コラム

公開 2021.04.15 更新 2024.03.11

ベンチャー企業のDXベストプラクティス10選

ベンチャー企業のDXベストプラクティス10選

中小企業に焦点を当てDXのベストプラクティス10選をご紹介します。新型コロナウイルス感染拡大をきっかけにDXは急速に拡大し、ビジネスモデルを変革しようと努力している企業も多いでしょう。DXに取り組むのは大企業だけではありません。中小企業にもDXに取り組んでいる企業やスタートアップ、ベンチャー企業があります。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
一橋大学法学部法律学科卒業。元裁判官。企業法務、M&A、労働法、事業承継、倒産法(事業再生含む)等、企業に係わる幅広い分野を中心とした法律問題に取り組む。弁護士としてだけでなく、裁判官としてこれまで携わった数多くの案件実績や、中小企業のみならず、大企業や公的企業からの依頼を受けた経験と実績を活かし、企業組織の課題を解決する多面的かつ実践的なアドバイスを提供している。
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ベンチャー企業こそDXが必要

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の波は急速に広がっています。
現に、多くの企業や自治体でDXの導入が開始されており、ビジネスモデルの革新を進めています。

このように、DXが促進される昨今ですが、DXを進めるべきなのは大企業だけと考えている方も多いのではないでしょうか?
確かに、歴史のある重厚長大な企業などでは、ビジネスモデルの革新が大きな効果をもたらすかもしれません。

しかし、大企業に比べ経済的基盤の弱い中小企業こそ、DXに取り組みビジネスモデルの革新を起こしていかなければなりません。
競争優位性を高め企業を存続させるためにも、中小企業こそDXは必要であると言えるでしょう。

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ベンチャー企業でDXを成功させるためには

ベンチャー企業でDXを成功させるためには、以下2点を意識することが肝要です。

  • 自社の事業が各ステークホルダーに提供する価値と、自社がその事業によって受け取る利益のバランスが取れるビジネスモデルを構築する
  • コンプライアンスを確保し、適法なビジネスモデルを構築する

自社の事業が各ステークホルダーに提供する価値と、自社がその事業によって受け取る利益のバランスが取れるビジネスモデルを構築する

まず、ベンチャー企業の中には、DXとしてイノベーションを起こすことだけに注力してしまう企業もあります。
もちろん、既存のビジネスモデルや常識を打ち破りイノベーションを起こすことは重要ですが、それだけでは長期的な成長は望めません。

社会の中でビジネスを営む以上、他者に価値を提供し、対価を受け取る必要があります。
この価値と対価のバランスが取れていないと、市場のニーズに応えることができず、思うように利益をあげられません。
短期的には注目を集めることができたとしても、長期的に成長を続けることは難しいでしょう。

DXに取り組む際は、ビジネスモデルのイノベーションのみに囚われるのでなく、自社が提供する価値と自社が受け取る利益のバランスが取れるようなビジネスモデルを構築するよう心がける必要があります。

コンプライアンスを確保し、適法なビジネスモデルを構築する

1点目と共通しますが、イノベーションを起こすことに夢中になり、コンプライアンスが疎かになってしまうケースも散見されます。
せっかく魅力的なビジネスモデルを構築しても、法令違反を犯してしまっては台無しです。

DXによりビジネスモデルにイノベーションを起こす場合は、法令に違反しない適法なものか、よく確認するようにしましょう。
専門家にサポートを依頼すれば、コンプライアンスをより遵守しやすくなります。

ベンチャー企業のDXベストプラクティス10選

ここでは、DXに取り組むベンチャー企業やDXスタートアップ企業のDX取り組み事例をご紹介します。

クレストホールディングス株式会社

群馬県で看板屋として創業したクレストホールディングス株式会社(旧:株式会社クレスト)は、いわゆる“レガシー産業”(需要の減少が続く斜陽産業)である看板事業を同社の中心事業に成長させるため、事業や組織のDXに取り組んだそうです。

DXにより、生産性向上による競争優位性の獲得、組織としての一体性確保によるノウハウの共有といったイノベーションを起こし、売り上げが5年間で約3倍にも跳ね上がったそうです。※1

レガシー産業でイノベーションを起こし成長することは非常に難しいと思われますが、クレストホールディングスでは「生産性」と「市場成長性」の2つの軸を掛け合わせるという考え方に基づきDXに取り組んだ結果、売り上げの増加を達成したとのことです。
https://crestholdings.co.jp/

