民事調停は、当事者同士の話し合いによってお互いが譲り合って合意することで、紛争の解決を図ることを目的とするもので、裁判外紛争解決手続き(ADR)の一つです。これは、借金の催促や家屋の明渡しなどの身近な紛争をはじめとして、幅広く利用することができます。
民事調停においては、裁判官1名と調停委員2名以上とで構成される調停委員会によって手続きが進められ、調停委員は調停が成立(双方が和解)するように、各々から話をきいて、それぞれにアドバイスをします。
調停委員は、弁護士等の資格や、問題となっている分野の専門的な知識、法律を扱った経験を持つ民間人の中から選ばれ、最高裁判所から任命されます。
調停では、原則として、当時者がそれぞれ調停員から話を聞かれ、それぞれの話をもとに、調停委員に仲介役になってもらうことで、債務者と未回収分の債権に関する話し合いをすることになります。
民事調停を利用するメリットは、申立費用が安いことと、手続きが簡易であることでしょう。他方、デメリットは、欠席裁判等のような裁判所の強制力がないことです。つまり、民事調停はあくまで債権者と債務者の双方が納得した上で成立するため、債務者からの同意が得られない場合には成立しませんし、債務者が当日、調停に出頭しない場合も同様です。そのため、双方にある程度、歩みよる姿勢がなければ成立は難しいといえます。