法人の資金繰りが悪化して支払不能に陥っている場合や債務超過になっている場合には、法人破産が選択肢に入ります。
では、法人破産とはどのような手続きなのでしょうか?
また、法人破産の弁護士費用は、どの程度かかるのでしょうか?
今回は、法人破産の概要や法人破産にかかる弁護士費用、弁護士費用以外にかかる費用などについて、弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(Authense法律事務所)には破産管財人の業務経験がある弁護士が多数在籍しており、法人破産について豊富なサポート実績を有しています。
法人破産をご検討の際や、法人の資金繰りが悪化して今後の対応にお悩みの際などには、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
目次
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法人破産とは?
法人破産とは、債務超過や支払不能に陥った法人を清算し、法人を消滅させる手続きです。
法人破産を申し立てると、裁判所によって清算を担う「破産管財人」が選任されます。
その後は破産管財人が法人の資産をすべて換価し、その換価金が法人の債権者(法人に対してお金を貸している金融機関や、法人に対する売掛金を有している仕入先など)に分配されます。
これにより法人の資産と負債(債務)が清算され、法人は消滅します。
法人破産をする場合、法人を存続させることはできません。
しかし、法人の債務は消滅するため、それ以上の取り立てから解放されます。
なお、法人の代表者が法人の債務について連帯保証人になっている場合、法人が破産すれば代表者に対して取り立てがなされることとなります。
そのため、連帯保証人となっている場合は、法人のみならず代表者個人の自己破産も検討する必要があるでしょう。
法人破産にかかる弁護士費用の相場の目安
法人破産の手続きは、弁護士に依頼して行うことが一般的です。
弁護士報酬の額は依頼する事務所や破産しようとする法人の規模によって異なるものの、50万円から300万円程度の費用がかかることが多いでしょう。
一般的な中小企業の規模であれば、100万円から200万程度が目安となります。
ここでは、弁護士費用の主な内訳について解説します。
弁護士に依頼しようとする際は、この内訳を参考に、かかる費用の総額を事前に確認しておくと安心です。
なお、Authense法律事務所は破産申立に精通した弁護士が在籍しており、豊富な実績をもとに確かなサポートを提供しています。
法人破産をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
相談料
法人破産について弁護士に依頼する場合、まずは初回相談をして大まかな方向性を定めたり、弁護士の専門性を見極めたりすることが一般的です。
初回相談の費用は事務所によって異なるものの、30分から1時間あたり1万円前後に設定されていることが多いでしょう。
着手金
法人破産について弁護士に正式に依頼する時点で、着手金の支払いが必要となります。
着手金は、申立ての結果を問わず、原則として返金されません。
報酬金(成功報酬)
法人破産に成功した時点で、追加で報奨金(成功報酬)の支払が必要となることが一般的です。
着手金と報酬金とのバランスは事務所によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
事務手数料
着手金や報酬金のほかに、コピーや書類取得などの対価として事務手数料がかかることがあります。
事務手数料が発生する場合、金額は数万円程度であることが多いでしょう。
実費
弁護士が事件の処理にあたって費用を支出する場合、これが実費として請求されることが一般的です。
たとえば、交通費や郵送代、書類取得の手数料などがこれに該当します。
弁護士費用以外に法人破産でかかる費用
法人破産をするには、弁護士費用のほかにも一定の費用がかかります。
ここでは、弁護士費用以外に必要となる主な費用を紹介します。
- 裁判所の申立手数料
- 引継予納金
- 官報への公告掲載費
裁判所の申立手数料
法人破産を申し立てる場合には裁判所に申立手数料がかかりますが、これは原則として1,000円と少額に設定されています。※1
また、裁判所が通信に使用するために郵便切手を納める必要があります。
この予納郵便切手の必要額は裁判所や案件によって異なるものの、おおむね4,000円から6,000円程度です。
