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公開 2026.06.18 更新 2026.06.22

生前贈与で生じやすい相続トラブルは?トラブルを避ける対策を弁護士がわかりやすく解説

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相続対策の一環として、生前贈与をすることも多いでしょう。
しかし、生前贈与に関して相続トラブルに発展するケースもあります。

では、生前贈与に関する相続トラブルにはどのようなものがあるのでしょうか?
また、生前贈与での相続トラブルを避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?

今回は、生前贈与に関する相続トラブルを紹介するとともに、相続トラブルを避ける対策などについて弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense法律事務所)は生前贈与に関するサポートについても豊富な実績を有しています。
当事務所の弁護士が代理で対応することで解決に至った相続トラブルは少なくありません。

生前贈与をご検討の際や、生前贈与に関してトラブルが発生してお困りの際などには、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

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生前贈与とは?

生前贈与とは、生前のうちに財産を贈与することです。

民法上、贈与の相手方は制限されておらず、友人や知人など血縁関係がない相手への贈与も可能です。

ただし、あえて「生前贈与」という場合には、将来相続人になる予定の人(「推定相続人」といいます)など、家族への贈与を指すことが多いでしょう。
生前贈与には、「遺産を相続で渡すのではなく、生前のうちに渡す」というニュアンスが含まれているためです。

なお、生前贈与と相対する概念として「死因贈与」があります。
死因贈与とは、事前に契約を締結し、贈与者が亡くなった際に財産を特定の人に渡す契約です。

死因贈与も、贈与の1つです。
しかし、生前贈与は原則として「贈与税」の課税対象となる一方で、死因贈与は遺言で財産を渡す場合などと同じく「相続税」の課税対象となります。

生前贈与のメリット

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生前贈与には、そもそもどのようなメリットがあるのでしょうか?
主なメリットには、次の4つが挙げられます。

  • 相続税の節税につながる
  • 本人の意思が実現しやすい
  • 資金需要の高い時期に財産を移転できる
  • ノウハウの承継につながる

相続税の節税につながる

1つ目のメリットは、相続税の節税につながることです。

生前贈与をうまく活用すれば、ご逝去時点の遺産を減らすことができ、相続税の節税が可能となります。
この効果を享受するために生前贈与をする人も多いでしょう。

ただし、必ずしも節税になるとは限りません。
生前贈与の検討が甘ければ高額な贈与税がかかり、結果的にトータルで支払う税金が高くなるおそれもあります。

そのため、節税目的として生前贈与をする場合には、税理士などの専門家のサポートを受けることをおすすめします。

本人の意思が実現しやすい

2つ目のメリットは、本人の意思を実現しやすいことです。

ご逝去後に相続で遺産を渡す場合、必ずしも本人の意思が反映されるとは限りません。
生前贈与であれば本人の目の黒いうちに財産を渡すことが可能となるため、贈与をする人(「贈与者」といいます)の意向をより的確に反映させやすくなります。

資金需要の高い時期に財産を移転できる

3つ目のメリットは、資金需要の高い時期に財産を移転できることです。

近年では高齢化が進行しており、80代や90代まで存命である人も少なくありません。
その場合、相続人である子どもも、すでに子育てを終えた世代であることが多いでしょう。

しかし、人生において特に資金需要が高いのは、子育て真っ只中の30代から40代前後である場合が多いと思います。
この世代では、結婚や出産、住宅購入などをする人が多いためです。

相続で財産を渡す場合には、その時期を選べない一方で、生前贈与であれば資金需要の高い時期に合わせて財産を渡すことが可能となります。
また、資金需要の高い時期の贈与であれば、「住宅取得等資金贈与の非課税特例」などの特例が適用できる可能性もあるでしょう。

このような制度を使うことで、贈与税を軽減しつつ次世代に資産を移転することも可能となります。

ノウハウの承継につながる

4つ目のメリットは、ノウハウの承継につながることです。

生前贈与をする財産が自社株や賃貸用不動産などである場合、相続を機に突然これらを取得しても、先代のように活かせないことも多いでしょう。
生前贈与をして早いうちから自社株や賃貸用不動産を移転することで、生前のうちから経営についての助言をすることも可能となり、資産だけでなくノウハウの承継も可能となります。

