行政調査対応

近年、企業が規制当局から行政調査を受ける機会が増加しています。
行政処分の回避や軽減をはかるには、規制当局の視点を踏まえた適切な対応が重要です。

では、行政調査とはどのような調査を指すのでしょうか?
また、行政調査対応を弁護士に任せることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、行政調査の概要や行政調査対応の注意点、行政調査対応を弁護士に依頼するメリットなどについてくわしく解説します。

なお、Authense法律事務所は、実務的アドバイスと最適なチーム編成で行政調査への適切な対応を支援します。
行政調査対応を依頼する弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお気軽にお問い合わせください。

記事を監修した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。國學院大学法学部法律学科卒業、中央大学法科大学院修了。企業法務を重点的に取り扱い、中でも広告審査・スポーツ法務に注力。情報を精査して過不足なく提示することを心がけており、法的トラブルの全体像を俯瞰的に捉えてベストな解決策を提案することを得意としている。
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行政調査とは

行政調査とは、行政機関が行う調査です。

行政調査の幅は非常に広く、政策立案や方針検討などのために行われる国勢調査や統計調査もこの行政調査の1つです。
その一方で、行政処分などその企業への個別具体的な措置を検討するために行われる税務調査や公正取引委員会による企業調査なども、行政調査に分類されます。

この記事では、後者を前提として解説を進めます。

行政調査には、主に次の3つがあります。

  • 任意調査
  • 間接強制調査
  • 直接強制調査

任意調査は明文化された法の規定は存在せず、拒否をしても罰則などはありません。

一方で、間接強制調査は強制ではないものの、正当な理由なく拒絶すれば罰則の適用があり得るものであり、事実上の強制といえます。

また、独占禁止法など一部の法令に規定のある直接強制調査は拒否することができず、調査官は証拠資料の差押えなど非常に強い権限を有しています。
その反面、他の行政調査とは異なり、許可状が必須です。

行政調査の例

行政調査は非常に種類が多いため、具体的なイメージが沸きづらいかもしれません。
そこでここでは、代表的な行政調査を4つ紹介します。

  • 税務署による税務調査
  • 証券取引等監視委員会による証券取引調査
  • 公正取引委員会による企業調査
  • 警察官による立入検査

税務署による税務調査

税務署による税務調査は、行政調査の1つです。
税務調査は「任意」といわれることもあるものの、正当な理由なく拒否すると罰則の対象となるため、間接強制調査に分類されます。

税務調査は申告内容に疑義がある場合に行われるほか、具体的に不正などが疑われているわけでなくても、税務署側の判断で調査対象に選ばれることもあります。
企業にとってもっとも身近な行政調査といえるでしょう。

証券取引等監視委員会による証券取引調査

証券取引等監視委員会による証券取引調査とは、証券取引市場における不公正取引や法令違反行為を調査するものです。
金融証券取引法が根拠とされており、不正が発覚すると改善命令が出されるほか、課徴金納付命令がなされることもあります。

公正取引委員会による企業調査

公正取引委員会による企業調査とは、独占禁止法などに違反する行為の有無を調査するものです。
公正取引委員会が違反の疑義を持った場合や、公正取引委員会に違反の通報があった場合などに調査が行われます。

警察官による立入検査

犯罪捜査の一環として、警察から調査対応への協力を求められる場合があります。
これも行政調査の1つです。

行政調査に対応する際の注意点

行政調査に対応する際は、注意すべきポイントがあります。
ここでは、行政調査対応の主な注意点を4つ解説します。

  • 任意だが、事実上拒否は困難であると理解しておく
  • 準備を怠ると是正指導などにつながる可能性が高くなる
  • 虚偽の回答をしない
  • 対応に迷う場合は弁護士へ相談する

Authense法律事務所は、各種行政調査への立ち会いや過酷な調査監視などを行っています。
行政調査への対応に不安がある場合には、Authense法律事務所へご相談ください。

