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取調べの準立ち会いとは
先日、弁護士の間に、取調べの準立ち会いの動きが広がっているとの報道を見つけました。
弁護士の間で広がっているという「準立ち会い」という言葉を聴いたことがなかったので、あわてて記事を読んだところ、その記事では、刑事事件の取調べで、弁護士が取調室の外で待機し、被疑者が必要としたときに、被疑者と話し、助言等することを指しているようです。
準立ち会いという言葉こそ使いませんが、私もそれをすることがあります。
私は、在宅事件の被疑者の立場にある方の依頼を受けて私選弁護人になることがあります。ご依頼をいただくタイミングとして多いのが、1週間後とか2週間後とかに警察に取調べがあるとして呼ばれているというとき。
「初めての取調べ、何か気を付けなければいけないことはありますか?」などというご不安を口にされる方が多いように思います。
それに対し、事前に、取調べに臨むにあたって気を付けたほうがよいと思われることをお伝えすることもできます。
一般論だけでなく、具体的な事案に応じ、どういうことを質問される可能性があるか、とか、ご相談者と話す中でうかがわれるちょっとした傾向に関する指摘をお伝えしておくとか。
たとえば、ご相談者の中には、ご自身は、本当はAと記憶しているのに、こちらが、「Bという可能性はありますか?」と質問すると、全然そういう可能性はないと考えているのに、話を合わせないといけないという気持ちになってしまい、「Bかもしれない」と言ってしまうという傾向をお伝えし、それが取調べにおいてときとして悪い影響を及ぼす可能性があることを注意することも。
こうした事前のやり取りはそれはそれとして有益だと思います。
ただ、どんなに事前に疑問点を解消したつもりでも、取調べでは、思ってもみない方向から質問されたり、それに対して、どう答えてよいか表現に困ってしまったり、自分の言い分がちゃんと取調官に伝わっていないという不安になったり、調書に録取された言葉が、自分が供述した内容と微妙にニュアンスが違っているように思われ、それに対してどのように対処していいかわからなくなったり、などということは起き得るもの。
そんなときに、自分ひとりで判断してその場を切り抜けるということは大きな不安を伴うと思います。
録取される供述調書が、自身の処分や刑事責任に与える影響の大きさを考えても、発する言葉、録取する内容のひとつひとつについて、慎重な対応が必要になります。
ですから、私は、必要に応じ、自分が弁護人となった依頼者の方が警察署、検察庁で取調べを受けるときは、事前にその時間帯を空けておき、依頼者の方には、取調べ中、いつでも取調べを中断して取調室を出て、私に電話をしてくるように伝えることがあります。
そして、その都度、状況を確認し、必要なアドバイスをするのです。
ときには、2時間程度の取調べで5,6回電話があり、その都度アドバイスをすることも。
そうすることで、弁護人が、その場にいて取調べをチェックすることはできないものの、依頼者の方からは、自信をもって自分の記憶、認識に従って供述してくることができると言っていただけています。
もちろん、このためには、事前に、弁護人と依頼者の方が綿密な打ち合わせをすることで、依頼者の方において、取調べでどんなことに注意しなければならないかということをしっかりインストールしておくことが必須です。
それは、取調べ中「ん?このまま答えていいのかな?弁護士に一応確認した方がよさそうかな?」ということへのアラートがちゃんと発動するために大事なこと。
取調べのため、警察、検察庁に呼ばれているものの、きちんと自分の記憶や認識に従って話せるかご不安があるなどという場合は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
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