刑事事件の基本知識・用語集
か行

刑事事件に関する基本知識・用語を紹介します。

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仮釈放 (かりしゃくほう)

仮釈放は、地方更生保護委員会の決定によって(更生保護法16条)、「改悛の状」があり、改善更生が期待できる懲役又は禁錮の受刑者を刑期満了前に仮に釈放し、残りの刑期が満了するまで保護観察に付することにより、再犯を防止し、その改善更生と円滑な社会復帰を促進することを目的とするものです。
懲役又は禁錮の受刑者について、有期刑については刑期の3分の1、無期刑については10年の法定期間を経過した後、許すことができます。

科料 (かりょう)

科料とは、刑法上の罰であり、千円以上1万円未満の金銭の納付を命じられることをいいます(刑法17条)。
同じような用語としても“過料”がありますが、これは国や地方公共団体が課する行政上の罰であり、刑事訴訟手続きによるものではありません。
刑法上の罰である科料を言い渡されると前科がつきますが、行政上の罰である過料には前科はつきません。

起訴 (きそ)

一般的に最大で23日間の身柄拘束期間内に、検察官は、被疑者を起訴するか不起訴とするかを決定します。起訴とは、裁判所に対して、裁判によって被疑者に刑罰を科すよう求める手続きで、公判請求と略式請求があります。公判請求がなされると、公開の法廷で通常の刑事裁判を受けることになり、さらに身柄拘束が続きます。略式請求の場合には、罰金が科されることになりますが、法廷での裁判を受ける必要はなく、身柄が釈放されます。

他方、疑いが晴れた場合や証拠が不十分な場合などには、不起訴となり、身柄が釈放されます。 弁護士は、事案の内容や被疑者の意向に応じて、証拠が不十分なことを主張したり示談を成立させたりして、不起訴処分や略式請求を目指して活動します。

逆送 (ぎゃくそう)

逆送は、家庭裁判所が、保護処分ではなく懲役や罰金などの刑罰を科すべきと判断した場合に、事件を検察官に送ることをいいます。逆送された事件は、検察官によって刑事裁判所に起訴され、有罪となれば刑罰が科されます。
家庭裁判所が原則として逆送しなければならない事件(原則逆送対象事件)もあり、16歳以上の少年のとき犯した故意の犯罪により被害者を死亡させた罪(殺人罪や傷害致死罪など)がこれに当たります。特定少年である18・19歳の少年には、原則逆送対象事件が拡大されて定められています。

禁錮 (きんこ)

禁錮とは、無期または1月以上20年以下の有期において、刑事施設(刑務所)に拘置する刑法上の罰です(刑法13条)。
懲役と異なり、刑務作業の義務はないですが、請願により刑務作業につくことが認められています。

刑務所 (けいむしょ)

刑務所は、死刑以外の身体拘束を伴う刑罰(懲役や禁錮など)の受刑者(刑事裁判で実刑判決が確定した人)を収容対象とする、法務省の施設期間をいいます。

拘置所 (こうちしょ)

拘置所は、未決拘禁者(刑事裁判のため身柄を拘束する必要のある人)や死刑囚(刑事裁判で死刑が確定した人)を収容対象とする、法務省の施設期間のことをいいます。

公判 (こうはん)

公判請求がされると、公開の法廷で刑事裁判が行われます。そこでは、検察官が被告人が有罪であることを立証しようとし、弁護人は被告人が無罪であることや、有利な事情を立証していきます。最終的に、有罪か無罪か、有罪の場合は刑罰の内容が判決により言い渡されます。無罪もしくは執行猶予付き判決の場合には、身柄が釈放されます。

裁判期間は、数か月から、場合によっては1年以上かかることもあります。この間、弁護人は、保釈による早期の身柄釈放を目指したり、示談を成立させるなどして被告人の有利な事情を主張することで執行猶予付き判決を目指すなど、被告人にとって最適な弁護活動をしていきます。

公判前整理手続 (こうはんまえせいりてつづき)

公判前整理手続とは、充実した公判の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため必要があるときに、第一回公判期日前に、事件の争点及び証拠の整理を行うものです。
裁判員裁判の対象事件については、必ず公判前整理手続に付さなければならないことが裁判員法により定められています。

公訴時効 (こうそじこう)

公訴時効とは、一定期間の経過により、検察官が公訴の提起(起訴)をすることができなくなるものをいい、また、公訴時効完成後に起訴された場合でも、裁判所が犯罪の有無を判断しないまま、審理を打ち切るという判断をなされることになります。
公訴時効の期間は、犯罪の法定刑を基準として定められていますが、殺人罪などの死刑が定められている罪に対しては適用されません。また、捜査機関からの発見を免れている間は公訴時効が進行しますが、国外に逃走している場合には、時効が停止することとなっています。

勾留 (こうりゅう)

身柄が送検されると、検察官は、24時間以内に、勾留請求するか釈放するかを決定します。勾留請求がなされた場合、裁判官が勾留を許可すると、勾留請求がなされた日から最大で10日間、勾留されます。その間、警察署などで身柄を拘束されたまま、取り調べ等の捜査を受けることになります。もし、10日間で捜査が終わらない場合には、勾留延長がなされ、さらに最大で10日間の勾留がなされ、取り調べが続きます。このように、一般的には、逮捕時から起訴まで最大で23日間の身柄拘束が続きます。

弁護士は、身柄の解放に向けて最大限活動します。勾留請求や、勾留の許可をしないよう働きかけ、勾留取消請求をするなど、早期の身柄釈放を目指します。

国選弁護人 (こくせんべんごにん)

国選弁護人とは、勾留された後に、貧困などの理由により私選弁護人を選任することができない場合に、国が弁護士費用を負担し選任する弁護士のことをいいます。

告訴 (こくそ)

告訴とは、主に犯罪の被害者(告訴権者)が、捜査機関に対して、犯罪を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。
告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪(親告罪)もあり、被害者と一定の身分関係にある者による犯罪(親族間での窃盗罪など)や、事実が公になることで被害者のプライバシーが侵害されるなどの不利益が生じるおそれのある犯罪(名誉毀損罪や侮辱罪など)が例として挙げられます。

告発 (こくはつ)

告発とは、犯人や告訴権者以外の者が、捜査機関に対して犯罪を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。

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