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生前贈与で生じやすい相続トラブル:税金関係

生前贈与で生じやすい相続トラブルには、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、税金に関する主なトラブルを2つ紹介します。

  • 名義預金であると判断され、生前贈与をしたはずの預貯金に相続税が課されるトラブル
  • 死亡直前の贈与に相続税が課されるトラブル

名義預金であると判断され、生前贈与をしたはずの預貯金に相続税が課されるトラブル

生前贈与をしたはずの預貯金に、相続税が課されることがあります。

前提として、贈与とは双方の「あげます」・「もらいます」の意思表示が合致して成立する契約です。
たとえば、贈与者があげたつもりであっても、贈与を受ける側(「受贈者」といいます)が財産を受け取ったことさえ知らなければ、贈与が成立しているとはいえないでしょう。

また、子ども名義の通帳を親が作成してその通帳にコツコツと親が預金を移転していたとしても、子どもがその通帳の存在さえ知らなかったり、存在は知っていても子どもが自由に使えない状態であったりする場合には、「名義預金」であると判断される可能性があります。
名義預金とは、名義こそ故人(「被相続人」といいます)ではないものの、実態上は被相続人の遺産である預金を指します。

税務署に名義預金であると認定されると、たとえ口座名義が子どもであっても事実上被相続人の遺産であるとされ、これにも相続税が課税されます。
つまり、将来の相続税を減らす目的でコツコツ贈与していたはずが、まったく節税の意味をなさない結果になるということです。

死亡直前の贈与に相続税が課されるトラブル

死亡直前に遺産を減らそうとして慌てて贈与をしたものの、その財産に相続税が課されることがあります。

相続税を減らしたいと考え、亡くなる直前に贈与をすることもあるでしょう。
しかし、相続税法の規定により、被相続人の死亡を機に遺産を受け取った人がご逝去前7年以内に受けた贈与は、すべて相続税の課税対象として持ち戻されることとされています。(ただし、経過措置により、2024年1月1日から2026年12月31日までの間に相続又は遺贈により財産を取得する者については相続開始前3年以内の贈与が加算対象となります。2027年1月1日から2030年12月31日までの間に相続又は遺贈により財産を取得する者については2024年1月1日からその相続開始の日までの間の贈与が加算対象となります。2031年1月1日以降に相続又は遺贈により財産を取得する者については相続開始前7年以内の贈与が加算対象となります。)

そのため、亡くなる直前に慌てて贈与をするのであれば、相続を機に遺産をもらわない相手(孫など)を受贈者とするなど、状況に合わせた工夫が必要となるでしょう。
また、できるだけ早くから贈与を始めることで、相続税の課税対象として持ち戻されるリスクを軽減できます。

生前贈与で生じやすい相続トラブル:相続争い関係

続いて、生前贈与が相続争いに発展する主なトラブルを3つ紹介します。

  • 生前贈与ではなく使途不明金であると主張されるトラブル
  • 遺留分侵害額請求をされるトラブル
  • 不公平感から遺産分割協議がまとまらないトラブル

生前贈与ではなく使途不明金であると主張されるトラブル

贈与である旨の明確な証拠が残っていない場合、他の相続人から「生前贈与ではなく、一部の相続人が無断で遺産を使い込んだ」などと主張されるおそれがあります。
この場合、使途不明金に関する問題を解決しないことには、遺産分けの話し合い(「遺産分割協議」といいます)が進められず、トラブルが長期化しやすいでしょう。

特に、贈与者が贈与時点で高齢であった場合や認知症の疑いがあった場合、受贈者が贈与者の財産を事実上管理していた場合などには、使途不明金であると主張されるリスクが高いです。
そのため、書面で贈与契約を締結するなど慎重な対策が求められます。

遺留分侵害額請求をされるトラブル

一部の相続人だけが多額の生前贈与を受けた場合、相続開始後に「遺留分侵害額請求」がなされてトラブルとなる可能性があります。
遺留分とは、子どもや配偶者などに保証された相続での最低限の取り分です。

遺留分を侵害する内容の遺言や生前贈与も有効です。
しかし、これは相続開始後の遺留分侵害額請求の原因となります。

遺留分侵害額請求とは、侵害された遺留分相当の額の金銭を支払うよう、遺留分を侵害された相続人が、遺言や生前贈与で遺産を多く受け取った相手に対して求めるものです。
遺留分侵害額請求をされた者は、実際に遺留分侵害額相当の金銭を支払う必要が生じ、支払い原資の捻出に苦慮するおそれがあるでしょう。

