コラム
公開 2026.03.23

親子上場解消が加速。法務のリソース不足をどう解消する?

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現在、日本企業の間で「親会社と子会社がどちらも上場している」という形態、いわゆる「親子上場」を解消する動きが急速に広がっています。かつては一般的だったこの手法が、なぜ今、見直されているのでしょうか。

本稿では、親子上場解消の背景から、解消時に発生する法務の業務、さらにリソース不足を解消するための選択肢まで詳しく解説します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。法律事務所オーセンス入所から、ベンチャー法務を担当し、現在では、HRTech(HRテック)ベンチャー法務、芸能・エンタメ・インフルエンサー法務、スポーツ団体法務等を中心に担当。上場企業をはじめとした日本国内外に成長を求める企業のM&A支援にも積極的に取り組む。
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1. 加速する「親子上場解消」

日本の親子上場企業数は、ピークであった2006年度から6割減り、2025年9月には168社にまで減少しました(出典:「日本経済新聞」2025年10月8日発行「親子上場の解消加速 ピーク比6割減 企業統治改革、海外マネー呼ぶ」)。NTT、セブン&アイ・ホールディングス、三菱商事といった日本を代表する企業が相次いで親子上場の解消に踏み切っています。

東証改革やコーポレートガバナンス・コードの改訂を契機とし、少数株主保護の観点から投資家の批判が根強い点、アクティビスト(物言う投資家)からの圧力、資本効率の改善を求める声が強まっていることが背景にあります。

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2. 親子上場の解消に伴い発生する法務の業務

親子上場の解消(完全子会社化)は、通常の業務とは異なる高度で専門的な法的実務を、短期間に集中して行う必要があります。以下ではその一例をご紹介します。

(1) 検討・準備フェーズ

この段階では、スキームの決定と「公正な手続き」の構築がメインとなります。

親子上場を解消するスキームは、現金対価のTOBとスクイーズアウトの組み合わせか、株式交換(親会社株を交付)のいずれかのスキームが一般的です。この法的メリット・デメリットを整理する必要があります。また、リーガル・財務のアドバイザーを選定し、契約を締結します。

最も重要な事は、利益相反管理体制の構築です。経済産業省の「公正なM&A指針」に基づき、子会社側に特別委員会を設置させるための協議を行います。このほか、プロジェクトチームを組成し、インサイダー取引防止のための情報隔壁を設置します。

(2) デューデリジェンス(DD)および契約交渉

子会社を100%保有することになるため、リスクの再点検が必要です。
例えば、子会社が抱える係争リスク、重要な契約のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項の有無といった法務デューデリジェンスの実施や、買付価格・前提条件に関する交渉、表明保証、補償条項、取引保護条項などの契約文言の精査も行う必要があります。

(3) 公開買付け(TOB)実施フェーズ

法令に基づく開示書類の作成を中心となって担います。例えば下記のような業務が発生します。

  • 開示書類(EDINET/TDnet)の作成・レビュー
  • インサイダー取引防止の徹底
  • 財務局への届出、必要に応じた公正取引委員会への企業結合届出の要否判断

(4) スクイーズアウト(二段階目)フェーズ

TOBで全株式を取得できなかった場合、残りの株式を強制的に取得する手続きです。株式併合または株式売渡請求の手続きを行います。

株式併合の場合は臨時株主総会の準備を行う必要があります。反対株主からの「株式買取請求」や「価格決定申立て」のリスク管理も求められます。

3. 法務リソースが不足するリスク

これらの親子上場の解消に伴って発生するスポット業務は極めて専門性が高く、かつミスの許されない重要な手続きです。しかし、多くの企業の法務部門は、日々の契約審査やトラブル対応といった「通常業務」への対応に追われているのが実情です。

親子上場解消というプロジェクトに際して、法務リソースが不足した場合、以下のようなリスクが生じます。

(1) 意思決定の遅延

契約審査などの業務において、法務の確認待ちがボトルネックとなり、迅速な意思決定が阻害されてしまいます。

(2) 担当者の疲弊

専門性の高いスポット業務と通常業務を並行して対応することにより、法務組織そのものが機能不全に陥るリスクも抱えています。

4. 解決策としての「法務アウトソース」という選択肢

こうしたリソース不足を解消し、プロジェクトを確実に完遂させるための有効な手段が、「法務アウトソース」です。

活用の方法は大きく2つのパターンが考えられます。

(1) 通常の契約業務をアウトソースする

まずは、通常の契約審査など、ある程度型は決まっているものの、量が多くスピード対応が求められる契約書審査や法務相談対応に外部リソースを活用するパターンです。

Authense法律事務所が提供する「法務クラウド」は、企業内での経験を豊富に有する弁護士が、自社の審査基準をもとに事業部と直接コミュニケーションを取って契約審査・法律相談対応を行うため、スピードを落とさず質の高いアウトプットを提供します。

(2) 親子上場解消に伴う専門性の高いスポット業務をアウトソースする

親子上場解消の手続き(TOBやスクイーズアウト)は頻繁に発生するものではない上に、非定常な高負荷業務です。

自社法務部門は弁護士をマネージする立場となることで、親子上場解消後の「グループ全体の統制」や「事業の支援」といった、より戦略的な役割に注力できるようになります。

5.親子上場で急増する法務の負担を解決する法務クラウド

法務クラウドは、Authense法律事務所の弁護士が貴社の法務チームの一員として既存のフローに入り、日常の法務業務を遂行するサービスです。

内部化された支援により、業務の継続と法務体制の強化を同時に実現できる、従来の顧問契約や単なるアウトソーシングとは異なる新しい形のリーガルサービスです。

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契約審査から体制構築まで、メンバーとして伴走しますので、まずはお気軽にご相談ください。

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