引継予納金
弁護士費用のほかにかかる大きな費用としては、この引継予納金が挙げられます。
予納金額は申し立てる裁判所などによって異なり、東京地方裁判所の場合には原則として次のとおりです。※1
ただし、事案によって予納金の額が変動する可能性があります。
| 負債総額 | 法人破産の予納金額 |
| 5,000万円未満 | 70万円 |
| 5,000万円~1億円未満 | 100万円 |
| 1億円~5億円未満 | 200万円 |
| 5億円~10億円未満 | 300万円 |
| 10億円~50億円未満 | 400万円 |
| 50億円~100億円未満 | 500万円 |
| 1000億円~ | 700万円~ |
簡易迅速な手続きである少額管財に該当する場合には、予納金額が「20万円~」と、やや少なくなります。
官報への公告掲載費
法人が破産をする場合、官報に公告をする必要があります。
これは、法人が破産することを一般債権者に知らせるために行うものです。
官報への広告掲載費は、1万5,000円から2万円程度です。
法人破産を弁護士に依頼して進めるべき理由
法人破産について弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかるものの、弁護士に依頼せずに法人破産を進めることはおすすめできません。
ここでは、法人破産を弁護士に依頼して行うべき主な理由を4つ解説します。
- 少額管財が選択肢に入るから
- 法人破産が最良の選択であるか否か事前に相談できるから
- 法人破産は非常に難易度の高い手続きであるから
- 法人破産に失敗すればその影響は甚大であるから
なお、Authense法律事務所は破産申立てに精通した弁護士が在籍しており、破産管財人の業務経験がある弁護士が多数在籍しています。
法人破産について豊富なサポート実績を有する弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。
少額管財が選択肢に入るから
1つ目の理由は、「少額管財」が選択肢に入るからです。
少額管財とは、簡易迅速な手続きを目指す破産制度です。
先ほど解説したように、少額管財の場合には通常の法人破産と比較して予納金の額が少なくなります。
また、手続きの期間も短縮できることが多いでしょう。
ただし、この少額管財を選択できるのは弁護士が代理人として申し立てる場合だけであり、弁護士を付けない場合には選択できません。
法人破産が最良の選択であるか否か事前に相談できるから
2つ目は、法人破産が最良の選択であるか否か、事前に相談できるからです。
法人が資金繰りに行き詰った場合、法人破産のほかに、法人格を残しつつも債務を整理して再建を目指す「民事再生」や「会社更生」なども選択肢に入ります。
しかし、どの手続きが最良であるか、また自社がどの手続きを選択し得るのか判断に迷うことも多いでしょう。
弁護士にサポートを依頼することで、その状況に応じた的確な手続きを選択しやすくなります。
法人破産は非常に難易度の高い手続きであるから
3つ目は、法人破産の手続き難易度が高いからです。
法人破産は申立て書類の作成以前に、申立てのタイミングなども慎重に検討しなければなりません。
万が一タイミングを誤ると債権者の一部から財産が差し押さえられ、法人破産に必要な弁護士費用や予納金などが支払えなくなるおそれがあります。
また、法人の資産を低額で換価するなど問題のある行為をすると、不正目的での法人破産であると判断され、破産ができなくなるかもしれません。
法人破産には注意点も少なくありません。
対応を誤り法人破産ができなくなる事態を避けるため、弁護士のサポートを受けて行うことをおすすめします。
法人破産に失敗すればその影響は甚大であるから
4つ目は、法人破産に失敗した場合の影響が甚大であるためです。
法人破産の申立てに失敗すれば法人は破産ができず、債務は消滅しません。
しかし、申立ての準備段階で従業員を解雇していることが一般的であるほか、賃借物件を解約したり予納金の捻出のために事業に必要な資産を換価したりしていることも多いでしょう。
そのような状況で万が一申立てに失敗してしまうと、取り返しのつかない事態となりかねません。
失敗ができない手続きであるからこそ、弁護士に依頼して行うことをおすすめします。
法人破産の弁護士費用が支払えない場合の対処法
法人破産の弁護士費用は、高額となることも少なくありません。
では、法人破産の弁護士費用が支払えない場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