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不公平感から遺産分割協議がまとまらないトラブル

生前贈与により、贈与者のすべての財産を移転するケースはほとんどありません。
一部の財産を生前贈与したとしても、他の財産は手元に残して最終的に遺産になることが多いでしょう。

遺言がなければ、遺産について相続人全員で遺産分割協議をする必要が生じます。
この際、一部の相続人だけが生前に多額の生前贈与を受けていることが判明すると、その不公平感から遺産分割協議が難航する可能性があるでしょう。

なお、生前贈与は特別受益に該当する場合があり、その場合にはこれを加味して遺産分割をすることとなります。

たとえば、相続人は長男と二男の2人、被相続人に1億円の財産がありこのうち2,000万円を長男が生前贈与で受け取っていたとします。
この場合、残った遺産8,000万円を2人で等分するのではなく、次のように生前贈与も加味して配分することとなります。

  • 長男:1億円×2分の1-2,000万円=3,000万円(生前贈与分を加算すると、5,000万円)
  • 二男:1億円×2分の1=5,000万円

ただし、被相続人が「特別受益の持ち戻し免除の意思表示」をしていた場合には、生前贈与を加味せず8,000万円の遺産を4,000万円ずつ相続するのが原則となります。

生前贈与で生じやすいトラブル:生前

続いて、生前贈与で生じやすいトラブルのうち、生前に起こり得るものを2つ紹介します。

  • 高額な贈与税がかかるトラブル
  • 贈与者が生活に困窮するトラブル

高額な贈与税がかかるトラブル

先ほど解説したように、生前贈与をして遺産を減らしておくことは相続税の軽減につながります。

しかし、生前贈与に対してかかる「贈与税」は、一般的に「相続税」よりも高くなる傾向にあります。
そのため、事前に税金の試算をせずに生前贈与をした場合、思わぬ高額な贈与税がかかり、後悔するかもしれません。

このような事態を避けるため、生前贈与をする前に贈与税を試算することをおすすめします。
また、必要に応じて一定の条件を満たすことで、非課税で贈与できる制度(住宅取得等資金贈与の非課税特例など)や、「相続時精算課税制」などの活用も検討すべきでしょう。

贈与者が生活に困窮するトラブル

生前贈与する場合、贈与者自身の今後の生活にかかる費用も検討しなければなりません。
必要以上に生前贈与をしてしまうと、贈与者が長生きした際に生活資金が足りなくなるおそれがあるためです。

この際に、受贈者が一度受け取った資産を返してくれたり生活を援助してくれたりする保証はないでしょう。
また、贈与が適法に成立している以上、受贈者が返還してくれるとしても返還される資産が贈与税の課税対象となります。

生前贈与で相続トラブルに発展しやすいケース

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生前贈与が相続トラブルに発展しやすいのは、どのようなケースなのでしょうか?
ここでは、生前贈与が相続トラブルに発展しやすい主なケースを6つ解説します。

  • 専門家に相談せず、自己判断で贈与した場合
  • 贈与が口頭で行われた場合
  • 相続発生まで生前贈与を隠していた場合
  • 不明瞭な負担付贈与がされた場合
  • 認知能力が低下してから贈与がされた場合
  • 相続人間の不公平感が大きい場合

専門家に相談せず、自己判断で贈与した場合

専門家に相談せずに自己判断で生前贈与した場合には、相続トラブルに発展するおそれがあります。

生前贈与には、注意点が少なくありません。
しかし、そのリスクを専門家以外の人がすべて的確に把握することは困難でしょう。

事前に専門家に相談することでその生前贈与に対するリスクが把握でき、必要に応じてトラブルを避ける対策を講じられます。

Authense法律事務所は生前贈与について的確なアドバイスが可能であり、生前贈与と併せて遺言書の作成を提案した事例などを豊富に有しています。
生前贈与について相談できる専門家をお探しの際は、Authense法律事務所までお気軽にお問い合わせください。

贈与が口頭で行われた場合

贈与が口頭で行われた場合、その贈与の有効性について疑義が生じるおそれがあります。
たとえば、贈与でなく着服ではないかと疑われたり、贈与が成立していない名義預金ではないかと疑われたりする可能性があるでしょう。