任意だが、事実上拒否は困難であると理解しておく

1つ目は、行政調査の拒否は事実上困難であることを理解しておくことです。

行政調査の多くは、法令の規定で直接的に強制されているわけではありません。
しかし、この点だけを見れば「任意」である一方で、そのほとんどは正当な理由なく拒絶すれば罰則が適用され得る間接強制調査です。

そのため、実際にはほとんどのケースにおいて、行政調査の拒否は困難といえます。

準備を怠ると是正指導などにつながる可能性が高くなる

2つ目は、調査の準備を怠ると、是正指導などにつながる可能性が高くなることです。

行政調査のほとんどは調査官が突然会社に訪れるのではなく、事前に連絡が入り、日程調整をしたうえで調査がされるものです。
実際に調査に入るまでには若干の「猶予期間」があるため、その間に調査官が確認すると考えられる資料を用意しておきましょう。

調査に臨む際に必要な資料が用意できていないと、資料を適切に保管できていないとして是正指導などの行政処分の対象となるおそれが生じます。

虚偽の回答をしない

3つ目は、虚偽の回答をしないことです。

行政調査で虚偽の回答をすることは避けるべきです。
なぜなら、間接強制である多くの行政調査で虚偽の回答をする行為は、行政調査を正当な理由なく拒否した場合と同様に、罰則の適用対象となる可能性があるためです。

わからない場合には、無理にその場で回答することは避け、専門家に相談したうえで回答しましょう。
はじめから、行政調査の場に弁護士などの専門家に立ち会ってもらうと安心です。

対応に迷う場合は弁護士へ相談する

4つ目は、対応に迷う場合には、弁護士へ相談することです。

行政調査の中でも税務調査の場合には、調査の第一報は税理士に入ることが原則であり、税理士が立ち会うことがほとんどです。
一方で、それ以外の行政調査ではどのように対応すべきかわからず、右往左往してしまうこともあるでしょう。

行政調査への対応でお困りの際は、弁護士へご相談ください。
弁護士に相談することで、事前の準備についてサポートが受けられるほか、当日の調査対応を任せることも可能となります。

行政調査対応について相談できる弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所へお問い合わせください。

弁護士に行政調査のサポートを受ける主なメリット

弁護士に行政調査のサポートを依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、行政調査対応を弁護士に任せる主なメリットを4つ解説します。

  • 違法・不当な行政調査の抑止につながる
  • 適切な対応により行政処分を回避しやすくなる
  • 資料提出などの労力が軽減される
  • 事業者の心理的負担を軽減できる

違法・不当な行政調査の抑止につながる

弁護士へ行政調査対応を依頼することで、違法や不当な行政調査の抑止につながります。

調査官も「人」である以上、認識不足などから、ときに違法や不当な調査によって望んだ調査結果を得ようとする場合があります。
しかし、どのラインからが違法・不当であるかの判断は容易ではありません。

そのため、自社だけで調査に臨むと調査官に抵抗できず、調査官の指示に従ってしまう可能性が高いでしょう。

弁護士が行政調査対応をすることで、違法や不当な行政調査の抑止につながるほか、万が一そのような対応がされた際には毅然と指摘をすることで、違法な調査や不当な調査を回避できます。

適切な対応により行政処分を回避しやすくなる

弁護士へ行政調査対応を依頼する場合、事前に必要な資料を用意したり想定される質問への回答をシミュレーションしたりすることで、行政調査への適切な対応が実現できます。
その結果、行政処分の回避や軽減が期待できます。

資料提出などの労力が軽減される

行政調査の内容によっては、膨大な資料の提出を求められる場合があります。
また、どのような資料をどの程度用意すればよいか判断に迷うことも多いでしょう。

弁護士が行政調査対応をサポートすることで、用意すべき資料の判断をしやすくなることに加え、資料の準備についてもサポートが受けられるため、事務負担が軽減できます。

事業者の心理的負担を軽減できる

慣れない行政調査に臨む際、大きな不安を感じることも多いでしょう。
行政調査の結果によって、重大な行政処分の対象となり得るケースではなおさらです。

弁護士に行政調査対応を依頼することで、その調査によってなされる可能性のある行政処分の内容を事前に想定できるほか、行政調査当日の対応を任せることも可能となります。
その結果、事業者側の心理的な負担を軽減することにつながるでしょう。

