リーガルエッセイ
公開 2026.01.16

ニュースとの距離の取り方について

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記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
<メディア関係者の方>取材等に関するお問い合わせはこちら

ニュースとの距離の取り方

私は、昔から、事件報道を目にしたとき、その状況を細かく、リアルに頭に思い描いてしまう傾向があります。

もちろん、それは、私が勝手に視聴者として思い描いてしまう映像であって、実際に起きた事実とはかけはなれているのだと思っています。

だから、本当に勝手な想像だということは承知ではあるのですが、当事者のかたやその周囲にいらっしゃるかたの思いなどが、そのかたの表情に至るまで勝手に頭に浮かんでしまい、息ができなくなることがしばしばあります。

そして、最近、特に、そのようないたましい事件報道を見た際の苦しさが強くなってきており、ときに、耐えがたい苦痛を感じることが多くなってきたのを感じています。

私自身が年を重ね、同じ物事に直面しても、感じ方が変わってきているという影響もあるのかもしれません。

いろいろな経験をする中で、つい自身と重ね合わせてしまうところも多くなってきたのかもしれません。

また、最近は、意図せずして、SNSなどを通じて、生々しい映像が目に飛び込んできて、リアルな映像を思いがけず見てしまうということもあります。

映像だけからは真偽はわからないし、その背景だって何もわからない。

でも、その映像は、自分で勝手に想像してしまっていた映像よりも、いっそう生々しく、いつまでも頭の中により鮮明にこびりついてしまうのです。

夢に出てきてしまうことも多く、夢の中では、映像の中に自分が当事者として存在していたり、自分にとって大事な人たちが存在していたりして、叫びながら飛び起きてしまうことも。

そのような中で、ニュースを見ることが恐ろしくなってしまって、目を背けがちになっているように思います。

弁護士として、社会で起きる出来事を直視することは欠かせないと思っています。

でも、それによって自分の心や体が壊れてしまっては大事な仕事と向き合うこともできません。

いろいろな情報が意図せず飛び込んでくるように感じられる中、目にする情報を選択すること自体とても難しく感じますが、それでもやはり、自分のために、その選択をできる仕組みを作っていきたいな、などと思っています。

ご自身のお子さんがいじめ被害に遭っているとき。

そして、それが理由で学校に行けずにいるとき。

「いじめ」「重大事態」「調査委員会」「不登校」そんなワードがいろいろなところから聞こえてきませんか?
もちろん、今のタイミングだからこそ、同じように苦しんでいるかたの存在を知ったり、そこで起きていることから知識を得たりという形で積極的に情報を得るというやり方もあり得ると思います。

でも、そのような気持ちになれず、「頼むから静かにしていてほしい」「これ以上そのことで頭を埋め尽くさないでほしい」という気持ちになってしまうかたもいらっしゃるはず。

そんなときは、そっと報道やSNSと距離を取ってみるのもよいかもしれません。

ネットの情報を見たり報道を見たりしている中で、抱えなくてもいいしんどさがのしかかってくるくらいなら、そっと目をつぶってみるのもよいかもしれません。

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