ここでは、法人破産の弁護士費用の支払いが難しい場合の主な対処法を4つ解説します。
- 法人の資産を換金して捻出する
- 会社の保険を解約して捻出する
- 親族などから借り入れる
- 弁護士に分割払いなどを相談する
法人の資産を換金して捻出する
法人破産の弁護士費用が支払えない場合、法人の資産を換金して資金を捻出することが検討できます。
たとえば、法人所有の土地建物や車、機械器具を売却することなどがこれに該当します。
なお、この場合には、資産を市場価格よりも安価に売却しないよう注意しなければなりません。
適正価格で売却しないと、法人破産を進める過程で破産管財人から財産隠しの可能性などを指摘され、法人破産の障害となる可能性があるためです。
会社の保険を解約して捻出する
法人破産の弁護士費用が支払えない場合、会社の保険を解約して資金を捻出することが検討できます。
法人で契約する保険の中には、解約することでまとまった解約返戻金が受け取れるものも少なくありません。
解約返戻金が受け取れれば、これを法人破産の弁護士費用や予納金などに充てることが可能となります。
親族などから借り入れる
法人破産の弁護士費用が支払えない場合、親族などから資金を借り入れることが検討できます。
法人破産を検討している段階では法人の財務状況が相当程度悪化しているため、金融機関などから新たに借り入れをするのは困難でしょう。
一方で、親族などであれば、今後少額ずつでも返済していくことを約することで手続き費用を貸してもらえる可能性があります。
なお、金融機関に嘘の決算書を提出するなど、虚偽の説明で借入れをすることは絶対に行ってはなりません。
取引先を騙して、返済の見込みのない掛け払いで転売用の製品を購入することなども同様です。
万が一このような行為をすれば、不正目的の破産申立てであると判断され、法人破産ができなくなる可能性があります。
さらに、詐欺破産罪に該当し、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらの併科問われる可能性も生じます(破産法265条)。
弁護士に分割払いなどを相談する
法人破産の弁護士費用が支払えない場合、弁護士に分割払いや後払いについて相談することが検討できます。
必ずしも分割払いに応じるとは限らないものの、弁護士によっては応じてくれる可能性もあるでしょう。
なお、たとえ弁護士費用が分割払いなどにできたとしても、裁判所に納める予納金を分割払いや後払いとすることはできません。
予納金の捻出も難しい場合には、法人破産の手続きを進めることは困難でしょう。
そのため、法人破産を検討する際は、手続きにかかる費用程度は捻出できるよう、計画的に準備を進める必要があります。
法人破産の弁護士費用に関するよくある質問
最後に、法人破産の弁護士費用に関するよくある質問とその回答を紹介します。
法人破産をする場合は代表者個人の破産も必要?
法人破産をするからといって、必ずしもその法人の代表者個人の自己破産が必要となるわけではありません。
ただし、代表者個人が法人の債務の連帯保証人となっているのであれば、代表者個人も自己破産を検討する必要があるでしょう。
自己破産をしなければ、たとえ法人が破産をしても、連帯保証人である代表者個人に対する取り立てを止めることはできないためです。
なお、法人破産とあわせて個人破産もする場合には、個人の自己破産に関する費用も別途必要となります。
この点も踏まえて、費用を用意しておく必要があるでしょう。
法人破産の弁護士費用は源泉徴収の対象?
法人破産の弁護士費用は、原則として源泉徴収の対象です。
ただし、弁護士が個人ではなく弁護士法人である場合には、源泉徴収は必要ありません。
まとめ
法人破産の概要や法人破産にかかる弁護士費用、弁護士費用以外に発生する主な費用などを解説しました。
法人破産をする場合、かかる費用として大きくなりやすいのは、弁護士費用と引継予納金です。
これらを捻出できなければ、法人破産を進めることは困難でしょう。
そのため、法人の資産が底をついてからではなく、もう少し早い段階から弁護士にご相談ください。
Authense法律事務所には破産管財人の業務経験がある弁護士が多数在籍しているほか、裁判官経験者も在籍しており、法人破産について的確なリーガルサポートを提供できます。
法人破産をご検討の際は、Authense法律事務所までお早めにご相談ください。










































