コラム
公開 2026.02.12 更新 2026.02.27

法人破産の手続きの流れは?注意点を弁護士がわかりやすく解説

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法人で債務超過や支払不能に陥った際は、法人破産が選択肢に入ります。
法人破産では法人を清算し解散することとなるものの、ゼロからの再スタートを切りやすくなります。

では、法人破産の手続きはどのように進めればよいのでしょうか?
また、法人破産の手続きをする際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?

今回は、法人破産の概要や手続きの流れ、法人破産の手続きを進める際の注意点などについて、弁護士がくわしく解説します。

なお、当事務所(Authense法律事務所)は破産管財人の業務経験のある弁護士や裁判官経験者が在籍しており、法人破産の手続きを的確に実現できます。
法人破産をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(千葉県弁護士会)
法政大学法学部法律学科卒業、日本大学大学院法務研究科修了。家事事件(遺産相続、離婚問題など)、一般民事(交通事故、債権回収など)から、企業法務まで幅広く取り扱う。管理業務主任者、宅地建物取引主任者資格も有し、不動産が関わる法律問題の解決にも対応する。
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法人破産手続きとは?

法人破産手続きとは、債務超過や支払不能の状態に陥り存続が困難となった会社(法人)を、裁判所の関与のもとで清算し、会社を消滅させる手続きです。

法人破産を申し立てると清算手続きを担う破産管財人が選任され、その破産管財人が会社の資産を換価します。
そのうえで、換価によって得た金銭を債権者(会社にお金を貸している者や、会社への売掛金を持っている者など)に配分し、最終的に会社を消滅させます。

法人破産では、会社を存続させることはできません。
その反面、いったんゼロの状態にリセットし、そこからの再起をはかりやすくなります。

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法人破産手続きの流れ

法人破産の手続きは、どのように進めればよいのでしょうか?
ここでは、法人破産の手続きの流れを解説します。

  • 弁護士に相談する
  • 申立ての準備をする
  • 裁判所に法人破産を申し立てる
  • 裁判所と弁護士が面談する
  • 破産管財人が選任される
  • 財産の調査・換価が行われる
  • 債権者集会が開かれる
  • 債権者に配当がなされる
  • 破産手続きが終結する

弁護士に相談する

法人破産を進めたい場合、まずは弁護士に相談します。

法人破産の手続きを的確に行うには専門的な知識が必要です。
また、万が一申立てに失敗すれば法人破産ができなくなり、甚大な影響が及びかねません。
そのため、法人破産は実績豊富な弁護士のサポートを受けて行うことが鉄則であるといえます。

法人破産をご検討の際は、Authense法律事務所までご相談ください。
当事務所は破産申立てに精通した弁護士が在籍しており、豊富な実績を元に的確なサポートを提供しています。

申立ての準備をする

弁護士とともに、申立てに向けて準備を進めます。
ここでは、法人破産の手続きで必要となる主な準備について解説します。

ただし、具体的に必要となる準備は状況によって異なります。
実際に法人破産をしようとする際は、弁護士からの助言をもとに必要な準備を行ってください。

  • 必要書類を用意する
  • 予納金・弁護士費用を準備する
  • 賃貸物件を明け渡す
  • 従業員を解雇する

必要書類を用意する

法人破産を申し立てる準備として、必要書類を用意します。
必要書類は状況によって異なるものの、次のものなどが必要となることが一般的です。

  • 破産手続開始申立書
  • 破産しようとする法人の登記事項証明書
  • 直近2期分の貸借対照表・損益計算書
  • 直近2期分の税務申告書の控え
  • 申立日時点の清算貸借対照表
  • 財産目録
  • 債権者一覧表
  • 代表者の陳述書(破産に至った経緯を説明する書類)
  • 破産申立についての取締役会議事録(または取締役の同意書)
  • 財産の内容が分かる書類
    • 不動産の全部事項証明書
    • 車検証
    • 預貯金通帳のコピー
    • 生命保険証券のコピー
    • 賃貸借契約書のコピー
    • リース契約書のコピー

ただし、具体的な必要書類は状況によって異なるため、弁護士とともにその状況に応じた必要書類を用意します。

予納金・弁護士費用を準備する

法人破産手続きを申し立てるには、弁護士報酬や裁判所に納める予納金などが必要です。
申立ての準備として、これらを用意しましょう。

弁護士報酬は依頼する弁護士や法人の規模などによって異なるものの、50万円から300万円程度であることが一般的です。
一方で、予納金の額は法人の負債総額や債権者数によって異なり、東京地方裁判所に申し立てる場合は次のとおりです。※1

