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ホワイトハラスメント問題
先日、「ホワイトハラスメント」という言葉を知りました。
ご存じですか?
どうやら、会社の上司などが、部下や後輩に対して過剰な配慮をすることで、結果として、部下らのやる気を削いでしまったり、精神的負担を負わせてしまったりする行為を指すとのこと。
そのような「ホワイトハラスメント」について、管理職のかたの中には、「パワハラがだめだというから、こっちは一生懸命配慮しているのに、その行き過ぎはホワイトハラスメントだなんて。いったいどうしろというのか?」という反応を示す方もいるとのこと。
たとえば、部下が失敗することで落ち込み、自信をなくしてしまうという事態を防ごうと、難しい業務は先回りして自分がすべてやり、部下には簡単なことばかりをやらせる、という行為があったとします。
これは、ホワイトハラスメントといえそうですね。
でも、私は、これがホワイトハラスメントに該当するかどうかという評価自体にあまり意味がないように思います。
そもそも、ホワイトハラスメントは、法律で定められたものでもない。
「私がしたことは、ホワイトハラスメントなんでしょうか?」と問われても、私には、「それがホワイトハラスメントかどうか評価すること自体に意味がないと思う」としか答えられないように思うのです。
私が大事だと思うのは、それがハラスメントかどうかではなくて、部下が上司との関係性の中で働く意欲を削がれてしまったのだとしたら、どこに問題があって、どうしたらよかったのかなということ。
「過剰な配慮」というけど、ここで上司がしたことって、そもそも「配慮」なのだろうか?
配慮って、相手の状況や気持ちを考え、負担がかからないようにすること、というような意味なのだと思います。
上司は、相手の立場や気持ちを考えたのか?
考えたのかもしれないけど、それはあくまでも上司が思う相手の状況や気持ちであって、「部下の〇〇さんはこういう状況だろう。こう思っているだろう」というのは、上司の想像に過ぎないはず。
それが、部下の〇〇さんの置かれた状況や気持ちと実は全然違うということもあるはず。
部下の〇〇さんは、だれよりも早く成長したくて、そのために、今の自分の実力では少し背伸びしなければいけないような難しい案件にもチャレンジしていきたい、それに伴い失敗することがあっても、失敗から学びながら成長していきたいと思っているかもしれないわけです。
担当している案件もそれほど多いわけではなく、まだまだがんばれるという状況。
上司は、そんな部下の〇〇さんの状況や気持ちを知るために、部下の〇〇さんと話をしたり、周囲から〇〇さんの状況を聴いたりしていたのだろうか。
話などをしないままに、「普通、新人ってものは、難しい業務はやりたがらず、そこで失敗したらやる気を失ってしまうから、先輩に引き取ってほしいと思っているもんだ」と思い込んだうえで対応していたとしたら、それって、「こうするのが本人のためなんだ」として部下に過剰に業務を負担させたり、長時間にわたり執拗に人格否定にもつながるような非難をし続けたりするパワハラ行為とどこか似ているところがあるように思いませんか?
私は、ホワイトハラスメントとパワーハラスメントって、対極に存在するもの同士のように見えて、実は、根っこに共通しているところもあるんじゃないかなと思うのです。
自分は、相手のことを理解している。
その上で、相手のためになることをしてやっている。
そのような思い込みが根っこにあるように思える点がどこか共通しているように思うのです。
このホワイトハラスメントといわれる事象を考えるとき大事なのは、やはり、配慮の大前提として、自分は相手のことを知っているようで何も知らないということを正しく認識することなのではないかと思います。
その上で、相手は、何を大切にしているのか、今、何を感じているのか、相手にとって仕事ってどのようなものなのか、どんな毎日を理想としているのか、少し先の将来、職業人としてはどうなっていたいという思いがあるのか、そんな話を聴いて、相手を少しずつ知っていく中で初めて配慮というものができるのだと思う。
そして、そういった話ができるようになるためのもっと大前提としては、相手が、安心して自分に対して心を開いて話せる関係性を築くことが必要であるはず。
相手に対してそういった安心を感じてもらえるために自分はどうあるべきか。
どんな姿勢で話を聴いたらいいのだろうか。
どんな状態だったら安心して話ができるかということも人によって違うだろうから、上司にあたる立場においては、そこから真摯に考えていく必要があるのだと思うのです。
もっといえば、これは、上司、部下という関係性でのコミュニケーションにとどまらず、同僚間でも、職場を超えた友人、家族間も含め、必要なことなのかもしれません。
「この言葉はOK。ここからはNG」なんていう説明が延々なされるハラスメント研修はあまり意味がないなと思っています。
弁護士として、何がハラスメントなのか、という線引きを説明していくことも必要。
でも、それ以上に、どうしたら、多様な価値観の人たちが集まる職場で、みながそれぞれの価値を発揮していい仕事をしていくことができるかという本質までもぐって考えていくような研修を提供していければいいなと思っています。
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