相続発生まで生前贈与を隠していた場合

相続が発生するまで生前贈与を隠していた場合、他の相続人がこれに対して不満を抱き、遺産分割協議がスムーズにまとまらないおそれが高くなります。
金銭的な問題以上に、感情面でわだかまりが生じやすくなるためです。

相続発生後に、生前贈与を隠し切ることは困難です。
将来のトラブルを避けるため、一部の相続人にだけこっそり生前贈与することは避けた方がよいでしょう。

不明瞭な負担付贈与がされた場合

不明瞭な「負担付贈与」がされた場合、これが原因で相続トラブルに発展する場合があります。
負担付贈与とは、贈与の条件として何らかの負担をつけることです。

負担付贈与には、「私の面倒を見てくれることを条件に贈与する」など、その負担の内容が不明瞭であるものも少なくありません。
この場合、「面倒を見る」とはどの範囲のことを指すのかについて意見が相違し、トラブルが生じるおそれがあるでしょう。

たとえば、他の相続人から「あなたはヘルパーを頼んだので、面倒を見るという負担を履行していない。そのため、贈与を受けた遺産を返還してくれ」などと主張される事態などが懸念されます。

このような事態を避けるため、生前贈与に負担をつけるのであれば、その負担の履行がされたか否か客観的に判断が可能なものとすべきでしょう。

認知能力が低下してから贈与がされた場合

贈与者の認知能力が低下してから贈与がされた場合、相続トラブルの原因となる可能性があります。
このような場合には、贈与が本当に成立していたか否かについて疑義が生じやすいためです。

たとえば、贈与ではなく受遺者による着服ではないかと疑われるおそれがあります。

相続人間の不公平感が大きい場合

生前贈与によって生じる相続人間の不公平感が大きい場合には、相続トラブルの原因となる可能性があります。

複数の相続人に対し、完全に平等に遺産を渡すことは困難です。
しかし、偏った生前贈与をするのであれば、そうせざるを得ない事情などを贈与者から生前に家族に説明し、納得を得るよう努める必要があるでしょう。

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生前贈与での相続トラブルを避ける対策

ここまでで解説したように、生前贈与はさまざまな相続トラブルの原因となることがあります。
では、生前贈与に関する相続トラブルを避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?

ここでは、主な対策を7つ解説します。

  • 生前贈与をする前に専門家に相談する
  • 遺留分について正しく理解する
  • できるだけ早めに贈与する
  • 贈与は書面で行う
  • 贈与者から家族に自分の意思を伝える
  • 特別受益持ち戻し免除の意思表示を明確に行う
  • 遺言書を作成する

生前贈与をする前に専門家に相談する

1つ目は、生前贈与をする前に専門家に相談することです。

生前贈与には、注意点が少なくありません。
そのため、自己判断で実施する前に、専門家に相談するとよいでしょう。

専門家に相談することで、生前贈与が適切であるか否か、生前贈与によって生じるリスクなどを把握することができ、適切な対策を講じやすくなります。

Authense法律事務所は、生前贈与や相続トラブルについて豊富な解決実績を有しています。
生前贈与について相談できる専門家をお探しの際は、Authense法律事務所までお気軽にご連絡ください。

遺留分について正しく理解する

2つ目は、遺留分について正しく理解することです。

先ほど解説したように、多額の生前贈与には遺留分侵害のリスクがあります。
遺留分を加味せず安易に生前贈与をしてしまうと、トラブルの原因となり得るでしょう。

トラブルを避けるには、遺留分制度を正しく理解したうえで、これを踏まえて生前贈与を検討する必要があります。

できるだけ早めに贈与する

3つ目は、できるだけ早めに贈与することです。

その理由の1つ目は、贈与をする時期が遅くなると認知能力低下のリスクが高くなるためです。
認知能力が低下した後で生前贈与をした場合、その贈与の有効性について疑義が生じ、トラブルの原因となり得ます。

その理由の2つ目は、相続税計算の持ち戻しリスクを軽減できるためです。
先ほど解説したように、相続人などに対する相続開始直前の贈与は、相続税の課税対象となります。

これを避けるためにも、できるだけ早く贈与するとよいでしょう。

贈与は書面で行う

4つ目は、贈与契約を書面で行うことです。

贈与契約は、書面でなくても成立します。
しかし、口頭などで贈与した場合、後から贈与を有効であるか否かについて疑義が生じ、相続トラブルの原因となるおそれがあります。
また、税務署から名義預金であると判断され、相続税の課税対象となるおそれもあるでしょう。