負債総額 法人破産の予納金額
5,000万円未満 70万円
5,000万円~1億円未満 100万円
1億円~5億円未満 200万円
5億円~10億円未満 300万円
10億円~50億円未満 400万円
50億円~100億円未満 500万円
1000億円~ 700万円~

ただし、これはあくまでも東京地方裁判所の例であり申し立てる裁判所によって異なるほか、事情に応じて予納金額が変動することもあります。
なお、通常の法人破産と比較して簡易迅速に行える「少額管財事件」である場合には、予納金が「20万円~」となります。

賃貸物件を明け渡す

予納金の額が、会社が借りている物件の有無によって変動する(会社が借りている物件があると、予納金額が高くなる)ことがあります。
その場合には、法人破産を申し立てる前に賃貸物件を明け渡すことを検討します。

ただし、これは必須ではなく、状況に応じて物件を借りたまま申し立てをすることもあります。
申立ての前に物件を明け渡す方がよいか否かは状況によって異なるため、弁護士と相談したうえでタイミングを検討するとよいでしょう。

従業員を解雇する

法人破産を申し立てる場合、原則として申立てに先立って従業員を解雇しなければなりません。
従業員を解雇したうえで、必要に応じて解雇予告手当を支払います。

また、これに伴って源泉徴収票の作成や、失業保険の手続きなどの手続きも必要となります。

裁判所に法人破産を申し立てる

準備が整ったら、裁判所に法人破産を申し立てます。
法人破産手続きの申立て先は、法人の主たる営業所(本店所在地など)がある地域を管轄する地方裁判所です。

法人破産の申し立ては、弁護士が代理人として行うことが原則です。

裁判所と弁護士が面談する

管轄の裁判所によって異なるものの、法人破産の申立て後の早い段階で、裁判所と弁護士が面談することがあります。

この面談は今後の法人破産手続きを円滑・迅速に行うことを目的として行われるものです。
裁判官と申立人の代理人である弁護士のほか、破産管財人の候補者である弁護士が出席することが一般的です。

破産管財人が選任される

続けて、裁判所によって破産管財人が選任されます。

破産管財人とは、法人の破産へ向けた具体的な役割を担う人です。
具体的には、破産をする法人の財産の管理や換価、債権者への配当などを行います。

破産管財人は、管轄地域の弁護士(弁護士会倒産委員会)の中から、破産事件に関する実績や専門性などを考慮して裁判所が選任します。

破産管財人の選任後、早い段階で破産管財人と法人の代表者、申立人の代理人である弁護士が法人の資産状況や今後の流れ、補充資料の準備などの協議をします。

なお、Authense法律事務所には破産管財人の業務経験のある弁護士が多数在籍しており、破産事件への実績や知識が裏打ちされています。
法人破産の実績が豊富な弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までご連絡ください。

財産の調査・換価が行われる

破産管財人が選任されると、法人の財産などはすべて破産管財人に引き継がれます。
そのうえで、破産管財人によって財産の調査や換価が行われます。

債権者集会が開かれる

続けて、裁判所で債権者集会が開かれます。
債権者集会には破産しようとする法人の債権者のほか、破産管財人や代理人弁護士、破産しようとする法人の代表者などが出席します。
債権者集会では破産管財人から債権者に対して法人の資産や換価の状況、今後の予定などが説明されます。

なお、債権者集会は1度だけである場合もある一方で、複数回にわたって行われることもあります。

債権者に配当がなされる

換価された法人の資産が、債権者に対して分配(配当)されます。
この手続きは、破産管財人によって行われます。

なお、換価すべき資産がない、あるいは極めて少ない場合には、異時廃止され、配当は行われません。

破産手続きが終結する

配当手続きが完了したら破産手続きの終了決定がなされて、破産手続きは終結します。
また、会社の法人格が消滅し、債務も消滅します。

法人破産手続きを進める際の注意点

法人破産手続きを進める際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
ここでは、主な注意点を3つ解説します。

  • 弁護士に依頼してから申立てまでには一般的に数か月を要する
  • 自分で法人破産手続きをするハードルは非常に高い
  • 代表者の自己破産も必要となることがある

弁護士に依頼してから申立てまでには一般的に数か月を要する

法人破産手続きの申立てには、書類の準備のほか従業員の解雇などさまざまな手続きが必要となります。
弁護士に正式に依頼してから申立てまでには数か月(3か月から半年程度)を要することが多いです。
そのため、早い段階からのご相談をおすすめします。

