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ごみの中から現金
先日、神戸市のリサイクルセンターにおけるごみの分別作業中、現金1,580,000円が見つかったと報じられました。
センターは、すぐに警察署に拾得届を出し、このたび、警察署が公表したとのこと。
ごみの分別を担うセンターで多額の現金が発見されるというニュース、たびたび目にします。
「発見された」というニュースは見ても、その後どうなったかって報道で見る機会ありませんよね。
法律ではどうなっているか、というルールについてお話ししてみたいと思います。
関係してくる法律は、民法と遺失物法です。
これらの法律によると、次のようにいえます。
もし、3か月間の間に、現金の持ち主が見つかったら?
その持ち主は、遺失物を届け出た人に対し、5%から20%に相当する額の報労金を支払う必要があります。
今回の場合だと、79,000円から316,000円の報労金。
報労金は、落とした物を返してもらってから1か月が経過してしまうと請求することができなくなってしまいます。
この報労金。
5%から20%となると、落とした物の価値、金額によっては、かなり高額になりますよね。
すでに、もうなくなったものと諦めていたのに届け出てくれたことがわかったとき、感謝の気持ちはありながらも、徐々にその気持ちも薄れ、報労金を支払うことが惜しくなるなんてことももしかしたらあるのかもしれない。
日々が忙しくて、ついつい先延ばしにしてしまうということもあるかもしれない。
過去には、430,000円が入った財布を拾ったが謝礼がないとして報労金の支払いを求めて訴訟提起したという事例が報じられたことも。
報労金の支払やその額を巡りトラブルになることもあるのです。
では、もし、3か月間の間に、現金の持ち主が見つからなかったら?
届け出た人が現金をもらうことができます。
ごみ集積所のようなところで、その分別作業中に従業員の方が発見したという場合には、その集積所の施設占有者がだれであるかによるはず。
市の施設なのだとすれば、市がその現金を取得することができるといえるでしょう。
そもそも、見つけた現金を警察署に届け出ず、自分のポケットに入れてしまい、自分の物にしてしまったとしたら?
その場合は、遺失物横領罪という犯罪が成立する可能性があります。
1年以上の拘禁刑又は10万円以下の罰金もしくは科料。
でも、「犯罪になるから注意」ではないと思うのです。
それをなくしたことに気付いて、もしかしたら今ごろ必死に警察署に問い合わせをしたり、その日行った場所を見て回ったりしているかもしれない人のことを、長い時間をかけて大切に大切に貯めてきた大事なお金をなくしたことで絶望しているかもしれない人のことを少し想像してみるととるべき行動は見えてくるのだと思うし、また、もしかしたら、その日とても急ぎの大事な用事があったかもしれないのに、大事な物を落として困っているであろう人のために時間を割いて警察署に落とし物を届け出てくれた人のことを少し想像してみると、その人に対してとるべき行動も見えてくるのだろうと思っています。
報じられた件とは少し離れてしまいましたが、だれもが、落とし物を拾う側にも、落としてしまう側にもなり得ることを考えると、ルールの存在と自分がとるべき行動について考えてみることは大事なのではないかと思います。
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