このような事態を避けるため、生前贈与は可能な限り書面で行うことをおすすめします。

贈与者から家族に自分の意思を伝える

5つ目は、贈与者から家族に対して自分の意思を伝えておくことです。

相続が起きてから、一部の相続人だけがまとまった生前贈与を受けていた事実を初めて知るのは、他の相続人にとって気持ちのよいものではありません。
感情面のこじれから、相続トラブルに発展するおそれがあるでしょう。

一部の相続人にだけ生前贈与する場合、贈与者にとって何らかの理由がある場合がほとんどかと思います。
生前のうちに贈与者から家族に自分の意思を伝えることで、他の相続人の納得を得やすくなり、将来の相続トラブルの防止につながります。

特別受益持ち戻し免除の意思表示を明確に行う

6つ目は、「特別受益持ち戻し免除の意思表示」を明確に行うことです。

先ほど解説したように、生前贈与は原則として特別受益に該当し、遺産分割における持ち戻しの対象となります。
しかし、「贈与者が持ち戻しをしない」旨の意思表示をした場合など一定の場合には、例外的に持ち戻しが行われません。

そのため、贈与者が特別受益としての持ち戻されることを望まないのであれば、持ち戻し免除の意思表示を書面化しておくとよいでしょう。

遺言書を作成する

7つ目は、遺言書を作成することです。

遺留分侵害がないにもかかわらず、生前贈与が相続トラブルに発展するのは、遺産を分けるために遺産分割協議をする必要があるためです。
生前贈与の対象としなかったすべての遺産を網羅した的確な遺言書があれば、遺産分割協議が不要となり、相続トラブルの可能性を大きく引き下げられるでしょう。

ただし、遺言書の作成には注意点も多く、遺留分にも配慮しなければなりません。
そのため、遺言書の作成にあたっては専門家のサポートを受けることをおすすめします。

Authense法律事務所は、遺言書の作成サポートも行っています。
遺言書の作成をご希望の際や相続トラブルが発生してお困りの際などには、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

生前贈与と相続トラブルに関するAuthense法律事務所の主な解決実績

Authense法律事務所は、生前贈与に関する相続トラブルについて豊富な解決実績を有しています。
ここでは、生前贈与や相続トラブルに関する当事務所の主なサポート実績を4つ紹介します。

他の相続人から、特別受益や経済状況を考慮すべきと主張される事例

父(被相続人)が亡くなり、長女と二女(相談者)の2名が相続人となりました。

相談者は法定相続分での分割を希望している一方で、長女(相談者の姉)は「妹には特別受益があること」や「自分の体調・経済状態が思わしくないこと」などと理由に、多めの相続を希望していました。
長女が主張している「相談者の特別受益」とは、生前贈与などではなく、高等教育費が高額であったことや家賃の支払いが一定期間免除されていたことです。

そこで、困った二女から当事務所にご相談いただきました。

弁護士が精査したところ、今回のケースでは特別受益がないことがわかりました。
長女も二女(相談者)と同等の大学で教育を受けており、家賃の支払い免除についても特別受益とまでいえるものではないためです。

また、長女の経済状態などを理由に、遺産を上乗せする理由もありません。
これらを踏まえて弁護士が交渉した結果、法定相続分を基礎として分割する内容で合意がまとまり、解決に至っています。

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「亡くなった父を介護していた母に、遺産を多く相続させたい」と希望した事例

父が亡くなり、母と長男、二男(相談者)、父の前妻との間の2名の子ども(相談者の異母兄弟)の計5名が相続人となりました。

二男としては、献身的に父を介護してきた母に多くの遺産を相続させたいと考えています。
長男と異母兄弟のうちの1人は二男の想いを汲み、相続放棄を希望していました。

しかし、異母兄弟のうちの1人(相談者の義兄)から、1,000万円以上の相続を主張されました。
そこで、困った長男から当事務所にご相談いただいた事例です。

これを受け、当事務所の弁護士から義兄に対し、「義兄が主張する1,000万円の取り分は法定相続分を超えており認められない」旨を主張しました。
その結果、法定相続分相当の遺産を渡す形で義兄との合意がまとまり、無事に解決に至っています。