クラフトバンク株式会社

クラフトバンク株式会社は、建設業界に特化した受発注オンラインプラットフォームの運営や建築物の企画・設計を主な事業とする企業です。

建設業界は、人手不足や、IT化の遅れが問題となっていたそうで、また、適切な発注先を探せなかったり、新しい受注先に出会えなかったりといった情報の非対称性により、受発注のミスマッチが生まれ、無駄なコストや労力が生じていたそうです。※2

クラフトバンクは、工事業者を登録するオンラインプラットフォームを構築することで、発注者が登録している数多くの工事業者からベストな企業を選択できるビジネスモデルを形成しました。

発注者側の選択の幅が広がることはもちろん、工事業者側もこれまで関係を持つことができなかった新規の発注者から仕事を受けるチャンスが広がるため、双方にとってメリットの大きい事業と言えます。
https://craft-bank.com/about

ステラアソシエ株式会社

ステラアソシエ株式会社は、製造業をはじめとした大手企業のマーケティングや新規事業のDXをサポートする企業です。
市場調査や想定されるユーザーとの商談といったニーズ発掘から顧客獲得まで、DXのみならず幅広く総合的にサポートしています。
https://stella-associa.jp

株式会社TRINUS

株式会社TRINUSは、「技術」「クリエイター」「エンドユーザー」の3つが集まるプラットフォームを運営する企業です。

従来、商品開発はアナログな手順で進められることが多かったのですが、TRINUSでは技術の公開から試験販売、さらには本格的な一般向けの販売までの一連の行程をデジタルでスピーディーに推進できるようにしました。
https://trinus.co.jp/

ユニファ株式会社

ユニファ株式会社は、保育業界のDXを推進する企業です。
保育支援機器を活用した、子どもたちの昼寝を見守るIoT機器サービスや写真・動画をオンラインで購入できるサービスを提供しています。

保育園や幼稚園にサービスを提供することで、社会全体の育児環境をより良くするためのDXの実現を目指しています。
https://unifa-e.com/company/

ビルコム株式会社

ビルコム株式会社は、クラウド型のPR効果測定サービスを展開する企業です。

「総合型PR」と銘打ち、PRのサポートをはじめ、これまで効果測定が困難だった広告分野での効果測定を実現。
広報分野において、数多くの企業のDXに貢献しています。
https://www.bil.jp/whats_pr/

カラクリ株式会社

カラクリ株式会社は、コールセンターやカスタマーサポートのDXを推進する企業です。

AIチャットボットの提供により、顧客サポートのAI化を実現します。
https://karakuri-ai.co.jp/

株式会社re

パッケージ印刷事業のDXを促進する株式会社reは、発注者と印刷会社をマッチングするプラットフォームを形成。
多重下請けが多く、入稿までに時間のかかっていた従来のパッケージ製造業界に革新をもたらしました。
注文コストの削減に大きく貢献しています。
https://canal.ink/

株式会社nene

オンライン秘書を提供する株式会社neneでは、「誰もがコンシェルジュを持ち歩く時代に」をコンセプトに、オンラインで秘書を利用できるサービスを提供しています。
日々の雑務をオンライン秘書に依頼することで、本業に集中することができます。
https://012grp.co.jp/group/nene

sweeep株式会社

sweeep株式会社は、経理・会計業務のDXを推進する企業です。
ルーティンワークの多い経理・会計業務において、請求書や領収書の処理を効率化するサービスを提供し、業務の効率性を向上させます。
https://sweeep.ai/

弁護士ドットコム株式会社

弁護士ドットコム株式会社は、クラウドサインという契約業務をオンラインで行える電子契約システムを提供しています。
紙での契約書の作成や締結には、多く手間やコストがかかるところを、電子契約を用いることで迅速かつ安価に契約業務を完結することができます。

同社は、オンラインで、弁護士や税理士などの専門家とつながるポータルサイトサービスも展開しており、多くの分野でDXに取り組んでいます。
https://www.cloudsign.jp/

まとめ

中小企業でこそDXが求められる理由と、DXに取り組むベンチャー企業・スタートアップ企業の事例などを紹介しました。
企業だけでなく、国もDX関連の政策を実施するなど、DXの必要性は国全体に認知されるに至っています。

当然、DXが必要なのは大企業だけではありません。
経済基盤が弱く、人的にも物的にもリソースの少ない中小企業やベンチャー企業こそ、生産性や効率性を向上させるDXは不可欠です。

とはいえ、イノベーションに夢中になるあまりコンプライアンスが疎かになってしまっては本末転倒です。
特に、DX分野は、まだまだ法整備が十分ではなく、いつ新しい法規制がなされてもおかしくない状況にあり、専門家のサポートは重要です。
コンプライアンスに不安がある場合は、専門家にサポートを依頼することをおすすめします。

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