コラム

公開 2021.09.28 更新 2023.01.30

解決事例からみるフィンテックビジネス開始時に弁護士に相談するメリット

解決事例からみるフィンテックビジネス開始時に弁護士に相談するメリット
記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。法律事務所オーセンス入所から、ベンチャー法務を担当し、現在では、HRTech(HRテック)ベンチャー法務、芸能・エンタメ・インフルエンサー法務、スポーツ団体法務等を中心に担当。上場企業をはじめとした日本国内外に成長を求める企業のM&A支援にも積極的に取り組む。
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はじめに

ベンチャー企業がフィンテックビジネスを始める際、資金決済法や出資法などを避けて通ることはできません。フィンテックビジネスを始めようとする際には、行おうとしている業務が資金決済法などの規制対象となるのか、その事業設計の段階でよく確認しておくことが重要となります。

今回は、当事務所がサポートしたインターネットサービス運営会社の事例をご紹介いたします。フィンテックビジネス開始時のご参考となれば幸いです。

ご相談までの経緯・背景

一般ユーザー向けにインターネットサービスを提供しているA社は、サービスローンチ前からのちの株式上場を想定していました。
企画・制作を進めていたサービスは独創的なもので、社会に広く価値が認められることが想定されていましたが、当初のスキームでは、資金決済法や出資法など、いくつかの規制に抵触する可能性がありました。
A社自身もその危険性を認識しており、「これらの問題をクリアして、適法にサービスを運営するためにはどうすればよいか」と、当所にご相談にお見えになりました。

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解決までの流れ

抱えていた課題を真正面から解決するには、多大な労力と資金が必要でした。
資金に限界があるベンチャー企業にその余裕はなく、新たなスキーム構築が求められました。
その際、A社の経営者はのちの上場を目指していたため、特にコンプライアンス面で問題がないこと、証券会社は投資家からのQ&Aにも耐えうる健全性も必要な状況でした。

A社からのヒアリング後、まずは関連する法令や文献を徹底的に調査しました。

  1. 適法と明示できる範囲
  2. 違法と明示できる範囲
  3. 法令の解釈の幅の中で違法・適法の判断が分かれうる範囲、を選別。

どうすればA社のサービスを社会に適法な形で届けることができるのかを調べていき、法令の解釈など、不明な点は監督官庁に電話や訪問を繰り返し、細かい懸念点も潰していきました。
同時に、「なぜあの企業ではサービス運営ができるのか」「どのような解釈で規制を乗り越えているのか」など、他分野で同様のサービスを提供している企業を調査することで、解決へのヒントを探りました。

その結果、監督官庁からも了解を得られる、A社でも現実的に実施可能なスキームを構築。A社に提案しました。

当所からご提案したアイデアを分析した結果、最終的にA社はそのプランを採用されました。顧問契約締結から3ヵ月でサービスをローンチし、その3年後、上場することができました。

結果・解決ポイント

A社が提供したいと考えていた絶対的に譲れない価値を守るためにはどうすればよいのか、適法な着地点を求めて調査、監督官庁との折衝を繰り返した結果、ビジネス的にも法律面でも問題のないスキームを生み出すことができました。

問題に直面した際、どのようにすればその問題を回避できるのか?
「できません」「無理です」で終わらせるのではなく、どうすれば適法な解決策を見いだせるのか、諦めずに探し続けた結果と言えるでしょう。

新たなサービスを社会に提供する際、将来は上場したい、バイアウトしたいといった目標や夢があるのであれば、ローンチ前に法律面の懸案は排除しておく必要があります。
サービスが軌道に乗り、動き始めてからの修正や方向転換は、多大な労力と資金が必要になる場合があります。

今回の事例のように、新たにフィンテックビジネスを始めようとされている方は、サービス開始前に、ぜひ一度ご相談ください。資金決済法や出資法などは言い回しも難しく、また施行令を参照すべき箇所も多く比較的難解な法律です。
制度を知らずに違反行為をしてしまっては、元も子もありません。
Authense法律事務所では、法律相談だけでなく、サービスローンチ時の事業設計の段階から、弁護士がルールメイキングのサポートもさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

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