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被相続人から借金をしていた相続人から遺留分を請求された事例

父(被相続人)が亡くなり、母と長女(相談者)、長男の3名が相続人となりました。

長男は素行が悪く、父からも多額の借金をしていることから、父は母と長女の2名に全財産を相続させる旨の遺言書を遺していました。
これに納得しない長男は弁護士を立て、母と長女に対して遺留分の支払いを求めました。

そこで、対応に困った母と長女から、当事務所にご相談いただいた事例です。

これを受けて弁護士が請求内容を精査したところ、長男側が遺留分の算定基礎としていた不動産の評価額が周辺の取引価格と比較して不当に高額であることや、長男が生前に父から受けた贈与が特別受益に当たることなどが分かりました。

その結果、長男への遺留分侵害は存在しないこととなり、相談者が少額の代償金を支払うことで調停が成立して解決に至っています。

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子の1人に援助した贈与者が、「自分の死後の相続争いを回避したい」と希望した事例

これは、生前にご相談いただいた事例です。

会社経営者である相談者には、長女、長男、二女の3名の子どもがいます。
このうち、長男が癌で余命が短いと診断されたため、相談者から長男に治療費として現金を渡したいと希望していました。

長女と二女はこれに対して異論はないものの、これが原因で将来の相続でもめることがないように対策を講じたいと考え、当事務所にご相談いただきました。

これを受けて、弁護士が遺言書の作成を提案しました。
遺言書を作成して生前のうちに遺産の配分を決めておくことで、将来の相続争いを防ぐことにつながるためです。

このように、弁護士へは生前の対策についてもご相談いただくことができます。

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生前贈与や相続トラブルに関するよくある質問

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最後に、生前贈与や相続トラブルに関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。

生前贈与は、何年前の分まで持ち戻される?

相続税の計算上、生前贈与は相続開始前7年(2026年12月31日までは3年、以後は段階的に延長)以内の分が持ち戻されます。
一方で、遺産分割における特別受益の算定では、何年前の生前贈与であっても持ち戻されます。ただし、民法改正で、相続開始から10年を経過してから行う遺産分割協議においては、特別受益の主張自体ができなくなりました。要するに、相続開始から10年以内に遺産分割調停等を申し立てていれば持ち戻しの主張は可能ですが、そうでない場合は特別受益による持ち戻しは主張できなくなります。

相続税の計算と遺産分割では、考え方が異なります。
誤解のないよう整理したうえで対策を講じるとよいでしょう。

生前贈与を他の相続人に秘密にできる?

被相続人から受けた生前贈与を、他の相続人に秘密にすることは難しい場合が多いです。
相続開始後、各相続人は単独で被相続人の預貯金入出金履歴などの取り寄せができ、これにより贈与が判明する可能性が高いためです。

また、生前贈与は相続税の計算にも影響することから、税務署へ「贈与税の申告内容の開示請求」を行うことで、他の相続人の一定期間分の贈与税申告書を確認できる場合があります。
これらにより、生前贈与が判明する可能性が高いでしょう。

まとめ

生前贈与に関する相続トラブルを紹介するとともに、生前贈与に関する相続トラブルを防ぐ対策について解説しました。

生前贈与に関する相続トラブルには、税金に関するものや相続争いに関するもの、被相続人の生前に関するものなどが挙げられます。
生前贈与にはメリットが多い一方で、注意点も少なくありません。

そのため、自己判断で行うのではなく、相続にくわしい弁護士に相談したうえで慎重に行う必要があるでしょう。

Authense法律事務所は遺産相続案件に力を入れており、生前贈与が絡む相続争いについて弁護士が代理で交渉することで解決に至った実績も豊富です。
生前贈与に関して相続トラブルが発生したら、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。創価大学法学部卒業。創価大学法科大学院修了。不動産会社やIT企業などの顧問弁護士として企業法務に携わるとともに、離婚や相続をはじめとする一般民事、刑事弁護など、様々な案件に取り組んでいる。また、かつてプロ選手を志した長年のサッカー経験からスポーツ法務にも強い意欲を有し、スポーツ法政策研究会に所属し研鑽を重ねる等、スポーツ法務における見識を広げている。
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