コラム

上場審査中の企業で不祥事が発覚。検察庁を動かし審査に間に合うよう刑事処分なしの結果を獲得した事例

上場審査中の企業で不祥事が発覚。検察庁を動かし審査に間に合うよう刑事処分なしの結果を獲得した事例

飲食店チェーンを展開しているC社は、上場に向けて順調に準備を進めていましたが、運営している飲食店のある店舗が、未成年者にお酒を提供してしまい、その未成年者が急性アルコール中毒で救急搬送される事件が起こりました。
上場するためには、審査に間に合う時期に「刑事処分なし」、という結果を獲得することが求められました。
弁護士がどのように解決へと導いたのかを解説します。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、刑事分野の責任者として指導にあたる。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。

ご相談までの経緯・背景

飲食店チェーンを展開しているC社は、上場に向けて順調に準備を進めていました。
そのさなか、運営している飲食店のある店舗が、未成年者にお酒を提供してしまい、その未成年者が急性アルコール中毒で救急搬送される事件が起こります。
未成年者にお酒を出したということで、C社は書類送検されました。
ちょうど上場審査中だったため、この件は上場審査における致命的な不祥事になると指摘を受けることになりました。
上場するためには、審査に間に合う時期に「刑事処分なし」、という結果を獲得することが求められました。

解決までの流れ

C社に対して処分を出すのは検察官です。
通常、外から「急いでください」とお願いしても、取り調べ、決裁などの手続きを経て、処分が下るのに何ヶ月もかかるのが通例です。
通常であれば、依頼を受けてもなにもできない案件なのですが、結果として、1週間ほどで不起訴を獲得し、C社は無事に上場を果たしています。

私はもともと検察官でしたので、どのような手続きで物事が進んでいくのかを熟知しています。
検察庁に電話をかけ、いつまでになにを進めて欲しい、できるはずだと筋道を立てて説得。同時に、検察官が忙しいことを言い訳にこの件の捜査を後回しにすることが一私企業の上場審査に致命傷を負わせるということを繰り返し伝える など、あの手この手でプレッシャーをかけ続けました。

その結果、検察官側は作業を進めてくれましたので、こちらは不起訴を獲得するための準備を進めていきました。
本件が、会社のチェックをすり抜ける「未成年者側の作為」によるやむを得ない事案だったことを説明し、事前に会社が取っていた「未成年者チェック対策」、「再発防止策」を早急にまとめた上、検察庁に、「この日までに不起訴処分を出してほしい」とお願いしました。
その結果、不起訴を獲得。無事上場審査を通過しました。

結果・解決ポイント

上場審査は、不祥事が起きない体制であることも重要な基準となります。
書類送検というわかりやすい形はもちろんですが、社内でくすぶっている潜在化している火種も消さなければなりません。
そのためには、小さな火種のうちに通報窓口に情報が集まる体制を作ることが大切です。
同時に、火種が起こらない体制を研修などを通じて作っていくことも必要でしょう。
直接通報を受けられる通報窓口と、長期戦で問題が起こらない体制を作る研修の両輪で、健全な社内体制を作ると良いでしょう。

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