コラム
公開 2026.08.25

法務の採用はなぜ難しい?アウトソーシングを活用した法務組織の作り方

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法務の採用に動き出したものの、「そもそも応募が来ない」「良い人がいても入社まで数ヶ月かかる」といった壁に直面していませんか?

法務人材は売り手市場で母集団が少なく、要件を固めるほど候補者が減っていく。採用担当者であれば一度は直面する壁でしょう。

また、苦労して採用できても、戦力化には時間がかかります

この記事では、法務の採用が難しい構造的な問題と、採用にかかる「本当のコスト」を整理したうえで、採用を進めながら組織を構築するための選択肢を解説します。採用戦略や新人の早期戦力化まで含めて、自社に合った法務組織の構築方法を一緒に考えていきましょう。

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なぜ法務の採用は難しいのか

「求人を出しているのに、そもそも応募が来ない」

法務の採用に動いた企業の多くが、まずこの壁にぶつかります。営業やエンジニアの募集とは異なり、契約審査や紛争対応の実務経験を持つ人材は市場に少なく、母集団の形成そのものが難しいのが実情です。売り手市場であるため、条件の良い候補者ほど複数のオファーを比較検討でき、待遇や事業内容で見劣りすればすぐに他社へ流れてしまいます。

さらに、要件面の難しさも重なります。法務の守備範囲は契約審査・法務相談・コンプライアンス・株主総会対応・訴訟対応と広く、これらすべてを高い水準でこなせる人材は稀です。

加えて、スキルが合致しても社風や事業理解の面でミスマッチが生じ、内定辞退や見送りに至るケースも少なくありません。

法務の採用にかかる「本当のコスト」

法務採用のコストというと、求人媒体費やエージェントへの成功報酬を思い浮かべる方が多いはずです。しかし実際の負担は、それだけにとどまりません。

退職手続き、引き継ぎにかかるコスト、既存メンバーの業務負担増加に対応するコストまで含めると、金額は想像以上に膨らみます。苦労して採用できても、社風や業務内容のミスマッチで早期離職に至れば、このコストがさらに積み上がります。

そして最も見落とされやすいのがオンボーディング期間の機会損失です。即戦力を採用できたとしても、自走できる状態になるまで半年ほどかかることも珍しくありません。

その間も事業部からの契約審査依頼は常に発生し、レビューのリードタイムは長期化し、事業スピードそのものが鈍化します。

自社では、採用のコストを媒体費だけで見積もっていないでしょうか。退職に伴うコスト、早期退職に至ってしまう場合のリスク、オンボーディングまでの空白期間を含めた総額で捉え直すと、そのコストを採用以外にアロケーションする選択も視野に入ってくるはずです。

採用「以外」の選択肢も並べて考える

大切なのは、採用活動を進めながら、それ以外の選択肢も同じテーブルに並べて比較することです。

採用以外に法務機能を強化する手段は大きく分けて①顧問弁護士、②法務アウトソーシングサービスの2つがあります。

顧問弁護士は高度な専門性に強みがあり、難易度の高い案件を依頼する先として適切です。法務アウトソーシングサービスは短期での立ち上げ、日常的な案件の対応に適しています。

それぞれの特性を考えながら、採用以外の選択肢も含めて法務のリソース不足を補う方法を検討するべきです。

法務の採用と「並走」できることが法務アウトソースのメリット

法務アウトソーシングは、採用と並走する使い方で力を発揮します。

たとえば法務メンバーの退職が決まったとき。後任の採用活動を続けながら、その間の実務を外部に委託できれば、業務を止めずに採用からオンボーディングまでの空白期間を乗り切れます。

法務アウトソーシングサービスの中には最短で翌月からアサイン可能、最低契約期間は1ヶ月から可能、というものもあります。採用が決まったら委託する業務範囲を縮小し、最終的には終了できる柔軟さはアウトソーシングを活用する大きなメリットです。

「採用できたらやめる前提」でも始められるため、導入のハードルは低くなります。

採用後のメンバー育成にもつながるアウトソース

さらに見逃せないのが、採用「後」の効果です。新しく採用した担当者が独り立ちするまでの期間、その契約審査やドラフトを経験豊富な弁護士がチェック・レビューできれば品質を担保できます。

弁護士のレビュー結果やメールのやり取りを新人にCCで共有すれば、新人は「どんな切り口で回答するか」「どんな言い回しならスムーズか」といった実務の型を日々の業務の中で吸収できます。

本来であればマネージャーが担うはずのOJTや案件の巻き取りを外部弁護士が支えるため、マネージャーはより重要な経営課題の解決や組織づくりに集中できるようになります。

入社後の教育体制が確保されていれば、採用した人材の早期離職リスクを軽減することも期待できます。

採用した新人を、誰が、どれだけの時間をかけて育てる想定になっているでしょうか。育成の担い手まで含めて設計できているかが、早期戦力化の分かれ道になります。

法務アウトソーシングサービスを選ぶポイント

法務採用の難しさを補う手段に適しているアウトソースですが、注意点もあります。

アウトソーシングサービスの中には、依頼のたびに専用フォームへの入力、ファイル転送サービスで契約書を送るといった手間が発生するものもあります。契約レビューの内容が自社の事業状況を踏まえていなければ、修正のやり取りや負担が増えてしまいかねません。

一方で、近年は担当弁護士が社内の案件管理ツールにアクセスし、事業部と直接やり取りしながら業務に溶け込む運用も広がっています。

アウトソースサービスを選ぶ際には、コミュニケーションの手間は少ないか、自社の状況をキャッチアップしてくれるか、といった運用方法を見極めることが重要です。

まとめ:法務の採用は「選択肢の一つ」

ここまで見てきたように、法務の採用は市場環境・採用要件・コスト・オンボーディングまでの空白期間と、いくつもの難しさを抱えています。しかし、そのような状況だからといって採用を諦めるという判断は難しいでしょう。採用を進めながら、空白期間をどう補うか、という発想が現実的です。

アウトソーシングサービスの活用方法は状況によって変わります。退職補充であれば、採用活動と並行して空白期間を外部人材で埋めるのが有効です。一人法務で手が回らない場合、恒常的に一部の業務を外部に出して業務を回す選択肢もあります。これから法務機能を立ち上げる段階なら、まず外部の力で土台を作りつつ採用要件を固めていく方法が考えられます。

すでに顧問弁護士と契約している場合でも、社内の法務と顧問弁護士の間に立ってハンドリングや成果物の検収を担う役割を外部に置くことで、さらに効率的なリスクマネジメント体制を構築できます。

大切なことは、「全部を正社員でまかなう」という前提を一度外してみることです。そのうえで外部人材の活用方法を見極めることが、遠回りに見えて最短の道筋になります。

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