このように、行政調査対応を弁護士に依頼するメリットは小さくありません。
行政調査対応を任せられる実績豊富な弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

行政調査について弁護士に依頼できる主なサポート

行政調査対応に関して、弁護士へは具体的にどのようなサポートを依頼できるのでしょうか?
最後に、行政調査について弁護士が担う主なサポート内容を紹介します。

  • 行政調査への立ち会い・調査監視
  • 不服審査請求代理
  • 行政訴訟(行政事件訴訟・国家賠償請求訴訟)代理

なお、具体的な支援内容は弁護士によって異なる可能性があるため、実際に依頼する前に具体的なサポート内容を確認しておくとよいでしょう。

Authense法律事務所は行政調査対応について、各種行政調査への立ち会いや調査監視、不服審査請求代理から行政訴訟(行政事件訴訟・国家賠償請求訴訟)代理についてまで、総合的なリーガルサポートを提供しています。
行政調査対応でお困りの際は、Authense法律事務所までご相談ください。

行政調査への立ち会い・調査監視

弁護士は、行政調査に立ち会うとともに、調査の監視を行います。

行政調査は、適法に実施されなければなりません。
しかし、中には違法な調査や不当な調査がなされる場合もあります。

弁護士は企業の代理人として行政調査に対応するとともに、違法や不当な調査が行われないよう監視する役割も果たします。
また、必要に応じて行政調査前の資料確認やシミュレーションなどの準備もサポートします。

不服審査請求代理

弁護士は、不服審査請求(不服を申し立てる)を代理します。

行政調査の結果、企業に対して行政処分がなされる場合があります。
行政処分の内容は多岐にわたり、業務改善へ向けた指導や命令に留まることもあれば、許認可の取消しや業務停止命令、課徴金納付命令など非常に重い処分が下されることもあるでしょう。

行政処分の内容が行為に比して妥当なものであれば、これを受け入れ、今後の反省へと活かすこととなります。
一方で、行政処分の手続きに瑕疵があるケースや、行為に比して処分の内容が重過ぎるケースもゼロではありません。

そのような場合には、不服審査請求の申立てを検討することとなります。
不服審査請求とは、行政庁の行った処分に不服がある場合に、行政不服審査法に基づいて不服を申し立てるものです。

弁護士は、この不服審査請求にあたって代理人となり、不当な行政処分の取り消しをはかります。

行政訴訟(行政事件訴訟・国家賠償請求訴訟)代理

弁護士は、行政訴訟において企業の代理人となり、弁護活動を行います。

違法な行政処分によって企業に損害が生じた場合には、行政事件訴訟や国家賠償請求訴訟などの訴訟を提起して損害の回復を図ることとなります。
弁護士は、行政訴訟において企業側の代理人となり、企業の利益回復をはかります。

まとめ

行政調査とは、行政機関が行う調査を指します。
行政調査は任意調査と言われることが多いものの、その多くは正当な理由なく拒絶した場合に罰則の対象となる「間接強制調査」であり、原則として拒否することはできません。
行政調査の対象となった場合、企業としては行政処分の軽減や回避を目指すこととなります。

行政調査への対応を誤ると、行政処分の対象となるおそれが高くなるため、無理に自社だけで対応しようとせず、行政調査対応に関する実績が豊富な弁護士のサポートを受けるとよいでしょう。
弁護士のサポートを受けることで適切な対応が可能となり、行政処分を回避・軽減しやすくなるほか、違法または不当な行政調査の抑止につながる効果も期待できます。

Authense法律事務所は、行政の論理や組織構造の理解と説得材料を重視し、各種行政調査への立ち会いや調査監視、不服審査請求代理、行政訴訟(行政事件訴訟・国家賠償請求訴訟)代理などに対応します。
行政調査対応可能な弁護士をお探しの際は、Authense法律事務所までお気軽にご相談ください。

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