コラム

公開 2022.08.02

死亡後の口座凍結までの日数は?凍結されたらどうすればよい?

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口座名義人が死亡すると、銀行の口座が凍結されます。では、口座凍結はどのタイミングでなされるのでしょうか?
この記事では、口座凍結についての情報や口座凍結後の対応、口座凍結に備えた生前の対策などについて相続に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。

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口座凍結はどうすればわかる?確認方法

人が亡くなると、銀行口座が凍結されると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
銀行の口座凍結がされたことの確認方法としては、主に次のものが考えられます。

故人の口座が凍結されているか金融機関へ問い合わせる

預金先の金融機関で確認をすることで、口座凍結がされているかどうかを確認することができます。

ただし、口座凍結されたかどうかを問い合わせることによって、少なくともその時点では口座凍結がなされる可能性が高い点に注意しましょう。
口座凍結の有無を確認する過程で、口座名義人が亡くなったことを金融機関へ伝えざるを得ないと考えられるためです。

キャッシュカードでお金の引き出しを試してみる

故人名義のキャッシュカードでATMからお金を引き出そうとしてみることで、口座凍結がされたかどうか確認することができます。
エラーが出て引き出すことができなければ、口座が凍結されていることがわかります。

ただし、相続開始後に故人のキャッシュカードでお金を引き出すことには多くの問題がありますので、こちらについては後ほど詳しく解説します。

故人の口座にお金を振り込んでみる

口座凍結がされると、その口座への振り込みもできなくなります。
そのため、故人名義の口座に相続人の口座など別の口座から振り込み手続きをしてみることで、口座凍結の有無が確認できます。

既に口座凍結がされていれば、故人の口座への振り込みはできません。

故人の口座にお金を入金してみる

口座凍結がなされると、その口座からの出金のみならず、入金もできなくなります。
そのため、故人名義の口座にATMなどから現金を入金しようとしてみることで、口座凍結の有無が確認できます。

既に口座凍結がされていれば、エラーが出て入金はできません。

死亡後口座凍結までの日数は?

素材画像 カレンダー
死亡から口座が凍結されるまでの日数は、どのくらいかかるのでしょうか?

実は、どのくらいの期間で口座が凍結されるのかはケースバイケースであり、一律でお伝えできるものではありません。
死亡後すぐに凍結される場合もあれば、死亡後数か月が経過しても凍結されないままの場合もあります。

金融機関が死亡を知ると口座凍結される

口座凍結までの日数がまちまちである理由としては、口座凍結のタイミングが、その金融機関が死亡の事実を知ったときであるためです。

そして、金融機関が死亡の事実を知る方法もさまざまであり、一律ではありません。

金融機関が口座名義人の死亡を知る方法として最も一般的なのは、相続人などの親族や関係者からの連絡です。
中には、窓口で預金を引き出そうとした相続人が、口座名義人が死亡したことを伝え、その場で口座凍結がなされる場合もあります。

また、金融機関によっては、葬儀の看板などの案内や新聞の弔事欄を見て口座凍結をする場合もあります。
死亡した人が企業経営者である場合などには、会社や取引先からの連絡などで凍結する場合もあるでしょう。

ただし、仮に誤った情報に基づいて口座凍結をしてしまっては大問題へと発展しかねないため、金融機関としては、ある程度確実な情報がなければ凍結をしないことが一般的だと考えられます。

このように、遅くとも相続人などからの連絡があった時点では口座凍結がなされるものの、それ以前に葬儀看板などを見て口座凍結をするかどうかは、金融機関の方針や故人の状況などによりまちまちです。

口座凍結される理由

口座名義人が亡くなった場合、なぜ金融機関は口座凍結を行うのでしょうか?

そもそも大前提として、金融機関はいくら家族であっても本人以外の第三者が口座を使用することを想定していません。
故人の口座がそのまま使えてしまっては、マネーロンダリングなど犯罪に使われるなどリスクが高くなってしまいます。

そのため、本人が亡くなった時点で口座がいったん使えなくなることは当然だといえます。

また、口座凍結がなされるのには、次の2つの理由もあります。

相続財産を確定させるため

相続が起きた後、いつまでも口座が動いていては、入出金が繰り返されて相続財産の確定が困難となってしまうでしょう。
死亡時点で口座凍結をすることで、死亡時点での相続財産を確定しやすくしています。

