コラム
公開 2026.06.25

法務人材はBPOで確保する 採用が難しい時代の体制づくり

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法務メンバーの退職や事業拡大で手が足りない。そんなとき真っ先に思い浮かぶ採用も、売り手市場が続く今は経験者がなかなか集まりません。本記事では、法務人材のリソース不足を4つのタイプに分け、採用と外部リソースをどう使い分けるかを解説。顧問弁護士とBPOの違いから、社内に溶け込む運用の可能性、費用対効果まで整理します。

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法務人材が採用できない

法務メンバーが退職した、あるいは事業拡大で手が足りない。そんなとき、まず思い浮かぶのは採用でしょう。しかし法務人材の採用は売り手市場が続き、求人を出しても経験者の応募が集まりにくいのが実情です。

仮に採用できても、自社の事業や契約審査の方針を理解し、戦力化するまでには半年から1年かかることも珍しくありません。

とりわけ一人法務・少人数法務の組織では、欠員の影響が大きくなります。

オーバーフローした案件をマネージャーが巻き取り、本来注力すべきマネジメントや体制づくりに手が回らなくなる可能性もあります。

法務人材の不足を早期に補うためには、採用と並走しながら法務人材のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用することが有用です。

法務人材の不足には「4つのタイプ」がある

法務人材のBPOを検討する前に、まず自社の法務人材の不足がどのタイプかを見極めることが重要です。性質によって、最適な打ち手は変わります。

法務の人手不足と求められる人材のタイプは、大きく4つに分けられます。

①退職による欠員

急な戦力ダウンを早く埋める必要があり、即戦力の確保が鍵になります。

②繁忙期・スポットの一時的な不足

専門的な知見を有する人材を、必要な期間だけ柔軟に委託できる手段が適しています。

③事業拡大による恒常的な増員ニーズ

継続的に案件を処理できる安定した体制を確保するため、長期で稼働できる人材が求められます。

④法務部の新規立ち上げ

実務の処理能力だけでなく、フローや基準づくりの知見を有する人材が必要です。

①や②のように、一時的・変動的な不足であれば、採用よりも、必要な時だけ案件を依頼するBPOが適しています。

③や④のように、継続性や立ち上げ知見が必要な場合、採用活動を進めながら外部人材をつなぎとして活用する形が適しています。

効率的に組織をデザインするためには、人材不足のタイプに応じて採用と外部リソースを使い分ける発想が求められます。

顧問弁護士と法務人材のBPOはどう違うか

法務人材の不足を外部で補う代表的な手段には、「顧問弁護士」と「BPO」があります。

顧問弁護士は専門性が高いものの、タイムチャージでの支払形態が一般的であったり、対応可能な業務量に上限があったりするため日常業務を回す役割には向きません。

これに対し法務人材のBPO、特に、担当弁護士が企業の社内システムに入り込んで稼働する形態は日常的な業務の処理に適しています。

それぞれの特徴を把握した上で、自社のニーズに合致する形態を選ぶとよいでしょう。

法務人材のBPOを機能させる運用方法 

外部人材を迎えるうえで気になるのが、実際にどう社内で機能するかという点でしょう。事業部からの依頼を法務部員が整理し、外部人材に伝える工数がかかるようでは、業務の効率化は見込めません。

BPOの中でも、以下の特徴を備えるサービスであれば法務部員が依頼を取り次ぐ工数が大幅に削減できます。

・担当弁護士が企業の案件管理ツールにアクセスし、依頼一覧から自ら案件をピックアップして処理する

・担当弁護士と事業部担当者が社内メール・チャット等で直接やり取りし、法務部はCCで内容を把握、必要なときだけ介入する

曜日・時間を固定した出社対応やチャット・オンライン会議にも対応できるサービスであれば、運用の柔軟性も高く、他部署からは「新しい法務メンバーが加わった」かのような印象を与えます。

法務人材のBPOと言っても、運用の形態は様々です。レビューの工数だけでなく、案件の受付、事業部とのコミュニケーションなどの視点を持ってサービスを比較することが成功のポイントです。

法務人材のBPOではノウハウが残らないのか

法務人材のBPOを行う際、「社内にノウハウが残らないのでは」という懸念を持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、外部弁護士が社内のシステムに入り込む形であれば、弁護士と事業部のやり取りが社内に蓄積されていきます。

外部弁護士の知見が社内のログとして残るため、法務の新人を採用した際のOJT教材にもなります。他業界から転職してきたメンバーでも、弁護士の回答や言い回しを見て実務を吸収し、早期のオンボーディングにつながります。

外部弁護士が先輩メンバーとして、契約レビューの視点を指導するサービスもあります。

本来、人材の採用によって期待していた育成・知見の蓄積といった効果まで、外部への委託で得られるのです。

法務人材のBPO、費用対効果をどう考えるか

法務人材のBPOに関する費用は、採用との比較が判断材料になります。採用の場合、転職エージェント等に支払う費用に加えて人件費が固定費として計上されます。

採用の決定には時間もかかる上に、法務人材の確保は難易度が上がっています。

一方、法務人材のBPOには契約審査1件あたりで課金する変動費モデルのサービスもあります。

また、最短翌月にアサイン、最低契約期間1ヶ月から利用可能という形態もあり「採用できたら縮小する」前提のつなぎ利用でも導入のハードルは高くありません。

自社に合う法務人材のBPOを選ぶには、「人材不足のタイプ」と「手段の特性」を掛け合わせて考えるのが近道です。

すでに顧問弁護士がいる企業も、非定型・高難度は顧問、日常の実務はBPO、という役割分担で併用できます。採用を止めることなく並走できる選択肢として、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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