解決事例

破産した取引先に対する未払金500万円を回収したい

ご相談者:医療機器等の販売等を営む株式会社 相手:卸売会社
交渉・訴訟プラン

相談までの経緯・背景

医療機器を製造・販売しているX社は、卸売会社のY社に機器を販売していました。

X社がY社に医療機器を卸し、Y社が全国の病院に販売するという関係でしたが、Y社は業績不振で突然の破産。総額約500万円の未払い金が発生してしまいました。

このお金を回収することはできないか、X社からご相談をいただきました。

解決までの流れ

Y社は、X社から購入した製品を病院に販売していました。

詳しくお話を伺っていくと、Y社が病院に販売した機器の代金債権が未回収であることがわかりました。

破産してしまったY社からお金を回収することはできなくても、商品を購入した病院からなら支払ってもらえる可能性があります。

そこで、「動産売買先取特権」を行使することにしました。

動産売買先取特権とは、売主が買主に対して、商品などの動産を売った場合、その売買代金と利息について、その商品から、他の債権者に優先して代金を回収することができる、法定担保物権です。

ただし、その商品が第三者に転売された場合には、その商品から回収することができなくなる代わりに、転売先に対する債権から回収することができます。今回の件でいえば、破産したY社の病院に対する債権を差し押さえ、病院から代金を回収することです。

動産売買先取特権を活用することで、Y社が破産していても優先的に回収できるのが特徴です。

X社の担当者の方にご説明したところ、その方向でお願いしますとのことでしたので、資料を揃え、裁判所に債権差押命令の申立を行いました。

その結果、無事に差押命令が発令され、病院から債権を回収することができました。

結果・解決ポイント

このケースでは、ご相談をいただいてから債権を回収するまで、およそ3ヵ月で解決しました。

裁判所から、病院に差押命令が届き、無事に支払われたことで解決です。

取引先が破産してしまい、未払金を回収できなくなることは、往々にして起こりえます。

すべてのケースで今回のように回収できるわけではありませんが、専門家である弁護士がご状況を伺うことで、法律的に打てる手立てがないか、分析することができます。

同様の状況でお困りになり、法律事務所に足をお運びになる際には、ある程度の経験を積んだ弁護士にご相談されることをお勧めします。裁判所によって必要な書類や手続きが異なるためです。

いかに日々、取引先の与信判断をしていても、取引先が破産してしまうことを完全に避けることはできません。

未回収のお金が発生してしまった際には諦めず、まずは一度ご相談にお見えになってください。

担当弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。

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