コラム

公開 2022.07.13 更新 2024.04.07

固定資産税が高すぎる?評価不当な固定資産税についての対応方法

固定資産税が高すぎる?評価不当な固定資産税についての対応方法

固定資産税の評価が高すぎると感じた場合、当該評価が妥当かどうかはどのように確認すれば良いのでしょうか?
また、評価不当の場合には、どのような手続きをとれば良いのでしょうか?
相続に詳しい弁護士が解説します。

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「固定資産税」とは?

固定資産税とは、市町村に納める地方税の1つで、所有する固定資産に課せられる税です。
個人の場合は、土地や家屋を所有されている方に課せられます。
固定資産税は、固定資産税評価額の1.4%前後になります。
場所によっては、都市計画税も課せられますが、都市計画税は0.3%以下となります。

固定資産税については、毎年4~6月に、同年1月1日の所有者に対して、納税通知書が送付されます。
固定資産税評価額や税額は、地方自治体が算出します。
 
それでは、この「固定資産税評価額」について、他の土地に比べて高いなと感じた場合は、どのような手続きをとれば良いのでしょうか?
 

固定資産税の金額が誤っているケース

固定資産税の金額が誤っているケース

固定資産税の金額が誤っているケースは、大きく2種類に分けられます。

1つは、評価額が誤っているケースです。
そもそも、固定資産自体の評価額が誤っているということです。
これは、固定資産税評価額が正しいかどうかを判断できる、不動産鑑定士などに相談をして、固定資産税の誤りを指摘することになります。
誤りがある場合は、市区町村役所の固定資産税を管轄している担当部署に相談したり、後述の審査の申出を行うようにしましょう。

もう1つは、本来、適用されるべき特例が適用されず、固定資産税が高くなっているケースです。
固定資産税には、税額が軽減される特例がいくつかあります。
代表的な特例としては、「住宅用地の特例」があります。
住宅用地の特例は、住宅やアパート等の敷地として利用されている土地(住宅用地)については、評価額を一定の割合で減額することにより税金が軽減されるという特例です。
こちらの特例が適用されているか否かは、納税通知書を確認すれば記載されていますので、まずは納税通知書を確認してみましょう。

【特例の内容】

  1. 小規模住宅用地(住宅用地のうち200㎡以下の部分)
    • 固定資産税:評価額×1/6×税率
    • 都市計画税:評価額×1/3×税率
  2. 一般住宅用地(住宅用地の200㎡を超える部分)
    • 固定資産税:評価額×1/3×税率
    • 都市計画税:評価額×2/3×税率

特例が適用されるべき土地なのに適用されていない場合は、市区町村役所の固定資産税を管轄している担当部署に相談にいきましょう。
特例の適用を認めてもらえれば、翌年から固定資産税が減額となります。
もし、過去の分(払いすぎた固定資産税分)も返してほしいという場合は、いつから住宅用地なのかを証明できる資料を準備して、還付の請求をすると良いでしょう。
請求方法などが分からない場合は、固定資産税に詳しい弁護士や税理士に相談すると良いでしょう。

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固定資産税が高すぎると感じたら~委員会への審査の申出~

固定資産税が高すぎると感じたら~委員会への審査の申出~

例えば、親から相続した土地の評価額自体が高すぎると感じた場合、どのような手続きをとれば良いのでしょうか?

固定資産税の納税者は、固定資産税の金額に不服がある場合、固定資産課税台帳の登録された価格(評価額)に対する納税者からの不服を審査・決定するため、地方税法に基づき設置された中立的機関である固定資産評価審査委員会への審査の申出ができます。

固定資産税は、3年に1度、評価替えを行うため、原則として評価替えを行う年度のみ、審査の申出が可能です。
しかし、以下の場合は、評価替えの年度以外でも、審査の申出をすることができます。

  1. 家屋の新築や土地の分筆等により、新たに価格等が固定資産課税台帳に登録された場合や、家屋の増改築や土地の地目の返還等によって価格が変わった場合等
  2. 家屋の増改築や土地の地目の変換等によって、評価替えをすべき旨を申し立てる場合
  3. 地価の下落により修正された土地の、価格の修正に関する部分
  4. 地下の下落に伴う土地の価格の修正がされなかった土地について、修正されるべきである旨を申し立てる場合
  5. 償却資産の価格に関する事項

※固定資産課税台帳

固定資産税の課税対象となる土地、建物等に関して、その所在、所有者、評価額等を登録した帳簿。

※償却資産

土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上、損金又は必要な経費に算入されるもの

審査の申出は、固定資産税の納税者(課税年度の賦課期日である、1月1日現在の固有資産の所有者)又は代理人となります。
代理人には、弁護士、税理士などの有資格者のみならず、納税者の家族なども代理人となることが可能です。
審査の申出期間は、固定資産課税台帳に価格等の登録した旨の公示日(通常4月1日)から、納税通知書の交付を受けた日から3ヵ月以内です。

審査の申出については、予め、税務課から課税根拠などについて説明を受けた上で、弁護士、不動産鑑定士などに相談の上、手続きをとるようにしましょう。
 
審査の結果、固定資産評価審査委員会が下した決定に不服があるときは、決定があったことを知った日から起算して6ヵ月以内に、裁決の取消を求めて訴訟を提起することができます。
決定の日の翌日から起算して1年を経過すると、訴訟の提起はできなくなります。
審査の申出をせずに、訴訟を提起することはできませんので、固定資産税評価に不服がある場合は、必ず審査の申出を行うようにしましょう。

まとめ

普段、何気なく支払っている固定資産税ですが、もしかしたら払いすぎている場合があるかもしれません。
納税通知書を確認して、固定資産税が高いなと感じた場合は、一度弁護士や税理士にご相談いただくことをおすすめします。
通常これまで経験がないことで、なぜ固定資産税評価額が高くなってしまっているのかについて正確に理由を把握することが難しい場合もあると思いますので、一度関係書類をご持参のうえご相談ください。

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弁護士 
(千葉県弁護士会)
法政大学法学部法律学科卒業、日本大学大学院法務研究科修了。家事事件(遺産相続、離婚問題など)、一般民事(交通事故、債権回収など)から、企業法務まで幅広く取り扱う。管理業務主任者、宅地建物取引主任者資格も有し、不動産が関わる法律問題の解決にも対応する。
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