相続争いを防ぐため

相続が起きてからも自由に入出金ができるとなれば、キャッシュカードを預かっている一部の相続人が勝手に預金を引き出すなどしてしまうリスクが高くなります。

勝手な預金の引き出しは、相続争いの原因となることが少なくありません。

口座名義人の死亡を知りながら、金融機関が口座凍結をしないでいる間にキャッシュカードで預金を引き出されてしまうようなことがあれば、金融機関が他の相続人から責任を追及される可能性もあるでしょう。

死亡後口座凍結前に預金を引き出す問題点

口座名義人が亡くなっても、金融機関が死亡を知らない間は、口座凍結はされていません。
そのため、口座凍結がされる前であれば、事実上、手元にある故人のキャッシュカードを使って預金を引き出すことはできてしまうでしょう。

夫婦や同居の親子であれば、生前から預金の管理や引き出しを任されていることも多く、生前の延長で特に疑問を抱くことなくキャッシュカードでお金を引き出してしまうこともあるかもしれません。
しかし、故人のキャッシュカードで故人の預金を引き出すことには、次のような問題やリスクがあります。

キャッシュカードを本人以外が使うことは金融機関の規約違反になる

銀行口座を開設する際には、口座の利用に関する約款が交付されることが一般的です。
大多数の金融機関は、この約款において本人以外のキャッシュカードの利用を禁じています。

つまり、故人のキャッシュカードを勝手に使用することは、ほとんどの場合で金融機関の規約違反となります。

他の相続人から使い込みを疑われ相続争いに発展する危険性がある

口座名義人が亡くなった時点で故人名義であった財産は、原則としてすべて相続の対象となります。
死亡時点で口座に入っていた預金も例外ではありません。

そのため、一部の相続人がキャッシュカードで勝手に預金を引き出した場合には、他の相続人から相続財産の使い込みを疑われることになりかねません。

いったん疑義が生じるとこれが原因で疑心暗鬼となり、相続争いに発展する可能性があります。

単純承認とみなされ相続放棄ができなくなる可能性がある

被相続人の口座から預金を引き出したからといって直ちに単純承認とみなされるものではありませんが、引き出した預金を相続人自らのために使った場合はもちろん、過大な葬儀費用に充てたりした場合などにも単純承認とみなされる可能性があります。また、裁判では単純承認にあたらないとされるケースであっても、債権者から単純承認を争われ紛争になる可能性もありますので、注意が必要です。

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口座凍結はいつ解除される?

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故人の預金口座が凍結されると、その後いつ凍結は解除されるのでしょうか?

口座凍結は、その預金の引き継ぎ先が決まり、金融機関で預金引き継ぎの手続きをした時点で解除されます。
一般的なケースとしては、相続人間で遺産分割協議がまとまって、協議の結果を記した遺産分割協議書や金融機関所定の用紙を金融機関に提示した時点です。

この場合、仮に長男がその金融機関の預金を相続することとなったのであれば、故人名義の口座を長男に名義変更するか、故人名義の口座を解約して口座内の金額を長男が指定した金融機関口座へと振り込む形で口座凍結が解除されます。

口座凍結後に当面の生活費を引き出す方法

金融機関の口座凍結がされてしまった後で、資金が必要となる場合にはどのように対応すればよいのでしょうか?

たとえば、遺産分割協議がなかなかまとまらない中で、口座内のお金を使わないと故人の葬儀費用が捻出できない場合や、家庭の資産がすべて故人である夫の口座に入っている妻が当面の生活費に困窮してしまう場合などです。

この場合には、次の方法を検討しましょう。

裁判によらない仮払い制度を利用する

預金の仮払い制度が民法改正で新設され、2019年7月から施行されています。

この制度は、遺産分割協議がまとまる前であっても、各相続人が単独で一定額までの預金を引き出せる制度です。
制度の利用にあたって、他の相続人の承諾などは必要ありません。

この制度を使って引き出すことができる預金の額は、金融機関ごとに次のうちいずれか低い金額とされています。

  1. 150万円
  2. その金融機関にある相続開始時点での故人の預金額×3分の1×仮払いを受ける相続人の法定相続分

仮に相続開始時点の預金残高が600万円であり、仮払いを受ける相続人の法定相続分が2分の1である場合には、仮払いを受けられる金額は次のように計算できます。

  1. 150万円
  2. 600万円×3分の1×2分の1=100万円

150万円 > 100万円であるため、仮払いを受けられる金額は100万円となります。

仮払いを受けた金額は、いわゆるもらい得になるわけではなく、相続分の先取りとして、その後行われる遺産分割で調整されることとなります。

裁判上の仮払い制度を利用する

先ほど解説した仮払い制度では、上限額が比較的低く抑えられています。

しかし、長期にわたって遺産分割協議がまとまらない場合など、裁判によらない仮払い制度で仮払いを受けた金額のみでは不足が生じてしまう場合もあるでしょう。
この場合には、裁判上の仮払い制度の活用を検討します。

