10年以上悩まされている賃料不払い問題を解決したい
相談までの経緯・背景
依頼者であるY男さん(40代)は、父親が持っていた土地を相続しました。
その土地は他人に貸しており、借り手はその土地に自宅用の一軒家を建てて暮らしていました。
相続した土地について詳しく調べてみると、賃貸借契約が結ばれたのは15年以上前。しかし、貸した翌年から断続的に賃料が支払われておらず、直近の6年間に至っては一度も入金がありませんでした。
Y男さんは「賃貸借契約を続けるのは難しい」と、当所にご相談にお見えになりました。
解決までの流れ
ご相談を受けた際、Y男さんには「裁判をして土地を更地で返してもらいましょう」と提案しました。
貸している土地に建っている建物は相手方のものです。
その建物を取り壊し、更地にして土地を返してもらうためには、裁判での手続きが必要です。
裁判への準備を進めるのと同時に、相手方には「総額で○○○万円の賃料が溜まっている。×月×日までに支払ってください」と、通知を送りました。
すると、相手方から当所に連絡がありました。自宅を建てて住んでいる以上、相手方も更地にされてしまうと困ってしまいます。
「すぐに支払う」と言ってきました。
なぜ滞納が続いているのか、詳しく話を聞いてみると、「自分は外国人で日本語がよくわからない」「相続で地主さんが替わったことで、振込先がわからなくなった」とのことでした。相手方には成人したお子さんがいました。
お子さんは日本で生まれ育った方なので、会話も読み書きも日本語ネイティブです。
そこで、当所とのすべてのやり取りの窓口になってもらうことにしました。状況をお伝えすると「そんなことになっていたとは知らなかった」「必ず全額お支払いします」との言質も取れました。
最終的に、総額を全10回の分割で支払うこととし、万が一、支払いが滞った場合は速やかに土地を明け渡すという内容で合意しました。
結果・解決ポイント
当初は裁判に持ち込む予定で進めていましたが、依頼者であるY男さんの「今後も関係が続くので争いごとにはしたくない」とのご要望に沿い、裁判外での和解となりました。
今後、支払いが滞った場合、強制執行を行う場合には、改めて裁判を起こす必要があります。
二度手間を避けるためにも、裁判は起こしておき、裁判所が関与した合意を取り交わしておいたほうが良いのではとご提案したのですが、依頼者のご意向に合わせました。弁護士が関与し通知をすることで、長年にわたって悩まれていた問題がスムーズに解決しました。
賃料の不払いでお悩みの方は多いのではないかと思います。
そのような場合は、できるだけ早く弁護士にご相談ください。