債権回収のよくある質問

一般的な債権回収方法

債権回収のための交渉で、気を付けるポイントはありますか。

当事者同士で回収交渉をする場合、従前の人間関係が影響して過度に感情的になってしまい、脅迫行為や恐喝行為とも取られうる行為に及んでしまうといったケースも起こりえます。
まれなケースではありますが、実際に、債権回収の場面で、交渉内容が脅迫行為や恐喝行為であるとして、認定された判例もあり、債権回収の場面では、交渉の仕方に気を付けなければなりません。
また、債権回収の場面では、当事者が想像以上に感情的になってしまい、協議が思うように進まないこともあります。そのため、交渉の際には、どういったことを決めるのか事前にまとめておくとよいでしょう。
弁護士にご依頼いただいた場合、上記のようなトラブルを回避できるメリットもあります。

効果的な内容証明郵便の書き方はなんですか。

間違った内容の内容証明郵便を送ってしまうと、それが後の裁判で提出された際、こちらの主張について疑いを持たれかねません。譜求の根拠を書き、どのような支払いを請求するのか、相手方にどのように対応してもらいたいのか等をできるだけ簡潔に、かつ明確に書くことが大事です。そうしたうえで、相手がそれに応じなかった際に、どんな手段を取るつもりなのかなどを書きましょう。
それと忘れてならないのは、必ず配達証明を取るようにしてください。
法律的な効果を持つ文書は、それが相手方に到達したときに効力が生じます。いつ届いたのかが争いになった場合は配達証明付きで出してあれば、その文書は裁判上十分な証拠力を持つことになります。

債務者の取引先の債権を譲り受け相殺する方法で債権を回収できるのですか。

できます。債権の回収は、何も現金で耳を揃えて返してもらう方法ばかりではありません。
よく利用される債権回収の手段の1つとして、「債権譲渡」があります。これは、債務者の所有している債権を、債務者の弁済として受け取る方法です。ただ、債権は自由に、誰に対しても譲渡できますので、追い込まれた債務者は何人もの債権者に対して、同じ債権を譲渡してしまうなんてことも考えられます。
そこで、債権譲渡の場合には、債権の譲渡人が譲り渡す債権の債務者に通知をするか、または債務者が債権譲渡の承諾をしたときに、債務者や他の債権者などに譲り受けた権利を主張できます。
なお、この通知や承諾は、確定日付のある証書によって行うことが必要です。
したがって、上記の点に気を付けつつ、債権譲渡を受ければ相殺をすることができます。

債権回収の一環として、ADRも利用できるのですか。

できます。企業間や私人間でトラブルが起きると、解決のために裁判の利用を検討することがありますが、トラブルが起きたからといって、必ず裁判所の裁判手続きを利用しなければならないわけではありません。
裁判によらない裁判外のトラブル解決の方法が「裁判外紛争解決手続(ADR)」とよばれるものです。
ADRには強制力がない場合もありますが、訴訟よりもコストがかからないため、紛争解決の一環として利用されています。

少額訴訟と通常の訴訟はどちらを利用した方がよいのですか。

場面に応じて異なります。大切なのはどちらの手続きがどのように異なっているかを知っておく必要があります。
通常訴訟も少額訴訟も、どちらも裁判所で行う訴訟のことです。
まず、第1に少額訴訟には60万円までの金銭支払請求を目的とする場合に使えるという民事訴訟法上の決まりがあります。したがって、少額訴訟を使いたくても60万円以上の債権の回収には使えないということは注意が必要です。一方で、通常の訴訟には訴額の制限はありません。
第2に、同じ裁判所には1年に10回までしか提起できません。これは、貸金業者が少額訴訟を濫用することを防止するためです。
第3に、少額訴訟は反訴できないのですが、通常訴訟では反訴ができます。
第4に、少額訴訟の証拠調べはすぐに取調べができるものに限定されますが、通常訴訟にはこういった制限がありません。
最後に、少額訴訟は一期日で判決が出ますが、通常訴訟は基本的にもっと長い期日が必要になります。
このように両手続きは「訴訟」を行うものであることに変わりはありませんが、異なる点がいくつもあります。
したがって、両手続きの中で選ぶ際には、当事者の状況に応じて、慎重に検討する必要があります。

支払督促のやり方と流れを教えてください。

申立人は、まず支払督促申立書に必要事項を記入して、相手方の住所地の簡易裁判所に提出することになります。
申立書は裁判所で交付してもらえるほか、裁判所のHPからもダウンロードできます。
そこで、申立書を受理したあと、簡易裁判所書記官が申立書の内容を審査します。
申立ての主張から請求に理由があると認められる場合には、裁判所書記官が支払督促状を発付して、相手方に送達します。その際に、申立人には、支払督促を相手方に発付したことを通知する文書が、簡易裁判所から送られます。この場合に、相手方が支払督促について裁判所に異議申立てをしないで申立人に支払いを行えば、紛争は解決されますので、支払督促手続きはその段階で終了します。
一方、相手方が支払督促に納得がいかないと判断し異議を裁判所に申立てた場合、異議申立てが受理されると支払督促は失効し、通常の民事訴訟の手続きに移行します。
民事訴訟は、紛争の対象となる金額が140万円以下の場合は簡易裁判所で、140万円を超える場合は地方裁判所で行われることになります。そこで、通常の訴訟手続きとして、当事者の主張、証拠調手続きがなされ、勝訴・敗訴の結論が最終的に下されて裁判は終結します。

民事調停のやり方と流れを教えてください。

民事調停の申立ては書面、もしくは口頭で行うことができます。申立ては原則として相手方の住所を管轄する簡易裁判所となります。
まず、裁判所にある調停申立書に必要事項を記入し、裁判所の窓口に提出してこの手続きは始まります。
申立書に記載する事項は、当事者の住所・氏名、申立ての趣旨及び原因、紛争の要因またはその実情などです。
これらに記載をしたのち、収入印紙を納付し、証拠関係の書類もあわせて提出することになります。
申立てが受理されると調停委員が組織され、裁判所によって調停期日が決定されます。そして相手方に調停申立書の副本と共に裁判所へ出頭するよう呼び出しがなされることになります。
そのあと、まず第一回期日が行われます(ここまでで約1か月程度要する。)。そこでは裁判と同様、調停委員の仲介の下話し合いを中心に証拠調べ等も行われます。
話し合いの結果、双方合意の和解案が成立すれば裁判所によって「調停調書」が作成されます。
仮に、話し合いがまとまらない場合、裁判所が代わりに調停案を提示するという制度が用いられることがあります。これは、調停が成立する見込みがないときに裁判所が双方の公平を考慮しながら、民事調停委員の意見をもとに必要な決定をすることができるものです。
このようにして何らかの結論(もちろん、不調に終わったという結論も含まれます。)がでることで民事調停は終了します。

交渉した結果、債務者から割賦形式で債権回収を図ることはできますか。

できます。当事者で話し合った結果、債務者が分割払いであれば支払うことができるのであれば、それを新たな契約書にその合意内容を明記しておきましょう。
その際に、合意内容として、何回に分けて支払うのか、期日はいつなのか、利息はどのようにするのか、支払うことができなかった場合はどのような制裁(サンクション)があるのか等しっかりと合意しておいてください。
そうしておくことで、のちの紛争リスクを最小限に抑えることができます。
この場合、公正証書を作成することも有益です。

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