自分で法人破産手続きをするハードルは非常に高い

法人破産の手続きは非常に難易度が高く、自社だけで行うのは現実的ではありません。
そのため、弁護士のサポートを受けて行うことをおすすめします。

法人破産のサポート実績が豊富な弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

代表者の自己破産も必要となることがある

法人が借入れをする際に、法人代表者個人が連帯保証人となっていることがあります。
この場合には法人だけが破産をしても借入金の返済義務は消えず、連帯保証人である代表者個人に対して取り立てがなされることとなります。

そのため、この場合には法人破産と併せて、代表者個人の自己破産も検討しなければなりません。

法人破産手続きを弁護士に依頼して行うべき理由

先ほど解説したように、法人破産の手続きは弁護士に依頼して行うことが原則です。
ここでは、弁護士に依頼すべき主な理由を3つ解説します。

  • 法人破産手続きの難易度は高いから
  • タイミングの見極めが重要であるから
  • 法人破産手続きに失敗した場合の影響が甚大であるから

なお、Authense法律事務所は破産管財人の業務経験のある弁護士が多数在籍しているほか、裁判官経験者も在籍しており、法人破産手続きの的確なサポートが可能です。
法人破産をご検討の際や法人の財務状況が悪化してお困りの際には、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

法人破産手続きの難易度は高いから

1つ目は、法人破産手続きの難易度が高いためです。

裁判手続きにはさまざまなものがあり、その中でも法人破産の手続きは難易度が高いといえます。
万が一申立てに失敗すれば、破産をすることができません。

タイミングの見極めが重要であるから

2つ目は、法人破産はタイミングの見極めが重要であり、その見極めには高度な知識や経験を要するためです。

法人破産を検討する場合は、その前提として、借入金の返済や買掛金の支払いが困難な状況となっていることでしょう。
そのような場合には、債権者から差し押さえられる可能性があります。

また、大型の入金があった場合、その使途によっては破産の障害となるおそれがあります。

このように、法人破産の前後で不用意な行為をしてしまうと、破産ができない事態となりかねません。
弁護士のサポートを受けてタイミングを慎重に検討することで、法人破産手続きを的確に遂行しやすくなります。

法人破産手続きに失敗した場合の影響が甚大であるから

3つ目は、万が一法人破産手続きに失敗した場合の影響が甚大であるためです。

法人破産を申し立てたにも関わらずこれが受理されなければ、法人は破産できません。
法人破産ができないということは債権者からの取り立てが止まないということであり、財務状況が行き詰っている中で破産が認められない事態は回避したいことでしょう。

また、破産の準備段階として従業員を解雇していることも多く、法人破産手続きの失敗は取り返しがつきません。

弁護士にサポートを受けることで、法人破産手続きを的確に行いやすくなります。
また、仮に法人破産が難しくなる障害がある場合には、申立てをする前にその旨を助言し、その障害を事前に取り除いたり他の方法を検討したりすることも可能となるでしょう。

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法人破産手続きに関するよくある質問

最後に、法人破産手続きに関するよくある質問とその回答を紹介します。

法人破産手続きをしたい場合にまずすべきことは?

法人破産手続きを検討している場合にまずすべきことは、法人の破産手続きにくわしい弁護士に相談することです。
弁護士に相談することでそのケースにおいて法人破産が最適な選択肢であるかアドバイスが受けられるほか、難易度の高い法人破産の手続きを的確に実行しやすくなるためです。

法人破産をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

法人破産の費用が払えない場合はどうすべき?

法人破産の費用が支払えない場合、まずは会社の資産を売却したり売掛金を回収したりして資金を捻出することを検討します。

その際は相場より安価に売却することは避け、時価相当額で換価するよう心掛けましょう。
市場価格よりも相当程度低い額で換価してしまえば、法人破産にあたって問題となる可能性があるためです。

また、予納金を低く抑えられる「少額管財事件」にできる可能性もあるため、弁護士に相談したうえで検討するとよいでしょう。

法人破産手続きにかかる期間はどのくらい?

法人破産の手続きにかかる期間は状況によって異なるものの、準備期間から手続きの終了まではおおむね6か月から1年程度であることが多いでしょう。

まとめ

法人破産手続きについて、概要や手続きの流れ、法人破産手続きの注意点などを解説しました。

法人破産とは、会社が債務超過や支払不能に陥った際に、法人の資産・債務を清算して会社を消滅させる手続きです。
法人破産手続きのハードルは、低くありません。

そのため、まずは法人破産に関する実績が豊富な弁護士を見つけ、その弁護士のサポートを受けることが手続きの第一歩目となるでしょう。

Authense法律事務所には破産管財人の業務経験のある弁護士や裁判官経験者が在籍しており、法人破産の手続きについて豊富な実績を有しています。
法人破産をご検討の際や、会社が債務超過・支払不能となりお困りの際には、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。

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