程で被疑者を犯人として特定し、被疑者の取調べ等行っていたという事実があれば、被疑者は、捜査機関に発覚する前に出頭したとはいえず、自首は成立しないと評価され得るものと思います。
このたびの報道とは離れますが、法律では、自首が成立すると評価された場合、その刑を減軽することができると定められています。
ですので、法的に自首が成立したと評価された場合でも、裁判官が、その刑を減軽しないという判断をする場合があり、過去の裁判例でも、裁判官が、被告人について自首が成立すると評価しつつ、他の情状等に照らして刑の減軽をしないと判断したものがあります。
逆に、法的には自首の成立要件を満たさないために自首が成立していないといえる場合でも、自ら出頭に至った経緯が情状として考慮され、刑の減軽につながることも。
いずれにしても、いかなる事情があって被疑者が出頭するに至ったかという点について証拠に基づき事実を明確にすることは、量刑にあたってとても重要な要素になり得るのです。
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