裁判上の仮払い制度は、諸般の事情を考慮したうえで、仮払いを受けられる金額を裁判所が決定する制度です。

ただし、仮払いが認められるのは、次の2つの要件を満たす場合限られます。

  • 生活費の支払いなどの事情によって仮払いの必要性があること
  • 他の相続人の利益を害しないこと

裁判上の仮払いの場合にも、仮払いを受けた金額は、後の遺産分割協議において調整されることとなります。

生前に検討すべき口座凍結対策

口座凍結によって家族が当面の生活資金に困る可能性がある場合には、事前に対策をしておくとよいでしょう。
検討すべき対策は次のとおりです。

必要となる資金を引き出しておく

生前にまとまった資金を引き出して自宅の金庫などで保管をしておくことで、口座凍結がなされても家族が当面の生活費を確保することができます。

ただし、この場合には盗難に注意すべきであるほか、自宅に置いた現金の金額の情報を他の相続人にも共有するなど、家族が使い込みや隠匿を疑われないような対策が必要です。

また、預金を現金にしたからといって、その分が相続税の対象から除外されるわけではありません。
相続税がかかる場合には、現金についても正しく申告しましょう。

生前贈与をしておく

家族に対して生前贈与をしておくことも、相続開始後の資金不足に対する有効な対策となります。
家族がそれぞれある程度の預金を保有しておけば、当面の生活費を捻出することができるでしょう。
死亡によって口座凍結されるのは亡くなった本人の口座のみであり、家族の口座までもが凍結されるわけではありません。

ただし、まとまった資金を一気に贈与した場合には、贈与税の対象となります。
贈与をする際には、その贈与に対してどの程度の贈与税がかかるのか、あらかじめ税理士などの専門家へ相談して確認しておきましょう。

遺言書を作成しておく

預金口座の凍結は、その金融機関の預貯金を相続する人が決まるまでの一時的な措置です。
そうであるとはいえ、遺産分割協議が難航して長期化すればいつまで経っても凍結が解除されません。

一方で、故人が遺した有効な遺言書で預金の承継者が定められていれば、預金の承継者や遺言執行者が手続きをすることでスムーズに預金を引き出すことが可能となります。
この際、他の相続人の承諾などは必要ありません。

ですから、あらかじめ遺言書を遺しておくことも、口座凍結対策として有効です。

生命保険を契約しておく

生命保険金は預貯金とは異なり、指定された受取人独自の財産とされています。
そのため、受取人が定められている生命保険金は受取人が単独で手続きすることができ、受け取り手続きにあたって他の相続人などの協力を得る必要はありません。

生命保険契約を締結しておくことで、相続開始後にまとまったお金を特定の人へスムーズに渡すことが可能となります。

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まとめ

相続が起きたことを金融機関が知ると、その時点で預金口座が凍結されます。
口座凍結は遺産分割協議がまとまるなどすれば解除されますが、それまでの資金に困窮してしまう場合もあることでしょう。

こうした事態に備えるため、生前の対策が重要となります。
また、相続開始後であれば、預金の仮払い制度などを活用して対応することが可能です。

相続開始後の口座凍結や生前対策、他の相続人の使い込みなどでお困りの際には、Authense法律事務所までご相談ください。
Authense法律事務所には相続に詳しい弁護士が多数材先しており、総合力で相続問題の解決をサポートいたします。

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・被相続人の口座が凍結されてしまった場合には、ご相談ください。
相続人としてどのような行動をとるべきかアドバイスをさせていただくほか、必要に応じて仮払い制度の利用をすすめつつ、遺産分割協議においてご依頼者様の代理人として交渉することで、相続手続の負担を軽減し、遺産分割完了、ひいては口座凍結の解除までサポートいたします。

・ご自身の相続について、相続発生後、葬儀費用やご家族の当面の生活資金等の必要性から口座凍結がご心配な方は、相続人の手元にお金を残す方法や、遺言の作成についてアドバイスをいたします。

記事を監修した弁護士
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弁護士 
(神奈川県弁護士会)
早稲田大学法学部卒業、早稲田大学法学部法務研究科を修了。これまで離婚、相続など個人の法律問題に関する案件を数多く取り扱い、依頼者の気持ちに寄り添った解決を目指すことを信条としている。複数当事者の利益が関わる調整や交渉を得意とする。現在は不動産法務に注力。
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