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大量注文キャンセルについて
先日、宅配専門のお弁当店を一人で営んでいらっしゃるお店に、計200個のお弁当の大量注文が入ったため、お店の方が、その注文を受けてお弁当を作り、配達したにもかかわらず、その後注文者が受取場所に現れず、その後電話も着信拒否となって連絡不能となり、結局お店の方が、お弁当を大量に処分せざるを得なかったという事案が起きたとの報道を見ました。
200個のお弁当。
お弁当1個作るにも、2,3時間かかってしまう手際の悪い私が、プロのお弁当屋さんがお弁当を作るお手間を正しく想像できているのかはあやしいですが、それでも、プロの方だからこそ、商品としてお渡しするお弁当について、衛生面、見栄え、栄養面、予算との兼ね合いなど気を配らなければならない側面がたくさんあると思われる中、200個ものお弁当をお届けするためにかけたお手間、経済的負担は計り知れないものがあったと思え、それを約束の場所にもっていたときに注文者が現れず、連絡すらつかなくなったときに味わった絶望感、憤り、悲しさを想像すると、そんなことがまかり通っていいはずがないと悔しくなる。
何ができるのだろう、と考えたときやはり一番最初に思い浮かぶのは、警察への被害相談。
どんな犯罪での被害届を出すか。
あるコメントで、「こんなの詐欺だろう」という声がありました。
たしかに、「だまし」の要素が感じられるから、詐欺が思い浮かぶのももっとも。
ただ、注文者がお弁当を受け取りに来る現場にも現れなかったという事実から考えると、そもそもこの注文者には、財物を取得したり、財産上の利益を得たりするところに意図がなかったのでは?とも思える。
その実態は、詐欺ではなく、「うその大量注文をしてやろう」ということ自体だった可能性があるのではないか。
とすると、偽計業務妨害罪の成立があり得るのではないかと思います。
報道によると、200個のお弁当の注文は、2日間にわけて100個ずつ別の声の人から入ったとのこと。
受取日と受け渡しの場所の指定が同じで、それらを同じ機会に受け渡しすることになっていたのだとすると、注文を入れたのが別々の人だったとしても、共犯関係がうかがわれます。
民事的な対応については、細かい法律の話になるとごちゃごちゃしてしまうので、誤解をおそれずざっくりとお話しすると、「注文者との間にお弁当を売ることについて契約が成立していたのだから、その代金を支払う義務があったのに、これを果たしていない」「売買の対象がお弁当で、すぐに受け取らないと悪くなってしまうようなものだったのだから、約束したタイミングで受け取る義務があったのに、それをしなかった」「そもそも、最初から受け取るつもりも代金を払うつもりもない虚偽発注だったといえ、このような注文が不法行為だ」などという主張に基づき、代金相当分や廃棄を避けるために配るために要した人件費等につき損害賠償請求することを検討することになると思います。
相手についての情報は、もしかしたら、携帯電話番号だけかもしれません。
話し合いをするにしても、相手の氏名や住所などの情報を得たいところ。
ここに関しては、その交渉などを弁護士に依頼した場合は、その弁護士が所属する弁護士会を通じた問い合わせの手続きを通じて、携帯電話会社から契約者の氏名等情報をえることができる可能性があります。
同じようなお仕事をされている方にとっても、とても他人事とは思えない出来事だったのではないかと思います。
こういった事後的な対応は、日常の業務のかたわら非常にご負担が大きいと思いますし、経済的な損害が十分に回復されるかも不透明。
これまでは、まさかこのような信じがたい行動に出る人が存在するなど想定していなかったという場合も、そのまさかが起き得ることを想定し、事前にできる予防策も考えたいところですよね。
規模、地域、お客様のご年齢等いろいろな要素があるので、どのようなお店にとっても有効な対策を挙げることは非常に難しく、あまり現実的な対策でないというケースも多いのだろうと思いますが、キャンセルになった場合の損害が特に大きい大量注文の場合は、来店しての注文として、代金を前払いしてもらうというのはひとつの取り得る方法かなと思います。
また、かなり前になりますが、平成30年ころ、経済産業省のホームページ上で公表されたもののなかに、「サービス産業の高付加価値化に向けた外部環境整備等に関する有識者勉強会」が作成した「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」というものがあり、そこでは、予約の再確認徹底、顧客がキャンセルしやすい仕組みの整備、キャンセルポリシーやキャンセル料の目安の明示、事前決済やデポジットの徴収等導入というような取り組みが例としてあげられていました。
なるほど、と思いつつも、果たして、キャンセルによる被害が特に深刻という見方もできる個人経営のお店で果たしてこれらの対策はどこまで現実的で有効なものといえるのだろうか、とも思う。
ある人の、ある会社の懸命な仕事が、一部の加害行為や不誠実なキャンセル対応で傷つけられることがないように何ができるのだろうか。
今度、異業種の方々とお話をする機会に各社の工夫や試みについてうかがいながら、私なりにも考えてみたいなと思いました。
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